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創作大賞2024 |黄金をめぐる冒険⑫

黄金を巡る冒険①


ある詩人が地獄について語ったうたがある。

地獄よりいずる二つのものがいる。
風を司るものと雷を司るものである。
一つは春の導きとなり、一つは海と空への祈りと化す。

地獄により黙示と再生が行われる。
地獄は闇をつくるものでもあり、それを照らすものでもある。

孤独による自閉は繋がりを求めた結果である。
空間の隔絶は孤独を助長させる。

光さえも隔絶された空間を、暗闇と呼ぶ。
完全な暗闇では認識さえも尊いものとなり、
万物の事象の内面をさらけ出す。

剥き出しになった果実の灯火ともしび
集まる意識たちが踊りだす外の意思。

いずる二つのものが見守る中、
地獄はカラスに狡猾さを与え、案山子カカシには口を与え、人には友情を与えた。

地獄よりいずる二つのものがいた。

第十二部(完)
Mr.羊

黄金を巡る冒険⑬


#創作大賞2024
#ファンタジー小説部門

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