マガジンのカバー画像

ライライのいつか形になるエッセイ集

11
いつかなにかの形にすることを目標に書き溜めるエッセイ集。見かけたエッセイがお好きだったら、ぜひ他の文章も覗いていってください。
運営しているクリエイター

#エッセイ

9.リユース着物はエッ………

9.リユース着物はエッ………

リユース着物には、独特の色気があると思う。ここで色気をセクシュアルとか、性的魅力があると言い換えてしまうと、全然違う。とても意に反する。

私が言いたい色気というのは、「なにか惹きつけられる魅力があって、不用意に目を逸らしてはいけないと思わせる雰囲気がある」ということだ。

使い古された着物は、ただそこに置いているだけで、じっくりと何かが立ち昇る。何かとはなんだろう、なんと言えばいいだろう。

もっとみる
筆者応援:エッセイ『わたしはわたしを操縦する』付き

筆者応援:エッセイ『わたしはわたしを操縦する』付き

こちらの記事では、後半に有料エリアを設けています。
筆者の創作活動を応援したい!と思ってくださった稀有な方からの、お気持ちをきちんと受け止めるための有料エリアです。

筆者、ライライは子育ての合間を縫って、webライターとして活動しています。
noteでは、以下のようなコンテンツを発信しています。

エッセイ(子育て・着物・日常系など)

着物情報記事

お仕事のプロモーション用記事

どのコンテ

もっとみる
8.思い出の金木犀のオレンジ色と香りの郷愁は大衆の

8.思い出の金木犀のオレンジ色と香りの郷愁は大衆の

今年は台風が過ぎると一気に秋らしい気候になった。まだ、よく晴れた日の日差しは突き刺さる様に鋭いが、日陰に逃げ込むと、あの、秋らしい冷気がもうそこにいるようだ。

秋になると「金木犀の花が咲くのはいつ頃になるだろうか」と、ことあるごとに考えてしまう。金木犀を待ち侘びる気持ちは、ワクワクするともソワソワするとも違う。「ああ、今年もあれが来るのか」と身構える感覚が近い。

金木犀の香りを嗅ぐと、愛らしい

もっとみる
7.お譲り着物がわたしを包んでいる

7.お譲り着物がわたしを包んでいる

わたしが最近着物に興味があると知った義母が、持っている着物を譲ってくれるようになった。

わたしは関東に住んでいるが、義両親は九州に住んでいるため着物を譲るにも骨が折れる。孫に会いにきた時、旦那に荷物を送る時などに、わざわざたとう紙に包んだ状態で私の手元まで届けてくれる。
たとう紙とは、着物を状態よく保存するために包んでおく紙だ。きれいに畳んだ着物をしっかり包んでおくために、すごくかさばる構造をし

もっとみる
5.子守とキラキラの通り雨

5.子守とキラキラの通り雨

今日はちょっといつもと違うスケジュールで、なんやかんやあって、公園で子ども達が遊ぶ様子を見守ることになった。蝉が鳴き始めた初夏、天気は曇りがち。肌に湿気がまとわりつくが、暑すぎた先週が嘘のように過ごしやすい夕方だった。

普段なら、もう小学生の上の子はひとりで遊びまわり、下の子はまだギリギリ幼稚園に預けていて、わたしは家で仕事している時間だ。

なんやかんや、と言うのは…下の子が今日は療育相談の日

もっとみる
4.足首が、ない!

4.足首が、ない!

わたしには足首がない。怖い話ではない。足首があることはある。ただ脂肪に埋まって、一般的な足首のようにキュッと引き締まっていないのだ。

こういう肉に埋まった足首を、世間ではいろいろなモノに例える。象足とか、大根足とか、ハムとか、巨木とか…。見事にかわいくないモノばかりに例えられたものだ。

しかしわたしの母は違った。わたしがまだ小さい頃、母はわたしの足を大変かわいらしいものに例えてみせた。

「あ

もっとみる
3.わたしのELLEGARDENとMちゃん

3.わたしのELLEGARDENとMちゃん

あなたは、若い頃に夢中になったミュージシャンはいますか?当時の友達に一生懸命勧めたり、夜中までアルバムを聞き込んだミュージシャンは?

わたしの場合はそれがELLEGARDENだった。ご存じだろうか、ELLEGARDEN。メロディアスパンクバンドと呼ばれて、30代40代くらいのバンド好きな、かつての若者達のハートを鷲掴みにしていたものだ。

わたしとELLEGARDENの出逢いは高校生の時。ELL

もっとみる
1.娘のお風呂相談室

1.娘のお風呂相談室

今日、湯船で娘のシャンプーが終わるのを待っている間に気がつかされた。エッセイを書いてみたい。わたしはエッセイなんか、文豪とか、文化人とか、ユーモアのある脚本家とかそういう有名人が書くものと勝手に決め込んでいた。でもいいじゃないか、その辺の誰かわからない人がエッセイ書いたって。

エッセイを書いてみたいと思ったのは、娘とのお風呂での会話がきっかけだった。まだ小学校低学年の娘は、身体を洗うのに時間がか

もっとみる
2.生理前のヒステリーに少女漫画の夢を見るな

2.生理前のヒステリーに少女漫画の夢を見るな

生理前の苛立ち、多くの女性はこの文言だけで何もかも察してくれるだろう。妙齢を過ぎた女性は特に。若い頃は体の不調とだけ戦っていればよかったが、この、メンタルの…メンタルの…。なんと例えればよいのだろうか?

恨み、妬み、辛み…女の苦しみを煮しめたような、荒波のような、乱気流のような、自分が獣になったような、真っ黒なタールが胸の奥底でグツグツと熱せられているような?

とにかく、ろくなもんじゃない。酷

もっとみる