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資源循環をカッコいいものに!日本に新しい文化をつくりたい

TBMでは、資源循環に関わる社内外のリソースを適材適所で組み合わせ、一般消費者向け及び事業所向けの資源循環をコーディネートする「MaaR(マール)」という事業を展開しています。そのひとつが、オフィス等の事業所を対象とした法人向け資源循環サービス「MaaR for business」です。これらの事業を担当する資源循環イノベーション部の五十嵐さんに、事業に懸ける熱い思いを聞きました。

五十嵐さん:2022年5月にTBM入社。前職は東急で、ホテルと駅での現場研修を経て、観光部門での店舗運営業務全般(販促や管理会計等)と社内起業制度で新規事業のPoC推進。「成長」×「共感」の2軸で考え、急速に成長している環境で、ビジネスで社会課題を解決していくことに魅力を感じTBMに入社。好きなものはサウナとコンビニスイーツ。横須賀市出身。


「社会課題×事業企画」の仕事をしたい


 ──五十嵐さんは2022年5月の入社。前職は東急ですね。

2018年に新卒で東急に入社して、研修期間にホテルマンや駅員を経験し、旅行部門で販促や管理会計等の店舗運営業務をやった後、社内起業制度で新規事業の実証実験の推進を行ってきました。

TBMには、2022年の2月に新設された資源循環イノベーション部の事業企画という採用枠があって、そこに応募しました。入社直前の3月末に、オフィス等の事業所を対象とした法人向けの資源循環サービス「MaaR for business」がローンチして、5月の入社以降はそのグロースを担当しています。

──入社前から資源循環や環境問題に興味はあったんですか。

まったくなかったです(笑)。大学の専攻は観光学で、元々はまちづくりがしたかったんです。自分が携わった街に色々な人が訪れて、楽しそうにしているのを見るのは、やりがいがあるだろうなと思っていました。

ただ、前職で、会社に言われたのではなく、自分たち主導で新規事業開発をする経験をして、どうせやるんだったら、楽しませるだけでなく、しっかり社会課題の解決に繋がることを仕事にしたい。だから、社会課題を解決する事業企画をしていきたいという思いが強くなりました。TBMのことは転職エージェント経由で知ったのですが、まさに「社会課題 × 事業企画」の会社だという印象を受け、応募したという経緯です。

──いずれにしても、気候変動や資源循環に関する問題意識はTBMに入ってからキャッチアップしていったということですね。

はい。TBMに入って、環境問題について何らかの原体験を持っている人が多いことに驚きましたが、私の場合は本当に何もなかったところからのスタートです。

ただ、私は起業家のように自分主導でなにかやり遂げるというより、企業や誰かがやろうということに共感して自分ゴト化していくタイプなのだと思っています。TBMに入ったからには、「サステナビリティ革命を起こす」という会社のミッションを自分のミッションと位置づけています。そして、そうと決めると、どんどんのめり込むタイプなんです。

スタートアップならではの業務範囲の広さ


──現在、どんな業務を担当していますか。

1つは、最初に言った「MaaR for business」の事業グロースです。営業もやるし、カスタマーサクセスもやるし、広報のような仕事まで全て含まれています。

「MaaR」はオフィス向けの“for business”だけでなく、一般消費者向けも含めた資源循環をコーディネートする事業全体を指すブランド名ですが、このMaaRの全体のオペレーション構築も担当しています。

それに紐づくことでもありますが、もう1つはシステム系のプロダクトマネジメントというか、実際のサービスをベンダーさんと会話しながらアップデートしていくという、いわゆるプロダクトマネージャーのような仕事もやっています。

その他に新しく取り組んでいるのが、資源のトレーサビリティの仕事です。横須賀工場をはじめTBMが扱う廃プラスチックや使用済LIMEXが、どこから来て何に再生されるかといったことを追跡可能にすることです。それをどう付加価値に変えていけるか、あるいは社会的に影響を与えられるか、本当にゼロベースから考えているところです。

あとは資源循環に関係なく、行政との連携業務もありますね。TBMの工場がある神奈川県横須賀市や宮城県白石市など、そういった自治体さんと話をする機会があります。

──1人何役もこなすのはスタートアップならではとはいえ、業務範囲は幅広いですね。特にトレーサビリティは今後、大事な領域です。

トレーサビリティの活用検討については、上長と私のほぼ2人体制でやっているのですが、楽しいですよ。外部のプレイヤーの方々から話を聞いたり、工場やCirculeX部門など他の部署とも連携して一気通貫の仕組みづくりをしなければならないので、「自分が事業を作っている」っていう感覚はありますね。

一方で、単体で成り立つ仕組みではなく、TBMの巻き込む力や、LIMEXやCirculeXの実の営業や素材があってこそ、この仕組みが付加価値や市場拡大に役立つものになると考えているので、全社視点で良いものをつくり上げていきたいと思っています。

資源循環が当たり前という「文化」をつくる


──新しいことに取り組むことを楽しんでいるのが、傍からも伝わってきます。

事業企画の担当でもあるので、環境系の新しいサービスを見つけたら意識的に使うようにしています。あと、実際にやっている方々に会いにいくことも心がけています。そうしたつながりでサービスが拡充されていったケースもあります。

