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不動産英単語から知る、金の流れと世界の動向ー第一部

リラックスして読む手頃なエッセイ
英語も学べて知識もつきます!

第一部 ー 物件を読み解くための単語 
Phase 1 - English words for Understanding Properties 

ーはじめにー

海外で街を歩いていると、よく、フリーペーパーが置かれています。
その多くが、不動産 property のものです。
不動産屋 Property Agents / Real Estate Agents / Realtor  の前に
ちょっとしたカゴのような入れ物があって、
そこに売り買い sales 、または賃貸 rental している
物件広告が載っています。
アメリカの街中には、
ブルーのフリーペーパーボックスがあって、
そこから不動産情報や観光情報をもらえます。
イギリスでも、そういうフリーペーパーが街にもあったし、
雑誌の形態で新聞に挟まって家に配られました。

私はこれらを見るのが大好きでした。
みんなどんな家に住んでるんだろう、
自分が住むならどんなふうに使ったらいいだろう、
そんなことを考えるとワクワクでした。
それに不動産情報を読めば、
観光情報誌には無い、その街の情報もつかめます。

また、当然ながら、
不動産は投資 investment の対象であり、
重要な資産 asset です。
世界の不動産の動向を追うことは、
ビジネスの中でも基幹となる
金の流れに注目することになります。
同時に、
生活に密着した不動産用語を英語で学んでいくことは、
豊かな英語表現を育てるのに役立ちます。

身近にある不動産広告や、
アメリカ版不動産データベース Zillow を読み解くことで、
お金を考えるための英語力を、
楽しく身につけていけたらと思います。

このビジネス英語エッセイは26章から成り、
<文章からバーチャルな不動産を想像して楽しもう!>
<Fun Reading by virtue of  Imagining the Virtual Property!>
というコンセプトを掲げて執筆されました。
オリジナルは
「楽しい不動産英単語 - Enjoy English Expressions for Properties 」
という題で、
2023年9月4日から2023年12月14日の期間
note に投稿掲載されています。
今回、創作大賞2024年ービジネス部門に向けて、
加筆修正し、まとめてみました。
ファイルが大きくなりすぎるので、

第一部 ー 物件を読み解くための単語
Phase 1 - English words for Understanding Properties
 

第二部 ー 世界のデータベースと投資環境の理解
Phase 2 - Comprehension of Global Investment Environment through Database of Different Countries

に分けました。

楽しんでいただけたら幸いです。


第1章 ペリカンアイランド物件の1 ー Vol.1 - Property at
Pelican Island - 1


ここでは、まず、チラシ広告の表現を読んで、
どんな家があるのか、想像を膨らませてみましょう。


写真1:真ん中の赤で囲んだ物件を見ていきます

写真は何年か前に、ニュージャージーの
ジャージー・ショア Jersey Shore と呼ばれる
海辺のエリアでタダでもらった
Homes & Land of Ocean County, NJ Vol 35 / #2
という広告冊子から掲載しています。
今では値段も大きく変わったことと思いますが、
ここでは一応$800,000にしてあります。

Pelican Island $800,000 Fabulous Shore Colonial w/ contemporary flair! Private community beach. Brand new kitchen w/ full appl pkg & ctr isld, formal LR w/ frpl, DR, den w/bar area, MBR w/ brand new mstr bath & sliders to new fiberglass deck. 3 add’l guest BR & 3 guest baths! Fenced rear yard for entertaining. ALL NEW: roof, windows, 3/4” cedar shake siding, & tankless HWH. A/C 3 yrs new.

Homes and Land of Ocean County 

これは広告という制約のあるスペースに、
できるだけ情報を詰め込もうと書かれた記事で、
7つの文章で成り立っています。
便宜上、文章に①から⑦と振りました。

今回Vol.1-1では①から④までを読み解きます。

次回の後半では、⑦までを終了します。

①Pelican Island $800,000
(訳)ペリカンアイランドの物件で価格は80万ドル

②Fabulous Shore Colonial w/ contemporary flair!  
(訳)現代感覚を備えた素晴らしい海辺のコロニアル様式!
(説明)
コロニアル様式というのは
一つの大きな様式のグループで、
アメリカも100年を超えるような家がざらにありますから、
ここでわざわざ、
現代感覚を備えたと言って、
古ボケていないことを強調しています。

w/ => with の略です。

③Private community beach.
(訳)プライベート・コミュニティーに所属するビーチ地区

(説明)
アメリカでは、ビーチはタダでないことが多いです。
その中でも、
地方政府が運営管理しているものは、
誰でもお金を払って入れますが、
プライベートとなると、
その地域の家だけが会員となって所有しているビーチなので、
他の人たちは入れません。
ビーチはタダではないけれども、
その地域の住人は税金を払っているので、
シーズンの最初にシーズンパスのようなもの
(タグと呼ぶことが多いです)
を割り当てられ、
割安で手に入れることができます。
ですから、
「○○ビーチに親戚が住んでる」「わあ、いいなあ」
などと羨ましがられるのは、
よく管理されたビーチに安く行けるタグを
貸してもらえるのだろうと考えるからです。
また、上の訳では英文にない「地区」を付け加えましたが、
この家がプライベート・コミュニティー・ビーチのエリアに建っている、
という意味だからです。

④Brand new kitchen w/ full appl pkg & ctr isld, formal LR w/ frpl, DR, den w/bar area, MBR w/ brand new mstr bath & sliders to new fiberglass deck.
(訳)新品のキッチンはパッケージで全家電が揃い、しかもセンター・アイランド。フォーマルのリビングルームは暖炉付き、ダイニング・ルーム、バーのあるデン、主寝室には新品のマスターバス、そして新品のファイバーグラス・デッキへ続く引き戸があります。

appl pkg => appliance package
特にイーストコーストの大型家電ショップでは、
フル・アプライアンス・パッケージで
商品を買わせることが多いです。
つまり、
冷蔵庫、ガスレンジ、食洗器、電子レンジなど、
家電の一括パッケージ販売することで、
割引を増やし、また統一された外観を提供して、
お得感を出します。

ctr isld=> center Island (kitchen) 
アイランドキッチン
は日本でも人気上昇中、
主婦の夢ですが、
キッチンの中央にアイランドと呼ぶ調理カウンターを置いた様式
のことです。

LR w/ frpl => living room with fire place  
リビングルームに暖炉
がついているのは、
やはり元々ヨーロッパ系の移民の国ですから、
尊重されます。
また開拓時代の精神を反映して、
家の中で火を燃やす生活も大事なようです。
わざわざ書くのは、
それを好む人が多いからと、
暖炉のある作りは豪華だというアピールになるからです。

den => デンと訳しました。
最近では日本語にもなっていると思いますが、
キッチンの横などにある、
小さな座れるスペースを指したことが多かったですが、
豪華なデンもあるようです。
また、書斎を兼ねている時もあるようです。

DR => dining room  
この物件にはダイニング・ルームもあります。
アイランドのあるキッチンでは、
きっとカウンンター席があり、そこでブレックファスト。
そして、お客様を迎えた時には、
フォーマルなダイニングルームでおもてなし、
という作りではないかと勝手に想像します。

MBR => main bedroom 
主審室
の意味。
主審室があるということは、
もっと他にも寝室があると推測してください。

mstr => master の略
主審室のお風呂には、
ファイバーグラスで新築したデッキがあって、
そこに出られるようになっている構造のようです。
素敵だと思うか、必要ないと思うか、
お好みで。

いかがですか?いろいろな情報が詰め込まれている、不動産セールス文章。ワクワクしませんか?上の写真と合わせて、これがどんな家か、イメージが湧いてくると楽しくなります。



第2章 ペリカンアイランド物件の2 ー Vol.2 -  Property at Pelican Island - 2


前回は、ペリカンアイランドの物件の①から④をみました。
続けて、後半の⑤から⑦をみていきます。

前回までの訳:

①Pelican Island $800,000
(訳)ペリカンアイランドの物件で価格は80万ドル

②Fabulous Shore Colonial w/ contemporary flair!  
(訳)現代感覚を備えた素晴らしい海辺のコロニアル様式!

③Private community beach.
(訳)プライベート・コミュニティーに所属するビーチ地区

④Brand new kitchen w/ full appl pkg & ctr isld, formal LR w/ frpl, DR, den w/bar area, MBR w/ brand new mstr bath & sliders to new fiberglass deck.
(訳)新品のキッチンはパッケージで全家電が揃い、しかもセンター・アイランド。フォーマルのリビングルームは暖炉付き、ダイニング・ルーム、バーのあるデン、主寝室には新品のマスターバス、そして新品のファイバーグラス・デッキへ続く引き戸があります。

というところまで、理解しました。

では、後半⑤から開始です。

⑤ 3 add’l guest BR & 3 guest baths!
(訳)さらにゲスト用寝室が3つとゲスト用バスルームが3つあります。

つまりこの家は、日本式に言うと、
4LDK (寝室4つににリビングとキッチン)です。
日本では数えない,
お風呂場の数が四ヶ所
という情報が重要になってきますね。

add’l =>  additional の略

⑥ Fenced rear yard for entertaining. 
(訳)裏庭はフェンスで囲まれパーティーにも向きます。

アメリカの場合、
前面は隣家と調和して明確なボーダーラインがないままに並び、
後ろは大きな庭があって、
そこにプールやバーベキューをするエリアが設けられ、
ガーデン・ファニチャーが置かれていることが多いです。
ここではパーティーと訳しましたが、
for entertaining は、娯楽のできる場所
という意味です。
最近ではフェンス(柵)を設けるのが
義務付けられている地域も増えたようです。

⑦ ALL NEW: roof, windows, 3/4” cedar shake siding, & tankless HWH. A/C 3 yrs new.
(訳)以下は全て新品:屋根、窓、3/4インチ厚の杉材シェイク・サイディング、タンク無しの給湯ヒーター。エアコンはまだ新しい3年もの。

