マガジンのカバー画像

『敵は、本能寺にあり!』

34
“本能寺の変”には『黒幕』がいた――。 戦国最大のミステリー“本能寺の変”の『真実』と、信長の隠し子が辿る戦乱の世の悲しき運命……。 幾つ屍を越えようとも、歩む道の先には骸の山が…
運営しているクリエイター

2023年6月の記事一覧

『敵は、本能寺にあり!』 最終話『革命前夜』

『敵は、本能寺にあり!』 最終話『革命前夜』

「失礼ながら信長様の計略には綻びが多く生じております。比叡山焼き討ち後、次々と敵対勢力を滅ぼし、本願寺や丹波を抑え、天下静謐の礎を築かれました。
そこで武田征伐に於いて信忠様に戦功を立てさせ、親の威光にあやかっている訳ではないと、格の違いを見せつけるおつもりだったのでしょう……。
毛利や義昭が秀吉殿に敗れるのも目前。時間は掛かりましたが、思い描かれていた通りに進んだのでは? しかし思わぬ誤算が。

もっとみる
『敵は、本能寺にあり!』 第三十三話『本能寺の変』

『敵は、本能寺にあり!』 第三十三話『本能寺の変』

 突如、境内の四方八方から消魂しい銃声が轟く。
 ――!!
「何事じゃ! 敵襲か――」

「いえ、甲賀忍の百雷銃にございます。大量の火縄銃の音を模しておるのです。ん……、煙の回りが速い――、急ぎましょう!!」

「何が起きておる!?」

「話は後で――! 仕掛けた火薬がもうじき爆発します!」
言うが早いか鳳蝶が床の間の地袋を押すと隠し扉が開き、二人は寝そべり転がり込む。狭い隠し部屋の床を捲れば、地

もっとみる