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マンガで心に充電を

ちょっとお疲れ気味の時。
心をほんわり癒やしてくれる、オススメのマンガたちを、今日はご紹介します。

★『まんまるポタジェ』 あいざわ遥

仕事ばかりしていて、体を壊してしまった塔子は、料理人の夫ヒロの提案で田舎に引っ越しカフェを開くことに。
しかし、野菜嫌いで虫も苦手。カフェを手伝えば失敗ばかり。育児も任せっきりだったので、娘のハナにも懐かれておらず、慣れない田舎暮らしに毎日あたふた。

そんな塔子が、野菜と花を一緒に植える「ポタジェ」を作りながら、様々な出会いの中で少しづつ田舎にとけ込み、自分らしく暮らしていく様子を描いています。

最初の頃は、本当はママが好きなのに、素直になれないハナちゃん。
でも、ママを元気にするためチョコの木を育てようと、アーモンドを土に埋めたり、熱の出たママのおでこに「ばんそーこ」を貼ったり。
けなげな愛らしさで、胸をキューンとさせてくれます。

著者のあいざわ遥さんは、誰しもが持っている心の中に潜む小さなトゲや、もやもやした思い、繊細な心の動きなどを描くのがとても上手。
さまざまな登場人物に焦点を当てて、丁寧にその人物の気持ちを洗い出していきます。

人付き合いが苦手で、ガーデニングに没頭している女性。
きつい性格の姑に我慢する毎日の、わんぱく3人兄弟のママ。
家にいるのが嫌で、子供に習い事をいっぱいさせ、自ら忙しく過ごそうとする主婦、など。

どのエピソードも、やさしく温かい目線で描いていて、心にじんときたり、思わずウルッとさせられたり。
子供たちの心の描き方も、はっとさせられることが多く、どうして、こんなによく気持ちがわかるの?と、感心してしまいます。
きっと、あいざわ遥さん自身がとても繊細で、よく他者の気持ちを察することができる方なんでしょうね。

『まんまるポタジェ』は12巻まで。ハナ小学生編の『まんまるポタジェ2』は3巻で完結しています。



★ 『おじさんはカワイイものがお好き
 ツトム

小路(おじ)さんは、バツイチの40歳。
仕事もできる、モテモテのイケオジですが、実はカワイイものが大好き。
昔、カワイイもの好きをバカにされたのがトラウマとなり、イメージが壊れないように秘密にしています。

とにかく、推しキャラのパグ太郎を愛でるために、回りにバレないよう必死な小路さんの姿がが、とってもキュートで笑いを誘います。
下宿中の甥っ子のおかげで、家の中でもドギマギ。
うっかり置きっぱなしにした、枕元のパグ太郎のぬいぐるみを慌てて隠したり、会社では落としたパグ太郎キーホルダーを発見され、顔面蒼白になったり。

また、なにかと小路さんに突っかかり、ネコ好きのくせにネコに人気のない鳴戸くんや、ついに見つけたカワイイもの好き仲間のケンタくん、など。脇役たちも、個性的でいい味出しています。

徐々に人間関係が変化していき、新たな繋がりができることによって、キャラ変していく鳴戸くん。
仲間を得たことで、どんどん推し活もアップグレードされ、テーマパークやパグ太郎のコラボルームにまで足を運びだす小路さんのガッツにも注目です。

テレビドラマ化もされ、小路さんは眞島秀和さん、鳴戸くんは桐山漣さん、ケンタくんは今井翼さん。マンガのイメージ通り、うまく演じられていて、さすが!と思いました。

クスクスと平和な笑いで、ほっこりを提供してくれる『おじさんはカワイイものがお好き』は、今も連載中。9巻まで出ています。



★ 『週末、森で』 
  『きみの隣で』 益田ミリ

幻冬舎文庫版

ふと思いたって、田舎で暮らし始めた、翻訳家の早川さん。
と言っても、自給自足で畑仕事…なんてことはせず、駅前の家に暮らし、ちょいちょいお取り寄せを楽しんでいます。
週末になると、手土産を持ってやって来るのは、経理の仕事をするマユミちゃんと、旅行代理店で働くせっちゃん。
早川さんと共に森をそぞろ歩いたり、カヤックに乗ったり、ゆるゆるとした時間を過ごします。

早川さんは、いつも自分のペース。
友だちが来ても、自分の用事があればサッと出かけてしまうし、自分のタンスを置かせてもらうことにした友だちには、ちゃっかりタンス家賃を請求(笑)
でも、そんな気を使わない関係が、いいなと思います。

無理はせず、気負いのない早川さんがポロリとこぼした言葉は、すっと周りの人達の心に染み込んでいきます。
そして、ふとした瞬間に心の道しるべとなって、知らない間に人助けをしていたりするのです。

続編の『きみの隣で』では、早川さんは結婚して、太郎くんの母となっています。
相変わらずの自由さで、1人で海外旅行に行ったり、お取り寄せもやめてません。

過干渉の母を持つ、太郎くんの先生の話も絡めながら、のびのびと素直に育っていく太郎くんや、やさしい歯医者さんの夫、おなじみのマユミちゃんやせっちゃんと、変わらず森で過ごす、ゆっくりとした時間が描かれます。

手土産をもらった時に、「わかってらっしゃる」と言うのが早川さんのお決まりのセリフなのですが、これが太郎くんにも、しっかり受け継がれていることにも注目です(笑)



※※※※※※

いつまでも暑さの続く今年。
日が落ちるのが早くなって、秋の虫の音も聞こえてくるけど、気温は夏のまま。相変わらずエアコンつけっぱなしの日々です。

体にも負担がかかって、お疲れ気味の方も多いと思います。私も、毎日なんとなくダルダルです。 
気力も下がって、今ひとつやる気が出ません。
さっぱりと気持ちのいい秋の日、早く来ないかなぁ…。

今回紹介した本で、せめて「読書の秋」だけでも味わっていただけたら、嬉しいのですが。
どうぞ、癒やしのひと時が訪れますように…。





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