「以下は全て新品」ということは、
この物件は新築ではなく、
売るにあたってリノベーションしたという意味です。

3/4” => three-quarters of an inch / 0.75 inches  ¾ インチ
のことです。
ここで注目していただきたいのは、
「”」です。
これは「インチ」です。
そして「’」「フィート」です。
ですから、
Three feet, two inches can be written as 3’2”.
3フィート2インチは3’2”と表示できます。

Cedar shake siding  => 杉材シェイク・サイディング 
と訳しました。
屋根板や壁板(サイディング)の資材は、
国などで大きく違い、
またそこに反映された技術から名前がついているなど、
実際にそこで生活すれば難しくないことが、
翻訳ではとても難しかったりします。
ここでわざわざシェイク(シェイク技法による製法)
と言っているのは、
もっと手頃な shingles 「シングルス/板葺き」よりも
高価で頑丈だからです。
屋根の素材などは、
実際に買う段になれば、
どんな作りか慎重に見極めようとしますが、
それ以外では、あまり気になりませんよね。
アメリカには
プロフェッショナルなroofers 屋根葺き業者
たくさんいて、
この二つの違いについてもたくさんの説明が出ています。
が、一番の違いはこんな所でしょうか。
Cedar shakes are split off while shingles are sawn smooth on both sides and out tapered. Shakes are thicker than shingles.
「杉材の、シェイクは木を切り割ったものですが、
シングルスはノコギリで両面をスムーズに切断し
テーパー状(先が細くなるように)カットしたものです。
シェイクはシングルスより厚みがあります。」

でも、技術の進化や機械化が進み、
シェイクやシングルスの違いは、
メーカーごとの商品グレードなどになってきていますので、
実際に物を見て確認してください。
昔、斧で叩き切ったイメージを受け継ぐ方がシェイク、
だと思って良いと思います。
とはいえ、
shake shingles (訳すならシェイク屋根板材)
などという表現もよく使われます。
知っていないと混乱しますね。

また、ここで出てきた shingles を辞書で引くと、
一番最初に出てくる訳は、
今話題の「帯状疱疹」ではないかと思います。
私も先日予防接種しました(苦笑)。
会話の中でも、
シングルスは帯状疱疹で使う方が日常的で、
屋根板のことだと思い至らないかもしれません。

HWH => hot water heater
給湯ヒーター

A/C => air-conditioning 
エアコン/空調/クーラー

3 yrs new =>3年もの/3年の新しさ/3歳
「~歳」は「~ years old」と習っていますが、
その年月よりは新しさを強調したい時に
〜new」を持ってくるのはよく見ます。

ということで、①~⑦の訳文だけを続けて読んでみてください。

①Pelican Island $800,000
(訳)ペリカンアイランドの物件で価格は80万ドル。

②Fabulous Shore Colonial w/ contemporary flair!  
(訳)現代感覚を備えた素晴らしい海辺のコロニアル様式!

③Private community beach.
(訳)プライベート・コミュニティーに所属するビーチ地区

④Brand new kitchen w/ full appl pkg & ctr isld, formal LR w/ frpl, DR, den w/bar area, MBR w/ brand new mstr bath & sliders to new fiberglass deck.
(訳)新品のキッチンはパッケージで全家電が揃い、しかもセンター・アイランド。フォーマルのリビングルームは暖炉付き、ダイニング・ルーム、バーのあるデン、主寝室には新品のマスターバス、そして新品のファイバーグラス・デッキへ続く引き戸があります。

⑤ 3 add’l guest BR & 3 guest baths!
(訳)さらにゲスト用寝室が3つとゲスト用バスルームが3つあります。

⑥ Fenced rear yard for entertaining. 
(訳)裏庭はフェンスで囲まれパーティーにも向きます。

⑦ ALL NEW: roof, windows, 3/4” cedar shake siding, & tankless HWH. A/C 3 yrs new.
(訳)以下は全て新品:屋根、窓、3/4インチの杉材シェイク・サイディング、タンク無しの給湯ヒーター。エアコンはまだ新しい3年もの。

ほんの7文の中に、
いろいろな情報が詰め込まれている、
不動産セールス文章。
ワクワクしませんか?
上の写真と合わせて、これがどんな家か、
イメージが湧いてきましたか? 
前面からは見えない裏庭は
どの程度の大きさで、プールはあるのかしら、
などなど。
想像を膨らませて楽しんでください。
写真に写っている2階のデッキには、
どんなアウトサイド家具を置いて
リラックスできるでしょうね。


第3章 ブリックの物件  ー Vol.3 - Property at Brick


ここでは、第1章、第2章で
学んだことを繰り返し練習し、
只でもらえるチラシを見て、
不動産を想像し、楽しみましょう。

下の写真は何年か前に、
ニュージャージーのジャージーショアと呼ばれる
海辺のエリアでもらった
Homes & Land of Ocean County, NJ Vol 35 / #2 という
広告冊子から掲載しています。
物件価格は念のため変更しております。


白い矢印が示す物件です


<英文>

SOLD     
Brick
Metedeconk River waterfront, across from Edwin B Forsythe National Wildlife Area

Fabulous views from both decks, 4BR, 2BA, 2,100sf.
Short drive to Mantolocking beaches $800,000
TEXT:T4050XXXXX to 81035 for photos.


ここでは、①から⑥に分けて見ていきます。

① SOLD

<訳> 売却済み

なぜ売却済みの物件を?
と思うかもしれませんが、
こんな価格でこんなものが売れていますという
マーケット情報を提供するとともに、
自分たちはこういう契約を成立させている
信頼のおける業者であるということを
示していると思います。

② Brick
<訳>  ブリック

ブリックは地名です。

③ Metedeconk River waterfront, across from Edwin B Forsythe National Wildlife Area
<訳>
メテードコンク川ウォーターフロント、エドウィンBフォーサイス国立野生動物保護区の向かい

Waterfront =>  ウォーターフロントと訳しました。
日本語で、「川岸」「河岸」などと訳しても
イメージがずれていると思ったからです。
アメリカのように、
水辺に迫り出して家を建てることが人気で、
そのような物件がよく見られる国と、
日本のように、
海岸からは防風林を隔てて一定の距離を置いたり、
川にデッキを作ってその上に家を建てたりするのは
安全上許されない国とでは、
水辺に住むイメージが少し違うと思います。
アメリカでウォーターフロントと言ったら、
すぐにボートを出せるドックが
ついていたりすることが多いです。
この写真では、この物件だけが、
ボートドックとなる Pier 桟橋がついていませんが、
両隣にはついています。
ウォーターフロント物件は皆の憧れであり、
安くはありません。

across from => ~から向かいの 
覚えておくと便利な表現です。

Edwin B Forysthe National Wildlife Area=>エドウィンB フォーサイス国立野生動物保護区という、
ニュージャージーにある広大な野生動物保護区です。
このそばにあるということは
自然に恵まれた物件と推測できます。
不動産広告では、最後をArea 地区としていますが、
正式名称は Edwin B. Forsythe National Wildlife Refuge で、
最後がRefuge「避難場所」「保護区」などの意味です。

④Fabulous views from both decks, 4BR, 2BA, 2,100sf.
<訳>
両方のデッキから素晴らしい眺めの4ベッドルーム·2バスルーム、2,100スクエアフィート

both decks => 両方のデッキというからには
二つ以上あると思われます。

4BR, 2BA =>4寝室2バスルーム
アメリカでは家を表現する時に、
このような数え方が多いです。
通常メインベッドルーム(主寝室)の中は
バスルームがついていて、
それ以外に、廊下から入れるバスルームが
家族用に用意されているので、
一家に最低でもバスルームが2つはあることが多いです。
二つ目をfamily bathroom 家族用バスルームといったりします。
また、主寝室にバスルームがついていることを、
en suit 「つなぎの」と言います。
ホテルの繋ぎ部屋を suit room 「スートルーム」
と言いますが、
日本では長らく、
新婚が泊まる豪華な「スウィート·ルーム」
だと思っていた人が多かったと認識しています。
最近ではそのようなミスはありませんね。
また、海外の人が日本の不動産を買うときに、
かなり広めのマンションでも、
バスルームが一つしかないといって、
がっかりすることが多いです。

2,100sf. => 2,100スクエアフィート
アメリカで家の大きさの単位はスクエア(平方)フィートです。
1平方フィートは0,092903平方メートルです。
ですから、
この物件はおよそ195平方メートルで、
それ以外にガレージやデッキがついていて、
日本の標準からはかなりの大型です。

⑤Short drive to Mantolocking beaches $800,000
<訳>
マントロッキングビーチまで車ですぐ 価格80万ドル

Short drive =>「車ですぐ」ということは、
10分かからないぐらいでしょうか。
この物件は川沿いで水に近いですが、
やはりビーチへの近さで海辺の街では価格が変わってきます。
ビーチから一本隔てた道路から始まって、
ブロックに分かれているので、
ビーチから何ブロック目なのか、
歩いて行けるかどうか、
などが大変重要になってきます。
「one block to the beach 」「ビーチまで1ブロック」
とか
「short walk to the beach」「ビーチまで歩いてすぐ」
などという表示をよく見ます。
ビーチに近ければ価格は高いです。

⑥TEXT:T4050XXXXX to 81035 for photos.
ショートコードT4050XXXXX でショートメッセージできます。81035で更なる写真をお見せします。

Text => ショートメッセージのことをテクストと言います。
この広告は古い(5年ほど前)のもので
SMS(short message service ショートメッセージ)

MMS (Multimedia Messaging System)をコンタクトに設定しています。でも最近なら、
日本ではライン、
アメリカやヨーロッパでもWhat’sUP ホワッツアップという
無料のメッセージング·アプリが
コンタクト先として載っていることが多いと思います。
テクニカルなことはよくわからず、
間違っていたら申し訳ないのですが、
SMSをよく使うアメリカでは、
このような shortcode
(ショートコード、携帯電話のSMSやMMSのシステムで使用される短い数字のシークエンス)
を用意して、
簡単に情報にコンタクトできるようにしているようです。
81035 はこの地域の不動産業に特化したナンバーと思われます。