新しいもの、面白そうなものはとりあえず体験したいというのは、元々の性分ですね。事業を考える上でもそれは影響しているかもしれません。

TBMに入社する前は、多拠点生活のサブスクサービスを利用していました。日本全国に提携している家があって、月額料金を払えばどこでも住めるというサービスです。ただ、1つの家には最長1週間しかいられないから、ボストンバッグ1個のミニマルな生活でした。1都3県を中心に結構回って、千葉の房総半島の一番番端っこの海の見える家でテレワークしたりしてましたね。

実はTBMに入ってからも2ヶ月は多拠点生活をしていたんですけど、出社メインになったのでいまは定住生活者です。とはいえ、物を増やしたくないという生活スタイルは変わってないので、その点ではサステナビリティと繋がるかもしれません。

──TBMでの仕事を通じて5年後、10年後にこんな社会をつくりたい、といったイメージはありますか。

「資源循環の文化」を作っていきたいです。資源循環って、なぜ必要なのか普段から意識されていないとなかなか根付かない。オフィスでの分別・回収・再生にしても、従業員1人ひとりが「これって何のためにやってるんだっけ?」と納得でき、「絶対やった方がいいよね!」という意識が醸成されることによって、どんどん文化になってくる。そんな「資源循環に取り組むのが当たり前」という世界観をつくっていきたいですね。5年後といわず、もっと早いのかもしれませんけど。

あとはTBM=LIMEXの会社という印象がまだまだ強いと感じているので、「TBMは資源循環の会社」という認知を広げることで、資源循環のトップランナーとして社会への良い影響を出していきたいと考えています。

資源循環の行動を「カッコいい」ものに


 ──実際にMaaRを導入している企業や、あるいは導入されなかった企業を見ていて、意識醸成の手応えはいかがですか。

資源循環を進めなきゃいけないという社会的責任と課題感を持っている企業さんは確実にいらっしゃいます。でも、従業員1人ひとりまでが興味を持っている企業となると、ほぼないですね。自分自身も以前はそうでした。前職の東急は、サステナビリティ活動ではかなり進んでいたんですが、社員の一人としては「なんかやってるな」くらいにしか思っていませんでしたから。

その意味では、資源循環への関心は、まだまだサステナビリティ部門の担当者の方などに限られているという印象があります。だから、そういった人を起点に、どうやったら周りに波及させていけるかが大事です。そこはまだまだサポートできていない部分があるし、むしろ伸びしろだと思っています。

──確かに、規制や罰則などがあるから仕方なくみんなが資源循環に取り組むようになった…というのでは、本当に社会を変えたとは言えないかもしれません。あらゆる人々の行動変容を起こす“センターピン”って何ですかね。

TBMに入って思ったのは、こんなにサステナビリティ革命って言ってる会社でも、ごみの分別がちゃんとできていないところがある(笑)。だから私達の部門主導で、自社にもMaaRを導入して、分別について注意喚起していきました。まだ時々、違うごみが入っていることもありますけど、今は随分できるようになっています。

やっぱり、言ってる自分たちができてないってカッコ悪いじゃないですか。みんながやっているのに、できてないとカッコ悪いよねという雰囲気をつくるというのは、資源循環をコミュニティの文化にしていく際に大事だと思っています。

海外では再生材をこれだけ使わなければいけないといった規制も出てきています。再生材を使っていないと課税するとか、再生しやすいエコデザイン規則の徹底なども含め、日本もそういった方向にはなってくるでしょう。とはいえ、ただ規制で縛るだけではなく、そういった規制を日本に輸入するときも、消費者にどう落とすかというのは重要でしょうね。

基本的には、その人にとっての実利がないと行動には結びつかない。その実利が「カッコいい」の人もいれば、「儲かる」の人もいていいと思います。

生活の中で資源循環への接点を増やしていく


MaaRでは、資源ごみの分別と回収・再生にこれだけ貢献したら、CO2の排出量がこのくらい減りますという情報を可視化しています。こういうコミュニケーションを社員向けに行っていくことで、よりリアルに感じてもらえると考えています。

また、MaaRには資源ごみの引き取りと循環だけでなく、再生材の使用製品を提供する仕組みがあるのですが、営業先で「このごみ袋は、ペットボトルキャップ3個からできています」などと話すと、驚かれるお客さんが多いんですね。こういう驚きや新しい学びは、実際の製品を手に取ってリアルに感じられるからこその強みだと感じています。それはTBMが素材の会社だからできることでもあります。どんどん広げていきたいです。

──リアリティのあるコミュニケーションって大事ですね。

あと、関わる人を多くする、接点を増やしていくのも重要です。MaaR for businessでは相手は企業、従業員が中心になりますが、これを小学校に導入すれば生徒や先生に広がる。いま、三井不動産レジデンシャルさんとタワーマンションにMaaRの仕組みを導入していて、タワマンで生活する一般の居住者に対しても訴求しています。あらゆる接点を通じて「新しい当たり前」をつくっていきたいです。

──生活の中で資源循環という行動との接点が増えれば、嫌でも意識するようになります。職場でMaaRを導入している人が、家に帰ったらマンションでもMaaRを始めるとの告知があって、子供が「それ、学校でも始めたよ」と。それによって家庭で資源循環が会話にのぼり、当たり前になっていく……。

まさにその通りです。それぞれの領域でコミュニケーションのかたちは変わってくるので、難しくはありますが、やりがいは大きいです。

──ありがとうございました。

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