「汝、星のごとく」と孤独なわたし
凪良ゆうさんの「汝、星のごとく」ほぼ一日で読み切りました。そのくらい濃かったし今の自分にとても共感できる内容でした。一言でいうとアダルトチルドレンの人生と恋愛が中心のお話かなと思います。今日のNoteは本を読んでないとちんぷんかんぷんかもしれません。
アダルトチルドレンの視点
主人公はお互いの親が子供を守る役割をできない人たちだ、という共通点から親密になり交際に発展します。櫂(かい:男主人公)と暁海(あきみ:女主人公)が両親で悩む様子や互いを想いあっていながらうまくいかない恋愛模様が中心の話です。二人は機能不全家族(子供が何らかの役割を演じないと家族としての体裁を保てない家庭)で育った典型的なアダルトチルドレンだと思います。二人とも親を重荷に感じながらも離れられず自分の人生を生きられずに苦しんでいるあたりが特に。親に愛してほしい、自分がお金を稼げば、お世話をすれば今度こそ愛してくれるのではないかという期待(条件付きの愛)。でも毎回裏切られる。そんなことができる大人だったらそもそも機能不全家族になっていないから。助けてほしいと思いながら、助けを求めることもできない。自分の人生を生きたい自由になりたいと思いながら、他人のための人生しか生きたことがなく自由な選択肢から自分で選ぶ経験をしてこなかったからやり方がわからない。そんな二人が悩み苦しみながら自分の人生を生きれるようになるまでの話。
うーん、わかる。や、二人ほど強烈な家庭じゃないから彼らの何分の一かもしれないけど、今わたしが直面している恋愛への強烈な不器用さは同じ源泉な気がするから。
精神的自立
良い恋愛をしてパートナーと良い関係を築くにはお互い自立している必要があるとよく言いますよね。簡単に言うけど自立って何かと問われればぼんやりしていませんか?私も今手探りで自分なりの定義を模索中です。ちなみに広辞苑では自立とは「他の援助や支配を受けず、自分の力で判断したり身を立てたりすること。ひとりだち。」という意味らしいです。へえ。
櫂と暁海の話も”精神的自立”がキーワードだったと思います。暁海のお母さんとかはわかりやすいと思うのですが、旦那さんや暁海に経済的・精神的に依存していた時は鬱状態で魅力的な人どころかお荷物状態でした。でも自分で自分の人生を歩んでいかなきゃ、と自分で自分の人生を選択したときから元来の朗らかさが戻ってきて、居てほしくない人からいてほしい人に変わっていきました。
依存しているときって自分が環境を変えられると認識できていないんですよね。私はなぜか、自分も周りの人間も国も制度も「変わらないもの変えられないもの」だと思っていました。ずっと昔からあってきっと未来もずっとそのままあるものだと。でも絶対に変わらないものなんてどこにもないんだと最近やっと気づき始めました。富士山だって噴火しちゃえば形が変わっちゃうし、国だって簡単に境界線が変わったり増えたり消滅したりする。制度だってひいひいおじいちゃんくらいの年代の人たちが「こうしたらいいんじゃない?」くらいで作った内容で作り変えることだって普通にできる。世の中のルールって、人が集まり始めたときに「こうした方がみんなが過ごしやすいよね」って考えて作ったものだから、状況が変わればルールも変わるのが当たり前なんだと思ったとき、はじめて自分の人生も変えていいのかもと思えました。それまでは、自分の人生は親の希望する大学を卒業し親の満足する会社に就職し、しばらくそこで経験を積んでから親の自営業を継ぐためにあると漠然と思い込んでいました。でもこれはお母さんの希望であって私はわたしが今やりたいことを基準に好きな選択をしていいんだと思えるようになり、前より自由を感じています。我慢や努力、忍耐は自分で選んだもの欲しいものをつかみ取るために使うもので、自分の本心を押し込めるためにあるわけじゃないんだって。
幸せとは
本でもいろんなシーンで出てくるのですが、「これをすれば人生幸せ」という絶対的な正解はないということ。日本だと、「女の幸せは結婚すること♡」みたいな価値観あるじゃないですか。でもそんなんじゃないでしょって。100人いれば100通りの幸せの形があって、それを見つけられるのはその人自身だけ。”普通”や”社会規範”や”旧習”がわたしたちを彼らの理解しやすい型にはめようとしてきても、違うなら否定しないといけない。違うのか考えないといけない。
わたしは子供を介して互いを愚痴る両親を嫌悪していて、結婚したくないし親になれる気がしないと本気で思っていました。子供や動物のことも、みんなが言うほど「可愛い」とは思えなくて、そんな自分はおかしいんだとみんなと同じに感じることができない自分が欠陥品のように感じていました。でも心のどこかで、いつかは結婚して子供を育てる、それが人生だから、という価値観がありました。ただ最近思うんです。それは誰が決めたのって。自分の人生なんだから、欲しいと思わないなら要らないじゃないと。その考え方がこの本にも入っていてすごく共感できました。
難しい!(笑)
いろいろ言ったのですが、もう結論難しいしまだまだ分からないという気持ちでいっぱいです(笑)この本もいろんな要素があって難しいなと思いましたが、自分で書き直してみてよくわかりました。人生の構成要素が多いからそりゃ複雑になるしまとめるの難しいわ!
ものすごい正直な気持ちとしてはIQ高く生まれたかった!というどうにもできない願い(笑)もっと頭がよくて自分で考える力が持てれば家族というブラックボックス化した社会の中でも自分を見失わずに入れたんじゃないかなあと妄想してしまいます。。
でもそんなこと言っても何も変えられないし幸福度も下がっちゃうし結局持っているものでやりくりするしかないんだから、開き直って前向きに過ごせるようにこれからも自分と向き合っていきたいなと思います。
いろんなビハインドを持ったみんな、一緒に頑張りましょう~