いかがですか?こんな物件。
子供のいる家族が
ボートを繰り出して楽しく暮らせるような、
そんなお家なのかもしれません。
内部の写真も見てみたいですね。





第4章 ー間取り図についてー Vol.4 - Floor Plan, Layout, Drawing


この章では間取り図と
それに使われる英語表現を見てみます。


<間取り図>

不動産広告に間取り図 floor plan が入っていると、
かなり理解した気になります。
写真のイメージも大事だけれど、
間取り図を見て、どんなふうに使うか、
勝手な夢を膨らませています。

大まかな理解ですが、
「間取り図または平面図」がフロアプラン「 floor plan
一方、レイアウト 「layout または drawing 」と言うと、
「設計図または図面」のように
実測値などが入っているものと考えて良いと思います。
また、日常会話では
これらを混ぜて layout drawing などと使ってもほぼ通じます。
建築 architecture 専門家 specialist の場合は、
細かい目的に沿った専門用語 terminology
あると思います。
不動産広告の場合、architectural layout 建築図面よりも、
一般人が目にするのは
interior design floor plan 内装用見取り図 のことが、
多いのではないでしょうか。
私などはあまり細かい数字が入っていても、
楽しめません。
真剣に測るのは家具を買う時だけです(苦笑)。


ルームスケッチャーのサンプルより
https://www.roomsketcher.com/floor-plans/

この間取り図はRoom Sketcherという
間取り図作成用アプリのサンプルです。

 
近年では、物件情報に間取り図を入れることが多く、
簡単に間取り図を書けるアプリがいくつも出ています。



<英文>

Definition 定義

①Floor Plan

floor plan : a scale diagram of a room or suite of rooms viewed from above and used especially for planning effective use and arrangement of furnishings

(参照:ミラマーウェブスター https://www.merriam-webster.com/dictionary/floor plan)

(訳)
間取り図:部屋または部屋のつながりを俯瞰した縮尺図で、特に、備品の効果的な利用や配置を計画するために使われる


最近では3Dフロアプラン、
つまり三次元間取り図もよく使われるようです。
冷蔵庫の収まり具合、ベッドを置いた時の広さ、
ドアを開けた時の部屋から部屋への移動のし易さなど、
様々な点が、
より現実に近く実感できるようになっています。
IT技術の進歩ですね。
アメリカでは不動産専門チャンネルがけっこう人気で、
古い物件の上に、
理想とする間取り図をCGによる3Dで展開していく手法が
取られていることがよくあります。
この壁は無くして、二部屋を繋げ、
大きめのエンスート・バスルームを
ゴージャスにつける、
とか、
掃き出し窓の外に展開するテラスとか、
見ていて飽きないです。

実際に作るのは数ヶ月かかる作業で、
お金もたくさんかかりますが、
テレビの中では魔法のように展開していくので、
つい、自分も、という気になってしまいます。
運よくテレビで紹介される物件にでもなれば、
仕上がり finishing も細心の注意が払われるでしょうが、
実際は、
どこかテレビで見たのと違う上に、
価格は2倍、なんてことにならないか、
危惧してしまいます。

②Layout

layout : the plan or design or arrangement of something laid out:

(参照:ミラマーウェブスター https://www.merriam-webster.com/dictionary/layout)

(訳)
レイアウト/見取り図/配置図:割り付けした物の計画、設計、または配置

 

定義の日本語ですが、
レイアウト/見取り図/配置図と、
三つの言葉をつけていますが、
不動産の場合ならこれらで良いだろう
という基準で選んでいます。
レイアウトはカタカナ語で日本語にもなっていると思います。
意味にはこの他に、
「割り付け、地取り、設計図、並べ立てたもの
など、文脈によって様々です。
ここで注目したいのは、
layout は一つの単語ですが、
定義の英文に使われているように、
laid out からきているということです。
これは lay out の過去分詞 laid を使ったものです。
動詞として
「 lay out a map」 で「地図を広げる」、
「lay out furniture 」で「家具を配置する」、
「lay out a lump sum on the fund」 で「まとまった金額をファンドに投資する」、
など、
いろいろなところで使える
重要で便利な表現だということです。

余談ですが、layout plan と言うと、
部屋の間取り図の意味を超えて、
事業者が地方政府に提出する配置計画や敷地計画
などの意味になってきます。

layout plan means a plan of the entire site showing location of plots / building blocks, roads, open spaces, entry / exits, parking, landscaping etc. indicating the activity for all land parcels.

(参照:ロウインサイダー・ドットコムhttps://www.lawinsider.com/dictionary/layout-plan#:~:text=1Sample 2-,layout plan means a plan of the entire site showing,exit, parking, landscaping etc.)

(訳)
配置計画とは、地所の位置/建物の区画、道路、オープンスペース、出入り口、駐車場、造園などを表した、すべての土地区画における活用を示唆した、敷地の全体計画を指す

となっていて、
お役所に提出する書類のことですね。


いかがですか?
間取り図を見るのはなぜかワクワクする、
という方は多いのではないでしょうか。
私も、子供の頃から大好きでよく眺めていました。

次は、間取り図の中の区画ごとに、
キッチンや、ベッドルームを
見ていきたいと思います。

第5章 ーキッチンについてー Vol.5  - Design of Kitchen


前章で間取り図を見ました。
その中から、まずはキッチンを見ていきます。

<キッチン>

第一回で、広告を見ながら翻訳した文章に、こんな一文がありました。

④Brand new kitchen w/ full appl pkg & ctr isld,

(訳)
新品のキッチンはパッケージで全家電が揃い、しかもセンター・アイランド。

ctr isld=> center Island (kitchen) アイランドキッチンは日本でも人気上昇中、主婦の夢ですが、キッチンの中央にアイランドと呼ぶ調理カウンターを置いた様式

参照:楽しい不動産英単語 第1回 ://note.com/lindsay_journal/n/n85abc0f46f2a

という説明をしました。
では、キッチンのレイアウトには
どのようなものがあるのでしょうか。

代表的なレイアウトは:

L-Shape Kitchen   L字型キッチン

U-Shape Kitchen  U字型キッチン

G-Shape Kitchen / Peninsula Kitchen   G字型キッチン/半島型キッチン

One Wall Kitchen  / I-Shape Kitchen   壁一列型キッチン/I字型キッチン

Galley Kitchen  / Double Galley   ギャレー式キッチン/2列調理台

Kitchen Island  アイランド(付き)キッチン

などです。

下の図は端的に示しているので、拝借します。


フェイスブックの記事から掲載させていただきます。リンクは https://www.facebook.com/FAMILYHOMEDESIGNS/


ナイロビにあるデザインのコンサルティング会社だそうです。
ふーむ、アフリカなどでも
どんどんアメリカ式、
またはヨーロッパ式の家が建つようになり、
その詳細をネットで見られる世の中に
なってきているのですね。

キッチンの機能

キッチンをデザインする時、
基本の function(機能)は以下のようです。
1. Oven  オーブン
2. Stovetop  (ガス)コンロ
3. Range hood  レンジフード : exhaust hood over a kitchen range  台所レンジ上部の換気扇カバー
4. Fridge with Freezer  冷凍冷蔵庫
5. Dishwasher   食洗器

ところで、
コンロはアメリカ英語でstovetop または cooktop と言い、
イギリスでは hob と言ったと思います。
でも、コンロって、外国語みたいな気がして、
最初は通じるかなって思いました。
もちろんダメです。
コンロって、実は焜炉という難しい漢字でかく日本語だそうです。
漢語の「コロ」が由来なんだそうです。
英語で通じないはずですよね。
でもカタカナ表記が一般的です。

日本だと、オーブンは必須ではないですね。
食洗機も、ポピュラーになってきたとはいえ、
つけない人も多いと思います。

キッチンのデザイン、自分ならどれがいいかなあ。
と考えても、
予算とスペースで
自動的に決まっちゃうのが実情ではないでしょうか。


第6章 リビングルーム ー  Vol.6 Living Room


この章では
リビングルームを見てみましょう。

家の中心となるリビングルーム。
ここでくつろげるかどうかは住みやすさの大きな決め手です。


リビングルームの理想

第一章のペリカンアイランドの物件広告には、
少ししか触れられていなかったリビングルームの記述を
ここで、再度思い出してみます。

④Brand new kitchen w/ full appl pkg & ctr isld, formal LR w/ frpl, DR, den w/bar area, MBR w/ brand new mstr bath & sliders to new fiberglass deck.
<訳> フォーマルのリビングルームは暖炉付き

参照:楽しい不動産英単語 第1回 ://note.com/lindsay_journal/n/n85abc0f46f2a


太字の部分 formal LR w/ frpl だけが、
さっと語られたリビングルームの記述です。
手短ですね。

アメリカなどで理想的とされる間取りを見ると、
フォーマル·ダイニングルームと
フォーマル·リビングルーム
があって、
それ以外に、
家族用リビングと
毎日食べるカウンターやファミリーダイニング
があります。
お友達に呼ばれて、
素晴らしいダイニングを見せてもらっても、
私が滞在中、そこでは一度も食事をしない、
というケースが多いです。
家族と一緒に、キッチンのカウンターや、
外のテラスで食べさせてもらう。
8〜12脚ぐらいの椅子を揃えた、
豪華なダイニングルームは、
一般の家庭だと、
サンクスギビング(感謝祭)やクリスマスに
一族郎党が集まってご馳走を並べるときに使うみたいです。
リビングルームも
フォーマルの方は全然使う形跡がない、
でもすごく綺麗にデザインされている、
と言うことがしばしばです。

フォーマル·リビングルームは、
昔日本でもあった、
「応接室」とか「客間」に該当すると思います。
居間は汚していいけれど、応接室は子供が入っちゃダメ、
という家も多かったのではないでしょうか。
もっとも、現代の都心部で、
このような間取りがある家は、
かなりのお金持ちと思われます。


次に、

リビングルームの表現

これは、
少なく見積もっても、
以下に上げる11個ぐらいは、同義語 synonym があると思います。

sitting room / sitting chamber
family room
great room
common room
drawing room
fore room
front room
guest room
lounge
salon
parlor / parlour

sitting room / sitting chamber
直訳だと、「座る部屋」ですが、
リビングルームには必ずソファや椅子が置かれていて、
くつろぐ場所なので、
このように呼ぶ人もいます。


family room 
「家族の部屋」つ
まり「居間」ですから
リビングルームですね。

great room  
家族の部屋を、フォーマルなリビングルームより大きくとって、
天井の高い豪華な部屋にして、
このように呼ぶ場合が多いです。
現代の生活様式を考えると、
フォーマルの部屋より家族の集まる場所の方が大事ですよね。


common room 
本来は学校などでみんなが集まって共用で使う
「社交室」「休憩室」の意味ですが、
自宅に当てはめた場合は、
リビングルームの機能となります。

drawing room (withdrawing room)   
告白すると、
私は絵を描く部屋だと思っていました。
昔のイギリス人のお嬢さんたちが、
絵や刺繍のキャンパスを掲げているからかなあ、
などと。
でも、実は、
withdrawing room から来ているそうです。
それが短くなったみたいです。
で、何をwithdraw(引っ込める、引き出す、取り出す、撤退する)のか、
というと、
どうも、客人とのプライバシーをより保つために、
カーテンや間仕切りなどを引くことから来ているみたいです。
その空間の続きに great chamber 「謁見の間」みたいのがあって、
そこから隔てた場合もあるようですし、
大きい正式の間から下がって休む部屋
という意味もあったようです。
お家がお城みたいに大きかった頃の名残でしょう。
fore room や front room と一緒で、
建物の入り口付近にあったと言われます。
客人を迎え入れる「応接間」の方が、
訳として適切かもしれません。
「書院」「客間」という訳が当たることもあります。


fore room 
 
本来「前室」という意味ですが、
昔は玄関のそばにあって客人を迎え入れた部屋。


front room
 
これも「前室」もしくは「表の間」と訳すこともできます。
ホテルなどで、
Do you prefer the front rooms with swimming pool view?
「プールの見える表向きの部屋がお好みですか?」
などと聞かれますが、
この場合のフロント・フームは、
位置を指していて意味が違います。


guest room  
直訳は「客間」ですが、
自分の家の部屋をどう呼ぼうと、その人の好き好き。
まさしくフォーマル·リビングルームの用途ですね。

lounge   
ホテルなどだと、待合室やロビーを指すこともありますが、
ゆっくり休憩できる部屋です。


salon  
  
大邸宅の「大広間」「客間」
そして、パトロンが一つの趣旨のもとに芸術家などに開放した
「社交場」のイメージがあります。


parlor(米語) / parlour(英語)

日本語でも「パーラー」になっていますが、
元々はフランス語の「話す」が語源の
「談話室」的なものだったようです。
現代なら差し詰めチャット・ルームでしょうか。
でも、仮想空間ではないですけど。


大きなソファが余裕で入る、アメリカサイズのリビングルーム


広告文では、
リビングルームに構造上の形容詞がつく
ことがよくあります。

アメリカのデザインでよく目にする表現

a sunken living room
「一段低くなったリビングルーム」
と訳せると思います。
片側だけが、階段で数段低くなっている場合もあれば、
全体が階段に囲まれて、
低くなっているものもあります。
家族が階段部分に腰掛けたり寝転んだりする図が浮かびます。


a great room
 
これは上記にも出ましたが、
通常グレート·ルームというと、天井が高いことが多いです。
吹き抜け天井で、
陽の光に溢れている部屋。
広さもあることから、
リビングルーム、書斎、子供の遊び部屋、など
複数の機能を兼ね備えている部屋です。

いかがでしょうか。
訳してしまえばリビングルームとなることが多いですが、
それぞれの表現には意味がありますので、
もし英語で読むときには、それらを想像すると、
より深い空想ができるかも。

次は同じくリビングルームの中で、
暖炉に焦点を当ててみたいと思います。


第7章 暖炉 ー Vol.7 - Fire Place


前章の「リビングルーム」に続き、
Fire Place「暖炉」
についてお話ししたいと思います。

まず、

暖炉の構造は、

以下のようです。

写真は https://fireplacecrackles.com/what-are-the-main-parts-of-a-fireplace/ から参照しました。多分、アメリカ式だと思います。イギリスだと多少表現の違う部分もあるかもしれません。暖炉について詳しく載っていますので、興味のある方は参照ください。


Firebox 火室
Glass  ガラス(フレーム)
Safety screen 安全スクリーン
Log set  丸太(ログ)置き場
Surround  サラウンド/囲い
Mantel (Mantelpiece / Chimney piece)  マントル/マントルピース
Hearth  囲炉裏/炉床

火を置く部分に、
形よくガスや電気のストーブが収まっているものが、
現在では一般的だと思います。
が、ちゃんと煙突が機能している暖炉がある家もあって、
ちょっと感動します。
また、アメリカでは暖炉より、
日本でも最近流行っている、
薪ストーブがついている家が多いように思いました。

イギリスにいたとき、
ロンドンのサウス·ケンジントン地区に住んでいました。
ビクトリア調やジョージアン·スタイルの家々が並ぶ
素敵なところでした。
現代では、あの5~6階建ての建物を全て所有している人は、
もうほとんどなく、
それらを水平に切った部屋ということで、
フラット flat と呼ばれる
アパート/マンションとして使われています。

我が家は、
グラウンドフロアとフラットAと呼ばれる地下一階のメゾネットでした。
ご存知の方も多いと思いますが、
建物の階数は、
日本やアメリカの一階が ground floor として始まるので、
日本の2階がイギリスの1階です。

グラウンド・フロアの下、ベースメントにあたる部分は、
通りから階段を降りて
直接出入りができるフラットになっていることが多いのです。
古い時代の建築物であるにもかかわらず、
きちんと建物の周りを掘り込んであるので、
道路より低い場所にありながら、
(乾燥した空気のせいもありますが)
通気などは問題がありません。
また、通りに面しているのと反対側には、
プライベートガーデンがあります。
かなり大きく公園並みの大きさで、
素敵なところです。
残念ながら、我が家はガーデンに抜けていなかったのですが、
このプライベートガーデンに部屋の窓から出入りできる、
ガーデン側の一階、
もしくは、地下1階は人気が高いです。

居住空間を増やすために作られている、
最近の日本の都心の半地下住宅などは、
掘り込みを前面しかしていないため、
実際に住むと湿気の逃げ場がなくて
環境が悪いのではと心配です。
掘り込みの部分をライト・ウェル lightwell 
と呼びます。
日本語で光井と呼ぶそうです。
光の井戸とは面白いですね。

住んでみて実感したのですが、
ビクトリア調やジョージア調のビルが建てられた頃は、
家のヒーターが暖炉だったわけです。
そして、地下1階から最上階まで、
暖炉は同じ場所に作られ、
その排気口である煙突 chimney
壁の向こうで縦につながっています。
フラットAへの階段を道路から降りると、
道路の下の部分に、
なんとか立っていられる天井の低い部屋が、
二つぐらい仕切られてあります。
そして、
道路からグランドフロアの入り口につながる橋部分の下も、
空間として地下の部屋に繋がっています。

道路にはマンホールがあって、
昔はそこのマンホールを開けて、
上から石炭 coalを放り入れる業者がいたようです。
つまり、ビル全体の石炭が
フラットAの向かい側、
掘り込みを隔てて作られた小部屋スペース
に入れられる。
使用人がそこから
バケツに入れた石炭を、各フロアに運ぶ。
大変だったろうと思います。
今でもエレベーターがついていない建物は結構あって、
エレベーター無しの5階は安いですが、
エレベーター付きだと人気で高額です。
現代のロンドンのフラットの中には、
この昔の石炭置き場につながる階段下を綺麗にして、
部屋スペースや玄関スペースとして
活用しているところが多いです。

そして、道路直下の石炭部屋は、
ビルごとのゴミ置き場になっているところも少なくありません。
ちゃんとドアがあるし、
かなりのスペースなので
使い勝手は悪くないと思います。
そして、ゴミ回収の職員は二人組で来て、
一人は各フラットAへの階段を降りて、
かつての石炭置き場のドアを開けて、
ゴミを道路まで運んでくるのを専用に行う。
もう一人が道路の上のゴミ袋を収集車に投げ入れる、
という感じでした。
本当に大変な仕事で頭が下がります。
日本でもごみ収集のお仕事などは
本当に大変だと思います。
暑い夏などはなおさらです。
ロンドンでは、時々ストライキがあって、
ゴミ収集車が来ないと自分たちの生活の質がどれだけ落ちてしまうのか、
実感させられました。
こういうお仕事の人たちこそが、
高収入を得るべきですよね。
世界中で人手不足が叫ばれていますから、
今に、実際に体を動かして仕事をする人たちに
その労働量に見合った支払いが行われるようになる
のではないか、と、
希望的観測を持っています。
そうなったら、もっと住み良い世界になるのではないでしょうか。
あ、でもそうなったら、
私のように、収入もなく体を動かす仕事もできない人は、
駆逐されてしまうかも(苦笑)。

ところで、暖炉といえば、
私は南国の香港で子育てをしたのですが、
そこでは、クリスマスになると、
「暖炉がないからサンタさんが来ないかもしれない問題」
が発生し、
頭を悩ませるのでした。
子供の心配をどう宥めたら、
夢をぶち壊さずに話ができるか。
周囲には、高層ビル skyscraper
ペントハウスなどに住んでいるお金持ち家族が多かったので、
「うちはお空に近いから、サンタさんも楽なのよ」
と子供に教える人もいれば、
マントルピースをつけて、内装を変えちゃう人も。
わが家はお金はかけられませんので、
「窓のそばなら大丈夫だよ」などと
適当なことを言って切り抜けていました。
つまり、窓のそばに、
サンタさんへのクッキーとミルクのセットを置くんですね。
暖炉があればその周囲に置くものなのですが。
翌朝までに
親がクッキーを少し齧って
ミルクを少し飲んでおく必要があります。
これを忘れると、
サンタさんはうちのクッキーが嫌いだった、
と子供が感じてしまう心配があります。
ありがたいことに、
我が家の場合、単純な子供だったおかげで、
小学校を卒業するまでサンタさんを信じていたし、
中学校ぐらいになると、
信じているふりをしている方が、
おねだりしやすいということを察知したのか、
ずっとそのままでした。



第8章 レッドバンクの豪華物件 ー Vol.8 - Luxurious Property at Red Bank


写真は何年か前に、
ニュージャージーのジャージーショアでもらった
Homes & Land of Ocean County, NJ Vol 34 / #7
という広告冊子からです。
ページの半分を使って掲載された
豪華物件を見てみましょう。


女性の名前の下にあるRealtor というのが、アメリカで不動産屋(業者)を意味し、
イギリスではEstate Agentが多いです。


まずは、

左側部分の英文表記を見ていきましょう。


<英文>
①Ultimate paradise awaits you at 42 Northover Place Red Bank.
②Regal, sweeping views of the Navesink River for as far as you can see.
③Don’t miss this rare opportunity to live in one of the most exclusive areas off Navesink River Road.
④This home offers 5 bedroom, 4.5 baths with water views from most rooms.
⑤This home is just waiting for you to make it your own. $2,850,000

Homes and Land of Ocean County

写真からもわかるように、
ざっと見てもすごい邸宅と呼べるものです。
5年ほど前にこの価格ですから
現在のインフレで、軽く2倍以上になっていると思います。
アメリカにはお金持ちがたくさんいて、
自分たちの資産の価値が下がらないように、
コミュニティ全体で頑張っている印象があります。
不動産を大事にしているのですね。
日本でも今は
都心のマンションが値上がりしているけど、
ちゃんとビジョンがあるのでしょうか。
政府もデベロッパーも不動産業者も、
ともかくその場限りのお金儲けだけ考えて、
一度作ったら作りっぱなしで、
ビル全体が廃れても、
問題はその時にその不動産を握っている人が
勝手に解決すれば良いという、
ババ抜き状態ですね。
不動産及び建設業界は、
将来を見据えていない気がしますが、
それが杞憂であることを願うばかりです。

さっそく話がそれましたが、では、

<訳文>

①Ultimate paradise awaits you at 42 Northover Place Red Bank.
 レッドバンクのノースプレース42番地で、究極のパラダイスがあなたをお待ちしています

~awaits you 
「~があなたを待っている」
という表現、
簡単に出そうで出ない人もいると思うので、
覚えておくと便利です。
主語が人間の時もありますが、
よく見るのは物とか運命などが主語の場合。
宿題やったらドーナツが待ってるわよ 
When you finish the homework, the donut awaits you.」
と言ったらご褒美だし、
「言うことを聞かないと地獄が待ってるわよ 
Hell awaits you if you don’t listen to me」

と言ったら、まあ、
ちょっと怖いですよね。

②Regal, sweeping views of the Navesink River for as far as you can see.
 見渡す限りナヴェシンク川の雄大な眺めが広がります。

英語を習い始めた頃、
regal (王者のような/壮麗な)と、
legal (法律の/適法の)
を区別できなくて困りました。
「日本人LR問題」です。
そんな私を助けてくれたのは、
リーガルという靴のブランド名です。
カタカナ書きだとLかRか分かりませんが、
ロゴを読めば、これがRで、
法律に則った靴じゃなくて、
かっこいい靴なんだ、
と記憶することにしました。

③Don’t miss this rare opportunity to live in one of the most exclusive areas off Navesink River Road.
 最高級地域の一つに数えられるナヴェシンク川通り区域に住むことができる、絶好の機会をお見逃しなく。

この場合の off
本道から脇道へ入ったところを示します。
この地域はナヴェシンク川通りが中心となっていて、
その本道から、
住宅へつながるいくつもの枝道があるわけです。
この off は、よく使います。
「幹線道路から車で1分のところです 
One-minute drive off the main road」
とかね。

Don’t miss this rare opportunity
(絶好の機会を見逃すな)
も、
セールスの用語でよく出てきます。
これを買わなきゃ損、ということですよね。
お金があれば買いたいです。

one of the most exclusive areas
最高に贅沢なエリアの一つ
というのが直訳だと思います。
このone of +〜s のSを忘れることが多いです。
ネイティブの人は、まず忘れません。
ワンノブと来たらSを付ける、
と、戒めています。

④This home offers 5 bedroom, 4.5 baths with water views from most rooms.
 5つの寝室と4.5ヶ所あるバスルームのほぼ全てから、水の景色が見えます。

4.5ヶ所のバスルームとは?
0.5のバスルームは通常、
cloak room や half bath
などと表現される、
トイレのみのバスルームです。
と言っても、洗面台がついています。
シャワーもしくは風呂+トイレ+洗面台、
の三つが揃ってフル·バスルームです。
半分の時はトイレだけです。
cloak roomはイギリスの表現で、
劇場などの携帯品預かり所の意味もありますので、
気をつけて。

⑤This home is just waiting for you to make it your own. $2,850,000
 この家は、あなたのものになるのを待っています。価格285万ドル。

ずっと待ってて欲しいですけど、
一生かかっても無理だわ。

ということで、
訳文だけで日本語に構成すると、

レッドバンクのノースプレース42番地で、究極のパラダイスがあなたをお待ちしています。見渡す限りナヴェシンク川の雄大な眺めが広がります。最高級地域の一つに数えられるナヴェシンク川通り区域に住むことができる、絶好の機会をお見逃しなく。5つの寝室と4.5ヶ所あるバスルームのほぼ全てから、水の景色が見えます。この家は、あなたのものになるのを待っています。価格285万ドル。

どうです?買う気になりましたか?
と言っても、
5年前に買っておけば、手が届いた人も、
今は軽く2倍以上だと思います。

水際の素晴らしいロケーションであることを、
白い矢印がさし示していますね。
さりげなく、しかし当然ながら、
プールもあります。
目の前の川で泳げばいいじゃん、
とは思わないんですね。
右側中央の写真では、
その土地の広さを赤い線で囲って見せています。
最近特に増えたのが、上空からの写真です。
ドローンを使って
対象不動産を含む広域写真が、簡単に提供されるようになりました。
時代は変わりました。

でも、

時代が変わっても変わらないことはあります。

若いころ、
会社の手当で大きな家に住まわせてもらっていた私たち夫婦に、
祖母が言った言葉。
「マグチが広がるとガマグチが広がるから、気をつけるんだよ」
がま口って、最近言いませんが、
お財布 wallet のことです。
間口(まぐち)はもちろん、道路に面している家の幅で、
これが長いほど家は大きいことが多いですね。
家が広いと、
家具だの装飾品だのたくさん買っちゃうし、
不要なものも置いておく場所があるので増えちゃう。
あああ、
もっと若い頃に無駄遣いせずに貯めておけばよかった。
おばあちゃんは正しかった。

でも、私のような軟弱者とは違い、
意志のしっかりしたすごい人たちもいます。
それこそ、
この広告以上の豪華な家を買って、
家具を揃えないんです。
家族が不便なく使う最小限のものだけを置き、
食事スペースも何ヶ所かあるうちの1ヶ所だけ使う。
テレビ見る居間も1ヶ所だけにして、
あとは各自が個室だけ使う。
家に入ると、
ダンスパーティーが開けるようなホール空間に、
椅子一脚置いていない。

これは、
値上がり目的の投資物件として買っている人の例です。
値上がったら売って、
さらに高い物件を買う、
という売買ゲームをしている人たちです。
家具まで揃えたらお金もかかるし
引っ越しも大変なわけですから、
持たない方がコスト削減。
まさに、がま口はしっかり閉めている。
私が出会ったのは、
アジア系アメリカ人の方に多いみたいでした。
家は、頑張って家族のために揃え、
自己実現の一つとして愛着を持って住まう、
とか、
そういう考えとはかけ離れてました。
ため息ばっかり出ました。
ある意味さすがだなあって。はあ~



第9章 歴史的流れも考察 ー  Vol.9 - A Study of Historical Movement


この章ではちょっと趣向を変え、

歴史的理解を深めるエッセイです。

第8章では豪華物件について取り上げ、
「アメリカでは自分の家の資産価値が下がらないように、
コミュニティ全体で頑張ってるから羨ましい」
的なことを言ったかもしれません。
これは正しいようで、ある意味間違ってもいます。
当然、
どこの国のマーケットにもアップダウンはあります。

とはいえ、
少しこの点を掘り下げてみたいと思いました。
アメリカという移民の国。
今では東海岸のみならず、
西からも南からも真ん中からも、移民は到着します。
が、初期の移民はヨーロッパから東海岸に到着したので、
そこに焦点を当てます。

資産価値という観点から不動産を見ると、
日本のように、
30年前に
ニュータウンに夢のマイホームを5000万円で買って、
ローンを払い終わった頃には、
子供たちは90分もかかる通勤時間を嫌って
都心で独立し、
隣近所も自分と同じように歳をとって
空き家が点在する老人の街になってしまった、
というような現象はあまりないと思います。

素人考えですが、
その理由の一つは、
やはり移民の国なので、
後から来る移民が、
マーケットの需要を押し上げてくれるからではないでしょうか。

もう一つは、
もともと100年は持つ設定で家を建て、
街を設計しているから。
古くなったから安くなるという発想が
ないのだと思います。
むしろ古く成熟した街に価値がある、ということです。
時には何らかの理由で
ゴーストタウンになってしまうこともあるようですけれど。

建築の時点でもしっかり作るかもしれませんが、
同時に、
住む人が常に家をメインテナンスして、
定期的に壁を塗り、屋根を葺き替え、
必要とあれば古くなったパイプを入れ替える、
ということをしている。
そして、
庭木が育ってマチュアー mature なガーデンになり、
ご近所と共に素敵な雰囲気を醸し出す。
日本では、
腕の良い大工さんが直してくれていた頃は良かったけど、
今ではそういう人たちも減ってしまって。
DIYするにも限界があるし、
果たして正しく補正したのかもわからない。
どこかに、腕が良くて良心的な工務店さんがいないかなあ、
と探している人は多いのではないでしょうか。

アメリカの、西海岸のことは
よく知らないのですが、
東海岸の場合、
大まかに言って、

入ってくる移民のグループに順番

がありました。
まず、
イギリスとフランスが来て、
争った結果(フレンチ·インディアン戦争·1754~1763年。フランス側は征服戦争と呼ぶそうです)
アメリカはイギリスのものになりました。
この戦争の前は、
東海岸は主にイギリス領、
南部と中西部からカナダにかけてがフランス領、
メキシコやフロリダあたりがスペイン領
だったようです。

次に独立戦争(1775~1783)を経て、
アメリカはイギリスから独立。
この時イギリスと戦ったのが東部13州なので、
星条旗 The Stars and Stripes
赤い横縞は13本。
一方、星の数は現在の州の数を示すので、
今は50個。
州が増えると星の数が増えます。
もちろん、
この間もヨーロッパからの移民は止まりません。
特に、宗教上プロテスタントの革命が起こっていた
ドイツからたくさん入っていましたし、
その頃イギリスを凌ぐ海洋国だったオランダも、
大きな影響力を持っていました。

次の大きな波がアイルランド。
主に19世紀です。
アイルランドは飢饉に見舞われて、
ポテト以外食べるものがないという、
貧しい生活を送っていた人が多かったようです。
しかし、
アメリカのエスタブリッシュメント establishment
と呼ばれるファミリーには
アイルランド系が多いです。
establishment は設立という意味ですが、
東部エスタブリッシュメント」と言った場合の意味は、
You refer to the people who have power and influence in the running of a country, society, or organization as the establishment or the Establishment.(参照:https://www.collinsdictionary.com/jp/dictionary/english/establishment)つまり
国や社会、組織の運営において権力と影響力を持つ人々」
を指しています。
有名なところでは、ケネディ家ですね。
フォード自動車のヘンリー·フォードもそうです。
そういえば、バイデン大統領も、
内政に行き詰まって、
親戚のいるアイルランドで歓迎を受けて
長期滞在をして嬉しそうにしていましたよね。

アイルランドに遅れて入ってきたのが
スコットランドです。
少し遅れてイタリア。
もちろん、ここで国別の順番を言っているのは、
大きな波を読むとこのようである、
ということですので、
おおまかにこんな感じだな、
と捉えてもらえると嬉しいです。
その次がギリシャ。 

このあたりまでは、
ヨーロッパから船で来てました。
移民が最初に到着するのは、
マンハッタンとニュージャージーに挟まれて、
ハドソン湾に浮かぶエリス島 Ellis Island です。
1892年に入国審査所として開設され、
1954年にその機能は閉じましたが、
今はミュージアムになっているので、
ご覧になった方は多いと思います。
私は行きたいと思いながら行っていません。
(参照:https://www.history.com/topics/immigration/ellis-island

他に、
エリス島が機能している頃にたくさん入ってきたのは、
ユダヤ系の人や、
ポーランドやチェコなど東ヨーロッパと言われる国の人たち、
そして中近東の人たちも、
政治的理由や経済的理由から
アメリカンドリームを追って入ってきていました。。

今は
陸地を歩いて入ろうとするメキシコ人や
中南米人を除けば、
飛行機で飛んで来ることが多いのかと。
そしてある程度滞在してから、
移民になるかどうか決めるのではないでしょうか。

移民がエリス島に入っていた頃は、
身体検査などされて、
移民と認可されれば、
外に出て、仕事と家探しの始まりです。
すぐに
マンハッタンの高額な地域には住めませんが、
都市部に仕事を見つけ、
その周辺に住むのが第一歩でした。
ニューヨーク州のロングアイランドとか、
ニュージャージー州に住んで、
マンハッタンに通うなどが、
一般的だったと思われます。
移民たちは出身が同じグループで集まるので、
今でも、
あの辺はギリシャ系が多い街 Greek town とか、
スペイン系の街 Hispanic town とか、
日本人から見ると、同じ白人に見えますが、
彼らの頭の中では
ちゃんと区別する情報が入っているようです。
そして、そういうことが、
不動産を買うときの決め手にもなるみたいです。


ニューヨークシティのイーストビレッジ

私の夫が育った街は、
ニュージャージのベッドタウンですが、その頃は
イタリア移民が中心の街になっていたようです。
そのちょっと前に押し寄せたスコットランド系の人たちは、
金銭的にも安定して
アメリカのもっと奥地へ散らばって行った後のようでした。
ドイツ系とスコットランド系を祖先にもつ夫の一家は、
白っぽくて異質だったようです。
といっても、いじめられるのではなく、
むしろ、ご近所の美味しいイタリア料理を食べさせてもらって、
羨ましいなと感じながら育ったみたいです。
夫の叔父は、
イタリア系美女と結婚したのですが、
その時、母親、
つまり夫の祖母は、
「南方の色の黒い人と結婚してはいけない」と言って、
反対したそうです。
この場合の黒いは、darker というもので、
自分たちより色素が濃い、
程度ですけれど。
でもこの感覚、
ヨーロッパをよく知っている人なら理解するかもしれませんが、
日本人にはわかりませんよね。
北方と南方の違い。
どちらも同じ白人だと思ってたんですけど。
でも、イタリアですら南方の黒い人たちです。
その30年後に孫が日本人と結婚したわけですから。
おばあさんの気持ちや、これ、いかに…。
と言っても、
もう年取って反対する気力がなかったのか、
時代の波に乗って、
ちゃんと切り替えることができる人だったのか。
とても親切に迎え入れてくれました。

おばあさんが反対しなくなっていた理由の一つに、
その街のほとんどが、
すでにイタリア人から
新たに移民してきたアジア人に変わっていたからです。
特に多かったのは、ベトナム人。
おばあさんが言うには、
「みんな親切で良い人だけれど、
一つだけ怖いのは、
3ベッドルーム·2バスルームの家なのに、
何人住んでるかわからないこと。
もしかしたらふた家族以上住んでるかもしれない」
ということでした。
アメリカの家は
大きな地下室スペースがありますので、
「上に住んでる家族と下に住んでる家族が違う気がする」
というのです。
確かに、
自分たちが3人で住んでいるのと同じ大きさの家から
20人ぐらい出てきたら、
不信感も湧きますよね。
一方で、近所には、
おばあさんが見たこともなかったインド料理店や、
タイ料理店が出現して、
おそるおそる、食べに行ったりしてました。
美味しいって言ってましたよ。
辛すぎなければ。

隣人のベトナム人は働き者で
10年後にはきちんと家をリノベして、
高級車も持ってたし、
子供達は良い大学に行って独立していました。
夫が育った頃にいた
イタリア系やスコットランド系家族は、
後から来た人たちに家を売り、
そのお金で自分たちが理想とする、
もっと奥地の山沿いの広い家や、
海沿いの豪華な家に移っていました。
そうやって一コマづつ、
アメリカの生活を得ていくのでしょう。
もしも不動産を買う時は、
その土地のちょっとした歴史や移り行く現状を、
少しは知っておく必要があります。

また、第8章では、
売買ゲームをするために家を買っている人の話
をしました。
その時私が気づいたのは、
ユダヤ系の人たちが住む高級住宅地を、
中国系の人たちが好んで買っていて、
以前は ユダヤ人街 Jewish townだったのに、
今は中国系ご家族と半々ぐらいになっている
という街がけっこうあったことです。
もちろんこれは、私の限られた経験に基づくものです。
ところで、こういう時に
中国人街 China town というと、
語弊がありますね。
チャイナタウンは伝統的に、古くから形成された
中国文化が街並みからも見える町ですから、
こういう場合はなんというのかしら。
家の外観からは、
どんな人たちが住んでいるのかまでは見えません。

ユダヤ系が多い高級住宅地は、
日本の駐在員さんも
けっこう住まわれた地域だと思います。
なぜか、ユダヤ人の家の趣味は、
日本人から見て合理的で使いやすいことが多く、
人気なのです。
例えば駅から近い、とかね。
少なくとも以前はそうでした。
中国の人から見ても、
合理的で豪華で魅力的だったのかもしれません。


ともかく、

売買ゲーム中の友人の家に

招かれた時は驚きました。
5000スクエアフィート(450平米)以上ある家に、
家族4人。
値段が上がったら売ろうと思っているから、
家具は買わない。
家の一部を使って暮らし、
内装にもお金をかけない、
そして汚さないですぐ売れる状態にしておく。
うーむ。
同じように大きいお家を買った白人のお友達が、
各部屋の壁紙から家具から、
敷物からタオルまで、
デザイナーを使ってあつらえているのとは
対照的でした。

ちなみに、
この白人のお友達の家には、
ゲームルームというラウンジもありましたが、
別棟で hunting gun room 猟銃部屋がありました。
何丁もの猟銃やライフルが、
鍵のかかったガラス棚に美しく並べられたコテージが、
広大なお庭の中に建っているのです。
まあ、それはそれで素晴らしいんだけど、
武器を持って生活するってどんな感じかなあ。
それも、一丁や二丁じゃなくて。
うーん。

まあ、どっちにしても、
お金持ちで羨ましい限りです。
当然、どちらのお家も、お庭にプールがありました。
そして、バスルームだけでも
9個から10個ありました。
私なんかは、まず、
いったい誰が掃除するんだろう、
なんて考えちゃいますけど、
通いや住み込みのお手伝いさんがいるわけで、
余計な心配です。
そういえば、この間、
トランプ大統領が、
自宅のバスルームにホワイトハウスからの
機密文書 classified documents
段ボール箱に入れて放置してある、
という写真が話題になりましたが、
(日本では話題にならなかったのかな?)
トランプ大統領の豪邸なら、
バスルームは20ヶ所ぐらいはあるでしょうから、
一つぐらい書類置き場にしてほっぽっておいても、
全く問題ないでしょうね。
うちなんか、バスルームに
一体いくつダンボールが入るか。
頑張っても五つかなあ。

話はずれましたが、
振り返って、日本では、
移民政策がないのは理解するとしても、
外国人が簡単に土地を買えるようになっているのが
ちょっと心配。
日本を愛して、
日本を盛り上げようとしてくれる人だけが
買い手とは限りませんよね。
そういうチェックもないんですよね。
例えば中国は、土地は全て国有ですから、
日本人が中国に買っている不動産は
全て土地がリース lease つまり借地です。
(多少の例外はあるようですが)
そういうところ、しっかりしているアジアの国は多いです。
外国人は所有 own はできない仕組みがとられている。
日本も何か、国土を守る法律を入れておかないと、
こんなに安かったら、
いずれ外国人に買い荒らされちゃうかも…
という心配がよぎるのは、私だけ?
投資立国にする前に、
考えておかなきゃならないことがあるんじゃないんですか、
って思うこの頃です。

不動産と直接関係のないよもやま話ですが、
こういう知識が、
万一買うことになった時に、役立つかもしれません。



第10章 不動産投資の基本単語(1) ー Vol.10 - Basics of Profit Making by Property Investment (1)

不動産によって利益を出す基本単語について、
英語の基礎を押さえておきたいと思います。

不動産を所有 owning a property している場合

大きく分けてふた通りです。

1)賃貸収入 rental gain / income gain / rental income
持っている不動産を人に貸し出して、その家賃収入を得る、利益の出し方。

2)資本収益(率)investment return  または 物件値上り益 appreciation profit
持っている不動産を売却したときの、
購入価格 purchase price売却価格 sale price の差、
利益 profit または損失 loss となります。

持っていて売らずに、
市場価格 market price が上がっていくのを喜んでいる、
取らぬ狸の皮算用的なままだと、
含み益 unrealized profit ですが、
実際に売って、
利益を確定し、実現利益 realize profit
とすることもできます。

他には、
3)不動産を直接所有しないけれども、
不動産分野に投資するファンド型の金融商品が、
不動産投資 REITs (Real Estate Investment Trusts)
ですね。

もちろん、これら以外にも賃貸の変形で、
不動産投資グループ 
REIG s (Real Estate Investment Groups )
とか、IT技術を使った
オンライン不動産投資/不動産クラウドファンディング
Real Estate Cloud Funding

などがあります。
最近のIT 技術の進歩で、
さまざまな進化系があり、
「頭のいい人はどんどん儲けてください、
私はもう、追いついていけません」状態です。

しかし、形を変えたとしても、
1)と2)が基本で
これをどのように達成させるかの
技術的な違いが加わったものと考えて良いと思います。
2)の資本収益を上げるやり方の中には、
転売もあり、House Flipping とも呼ばれます。
これは、ただ単に買って売るだけではなく、
市場価格より低く買った物件
the property purchased with lower than market price
を、
改築リフォーム renovation して、
市場評価額を高め increase the market valuation
高い価格で売り抜けることを専門にした、
業者でなければ難しいやり方です。

不動産というのは夢がありますから、
アメリカでは不動産専門チャンネル
がたくさんあって、
ひどい家だったものが美しく修復されるのを見て、スカッとさせてもらうことも多いです。
また、これらの番組は、
取得額やリノベーション・コストなどを
はっきり提示するものもあり、
さらに、
広いアメリカのどんな地域なら、
どの程度の金額なのかなどがわかって、
勉強になることも多いです。

有名なチャンネルの例:

Property Brothers
イケメン双子が、CGを駆使して、
買い手の望みを反映したプランを作り、
買い手がそれに合意したら、契約となります。
ちゃんと直した後、
居住使用している様子も流れます。
部屋数が多いけれども広いオープンスペースにしたいとか、
キッチンを広げたいとか、
一部収益物件(賃貸部分を作る)にしたいとか、
客の望みは色々です。

Fixer-Upper
元々、修理が必要、または修理すれば
ハイグレードな物件になることを指す言葉がfixer-upper
転じて、
修理屋を指すこともあります。
テレビ番組としては、
夫婦が顧客の希望に合わせて家を修理し、
綺麗に生まれ変わらせる。
その過程や結果を見せる、
一種のリアリティ·ショーです。

Flip or Flop
こちらも夫婦ものが、
転売目的で頑張る一種のリアリティー・ショーです。
この夫婦の方が、フィクサーアッパーより、
豪華でお金好きな雰囲気ですが、
出来上がりも、
妻のデザイナー感覚が反映されています。
タイトルは
「転売か失敗か」ぐらいに訳せると思います。
最後にマーケットに出して、
高額で売れず、
修繕費を引くと、
ほとんど利益にならないという失敗もあります。

Good Bones
弁護士と建築家の母娘がタッグを組んで、
土台の骨組みはしっかりしているのに、
手入れされていないばっかりに
ボロボロになってしまった物件を探し、
それを理想的な家に直して売るというもの。
娘と一緒にこんなふうに仕事ができたらいいな、
なんて思いで見ている
高年齢層も多いと思います。

Love It or List It
二人のエージェントが競い合います。
一人は、持ち家を上手にリフォームして、
住み続けることを推奨します。
つまり、Love It です。
もう一人は、
顧客の望む地域にある、欲しい要素を全て取り込んだ物件を
探してきます。
それを買うということになると、
元々の家は売りに出す List It
ということになります。

Tiny Nation
他の国から見ると巨大な物件が主流のアメリカで、
小さいスペースにどんな工夫をしたら
楽しく住めるかを見せてくれます。
日本的アプローチと共通する部分もあって、
楽しめます。
ただ、建物そのものは狭小でも、
外にテラスを大きく作ったりできるところが、
日本とは違います。

などなど、アメリカに行くと
ずっとこればっかり見ている、
というくらい不動産番組が好きです。
実際に建築業に関わる友人は、
これらの人気を喜んでいると思ったら、
「実際はテレビみたいにいかないし、
もっと人手もお金もかかるのに、
こんなに安く簡単にできると思われたらたまらない」
と言ってました。
どんな仕事にも、いろいろあるんですね。



第11章 不動産投資の基本単語(2) ー Vol.11- Basics of Profit Making by Property Investment(2)


前回は不動産によって利益を出す基本単語について、
述べましたが、その中で、
不動産を所有 owning a property している場合の、
ふた通りの基本となる投資のうち、
賃貸収入に関する英語を
もう少しおさえてみたいと思います。

まず、

1)賃貸収入 rental gain / income gain / rental income
持っている不動産を人に貸し出して、その家賃収入を得る、利益の出し方。

つまり、

How to make money from renting out a property
どうやったら不動産賃貸でお金を儲けられるか

ということです。

まずは、所有しなければならないので、
投資物件を買います
Purchase an investment property

この時に見るのが、
不動産のウェブサイトなどですね。
家探しウェブの探索 Explore house hunting websites
をします。

チラシ  flyer / insert ad を見たり、
人から聞いたり、
情報集めは大事ですね。
どれにしようか、
決め手となる要素 key factors は、
立地 location
価格帯 price range
広さsize
ですが、
貸すのが目的なので、
自分が好きな場所よりも
需要 demand のある場所を考え、
コストがかかると利益率が下がるので、
不動産税/固定資産税 property taxes
低めの方がいいですね。
固定資産税は、直訳すれば、fixed asset tax
と言えますが、
つまりはアメリカなら不動産税です。

他には、
その建物の管理費 management fee
などもチェック。
日本だと
修繕積立金 reserve fund for building repair
もあります。

余計なことですが、
管理や修繕に力を入れてない建物の一室を買ってしまうと、
不動産の価値が下落する可能性はあります。
とはいえ、自分が住むのではなく人に貸すので、
賃料さえ取れれば安い方がいいや、
という考え方も、
投資家にはあるかもしれません。

ところで
管理費ですが、

アメリカ英語ではHOA (Home Owner’s Association) fee

と言います。
所有者組合費とでも訳せるかもしれませんが、
実質、これが管理組合であり、
この費用が組合管理費と修繕積立金の
両方を含んでいると考えれば
近いと思います。

HOAには気をつけないと、
日本の常識からは驚くほど高かったりします。
不動産税も同じです。
高額なHOAをとっているから、
建物および、コミュニティが綺麗に保たれる。
そして、価値が高いところに加えて、
例えばニューヨークやニュージャージーなどは不動産税も高く、
例えばハーフミリオン half million
つまり、昔なら五千万円程度、
(日本円が弱いので、7千5百万円程度)
の普通の家に住んでいても、
不動産税は、年に$10,000
(今の為替レートなら148万円)払うことは、
ザラです。
海外の投資家から見れば、
日本の安い固定資産税は魅力に映ると思います。
といっても、海外は広いですから、
日本より税が低いところもあります。

また、このHOA
多くの内規 house rules を決めています。
建物がコンドミニアム condominium / condo
なら、日本のマンションとほぼ同じように
売り買いができると思っていいのですが、
もしコーポ Coop / Cooperative apartment の場合は、
気をつけなければなりません。
自分たちで決めたルールがある、
一種のクラブのような成り立ちで、
建物全体が、
管理組合とシェアホルダーによって構成されている
非営利団体と捉えて良いでしょう。
コーポの所有者は、
オーナーというより
シェアホルダー share holder (株主というより、分担所有者、という感じでしょうか)
なのです。
私のような外国人は買えないことが多いです。
取り決めが多く、その中には、
アメリカ国籍保有者のみ、
などという規定もあります。

シェアホルダーの合意が得られないと、
内部のリフォームもできませんので、
素晴らしく良い場所にありながら、
内部が時代遅れということもあります。
猫や犬を飼えないことも多く、
それ以上に、
貸出禁止項目がついている場合もあります。
ということは、
正々堂々と、
投資物件として賃貸料収入を上げることはできない
のです。
マンハッタンのマンション物件で、
隣のコンドより全然安く、
ロケーションもよく、
広さもある上に、
建物の外見は趣のある1910年代風、
などと思ったら、気をつけないといけません。
自分が住む分には、
シェアホルダーたちが売ってあげる、
と合意してくれれば、それで良いのですが、
貸し出せないから投資物件の対象ではないのです。

ニューヨーク、
特にマンハッタンの物件を見ていると、
例えば、8000万円ならなんとか出せるかなあ、
などと夢を見ても、
HOAと不動産税の合計が、3,000ドルとかで、
夢は砕かれます。
この8,000万の物件に住むには、
毎月、最低でも3000ドル(今のレートなら45万円程度)
払える人にならなければならないのです。
そんなの無理。
少なくとも、人に貸さないとそんなお金は出ない。
ところが、運悪くCoop物件だったら、
貸出不可。
あああ。
ということで、
どっちにしても現実的な夢ではないのですが、
楽しんでいた空想を邪魔されて
少しムッとします。

話を戻しますが、
実際に貸す時には、
賃料を決めなければなりません。
これは、買う時に、
不動産屋さんから、この物件は
満室時の想定利回りassumed yield when it’s full 〇〇% 」
などと言われて買っているので、
その利回りを出せそうな金額に決めると思います。
とはいえ、
税や管理費やその他の費用を引いた
実質利回り real yield/ net yield は、
かなり厳しいものになるかもしれません。
でも銀行に預けても何もつかない昨今、
日本の場合は不動産賃貸が、
なかなか良い投資先なのだと思います。

次の章では、
資本収益(率)investment return  
または 物件値上り益 appreciation profit について
見ていきます。


コロナの頃、人通りのなかったマンハッタン




第12章 不動産投資の基本単語(3) ー Vol.12 - Basics of Profit Making by Property Investment(3)


前章で、
不動産を所有 owning a property している場合の、
賃貸収入 rental gain / income gain / rental income
を見てみました。
今回は、もう一つの基本形、

資本収益(率)investment return または 物件値上り益 appreciation profit

について、英単語を見ていきます。

Leverage Appreciating Value
値上がり益にレバレッジをかける

資本収益の基本は、
家を買って持っていたら、
価値が上がり、
購入価格より高額で売る、
つまり、譲渡所得 capital gain を出す、
ということです。
通常はローンを組んで take out a loan
家を購入するので、
レバレッジ leverage がかかります。
レバレッジとは、
投資において元手の何倍かの資金を動かす仕組みです。
「てこの原理」の意味です。
不動産の場合なら、
少ない頭金 down payment でローンを組み、
高い不動産を手にすることは、
レバレッジをかけていることになります。

ただ、日本の場合でも見られるように、
住居用に買うならローンも受けやすく、
利率も低いです。
投資ではなく、居住しようと思って買うわけですが、
それでも、何年か後に売った時、
大きく値上がりしていれば、
値上がり益 appreciation profit を手にすることになります。

ここで、

英語で住宅ローンを指すときに mortgage という言葉が使われます。

本来のモーゲージの意味は、
抵当、担保、もしくは抵当権のことですが、
住宅ローンを組むと、多くの場合、
対象物件が担保となっているので、
抵当を取って金を貸す
lend money on mortgage
意味が、
住宅ローンという意味になっています。
ちなみに、
家に抵当権を設定する、は
take out a mortgage on the house となります。
住宅ローンブローカーは
mortgage broker

ローンを行う受託金融会社は
mortgage banker
となります。

また、担保は、 collateral と言います。
mortgage にも担保という訳がつくので
ちょっと混乱しますが、
A mortgage is a type of loan that you can use to finance to buy a property
<訳> モーゲージ/住宅ローンは不動産の購入資金に利用できるローンの一種


一方、担保は
Collateral is an asset that provides the backing for an any types of loan
<訳> 担保は、あらゆる種類のローンの裏付けとなる資産
ということになります。
また、
融資を受けることは financing と言い、
不動産広告の中に
financing available などと書かれていれば、
仲介の不動産屋さんが、住宅ローンも紹介できます
といった意味です。

当然、賃貸であろうと居住であろうと、
不動産税や管理費などの経費はかかってきますので、
この点については、
前章、または「楽しい不動産英単語第11回」を
ご参照ください。
https://note.com/lindsay_journal/n/n93f0810e5172

また、不動産を所有する時に
絶対にかかってくるもう一つのコストに
保険 insurance があります。
これは日本でも同じですね。

居住目的ではなく、
投資目的で家を転売 house flipping については、
前々章で述べました。
または「楽しい不動産英単語第10回」をご参照いただけるとありがたいです。
https://note.com/lindsay_journal/n/n75ca73408f46

安く手に入れれば、
それだけ売った時の譲渡益が上がるのですから、
市場価値に比べて
過小評価されている物件 undervalued property
手に入れられれば
幸運なこともあります。
例えば、
大掛かりな修復が必要な物件 a property that needs an extensive repairs
差押え物件 foreclosure などです。
しかし、
転売のところでも述べましたように、
専門の業者でもない限り、
価値を上げるだけのリノベーションを
安く行うことができませんから、
一般の人が手にしても、
幸運な買い物とは言えないことが多いと思います。

不動産の値上がり益を手にするには、
長年所有することが前提だと言えます。
大半の人は、必要に駆られて買うのであって、
市場が安いから買って、高くなったから売る、
という余裕はないと思います。
また、市場が高くなった時に高値で売っても、
自分が住むための次の物件は、
高くなった市場価格で買わなければならず、
果たして利益を受け取ったと感じられるでしょうか。

譲渡益からは、
ばっちり所得税 income tax を取られ、
不動産屋さんに手数料 commission ( fee )を払い、
得したのか損したのかよくわからない、
という状況が、
一般人の売買ではないでしょうか。
家は生活の基礎となる必需品ですから、
余裕がなければ、なかなか投資対象にはなりません。

例えば、
世界的にも高価格な不動産市場である香港。
今でこそ
中国本土の大手不動産会社が破産申告をするなどの影響で、
不動産市場の活気が下がり気味ですが、
コロナの前までは、
譲渡益を狙う投資家が、買い漁っていたため、
ものすごい値上がりを経験していました。
特徴的なのは、
売れるまで、空で所持し、
自分たちが住まないのはともかく、
賃貸市場にも出さないのです。
外から見ると、
夜になっても電気がつかない高級物件が大量に存在し、
新しい物件ができても、
高額なマネーゲームに買われていってしまうので、
一般市民には回ってこないという状況が続きました。
政府は、
空き家税 vacant homes tax / underused housing tax (UHT)  の導入
を検討しましたが、
結局実行されないまま、
不動産市場に暗雲が広がり始めました。
といっても、東京から比べるとまだまだ高額です。
空き家税を導入している国には、
カナダやアイルランドなどがあります。

高額な香港市場ですが、
持っているとほぼ確実に値上がりしていた間は、
大抵の人が、物件を所有したがりました。

例えば、
家賃が日本円で100万円相当の物件について考えてみます。
広くもなければリノベーションもしてないのにこの価格、
といった、不平不満は横に置いておいて、
100万円の家賃を払うような家の価格は5~6億円ぐらいしました。
(これって、ミドルクラスの上という感じで、
コロナ前当時の市場で特別高い物件ではないのです)
もし、この物件を買おうとすると、
仮に5億円として、
まず、その半額、2億5000万円を
頭金に持っていなければなりません。
これは、借金でかき集めても良いですが、
利率が低い住宅ローンでは、借りることができません。
そして、住宅ローンを組んだ残りの2億5000万円の
毎月の支払いが、
利率や返済期間にもよりますが、
一般的に月120万円ぐらいするのです。
なんとか家計を切り詰めて、
この支払いを続け、
数年持ち続けたら、
市場価格が3割ほど上がったとなると、
1億5000万からの利益を手にするわけです。
本当にこんなことが起こっていたのですから、
買わない人は、自分たちが馬鹿で
置いてきぼりを食ったような感覚に
させられました。

ですが、一方で、
こういう考え方もできます。
もしこの物件を買おうと思ったら、
まず2億5000万円用意した上に、
賃料の100万円を上回る120万円の支払いを
毎月しなければならず、さらに、
不動産税も払う。
だから、毎月100万円でこの物件に住めるのは
安いものだ、
という考え方です。
あなたはどちら派ですか? 
そんなにお高いところは、
私なら、観光旅行で
ホテルに数泊するだけで十分です。


広い家を買えば、それにあった家具も欲しくなる

いかがでしょうか?
英語の不動産広告を読み解き、
英語の不動産投資に必要な表現も見てきました。
ビジネスで疲れた頭をリラックスさせる、
ワクワクした読み物になっていたら嬉しいのですが。
ここで、
第一部 ー 物件を読み解くための単語
Phase 1 - English words for Understanding Properties
 
(第1章から第12章)は終了です。

続けて、
第二部 ー 世界のデータベースと投資環境の理解
Phase 2 - Comprehension of Global Investment Environment through Database of Different Countries
(第13章から第26章)を、掲載します。

引き続き楽しんでいただきたいと思います。
後半は、香港、アメリカ、イギリスに焦点を当てて、
各地域の特徴や、その不動産市場を読み解くのに
役立つ英語を学んでいきます。


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