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【ニュースで学ぶESG用語#15】「伊藤レポート」とは?

1. 用語解説

そもそも、「伊藤レポート」とはどのような定義で使われているのでしょうか。いくつかのサイトでの定義をまとめてみました。

伊藤レポートとは、一橋大学大学院商学研究科の伊藤邦雄教授を座長とする経済産業省のプロジェクトによる最終報告書「持続的成長への競争力とインセンティブ―企業と投資家の望ましい関係構築」のことで、2014年8月に発表されました。

 このプロジェクトの背景は、金融危機の反省から欧米で短期主義的な投資の是正やコーポレートガバナンスの強化が積極的に議論されたことにあります。日本においても、株主と企業経営の在り方や、情報公開の方法などについて企業経営者や長期投資家、市場関係者を集めて検討し、日本経済の企業の中長期にわたる価値創造を支援するべくこのプロジェクトが始まりました。最終レポートを国際的に発表することで日本市場が世界から適切に理解されることを目指します。

Sustainable Japan

伊藤レポートとは、2014年8月に公表された、伊藤氏が座長を務めた経済産業省の「『持続的成長への競争力とインセンティブ~企業と投資家の望ましい関係構築~』プロジェクト」の最終報告書報告書の通称のこと。

伊藤とは当時一橋大学教授であった伊藤邦雄氏の苗字です。企業と投資家の対話による持続的成長に向けた資金獲得や企業価値の向上、ROEの目標水準を8%とするなどを提言し、経済界に衝撃を与えました。

カオナビ

2. ニュース・記事でどのように使われるか

それでは、「伊藤レポート」という言葉が実際のニュースや記事でどのように使用されているのか、いくつか見ていきましょう。

『人的資本』とは、「ヒト」の能力を資本と捉えることであり、『人的資本経営』とは、人材を「資本」と捉え、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上につなげる経営のあり方、と経済産業省では定義づけています。

企業が、人的資本経営を行うにあたり「人材版伊藤レポート」にて示された3つの視点・5つの要素の中でも、重要視されている1つの要素として、リスキル・学び直しは喫緊の課題です。
リスキル・学び直しの実施において注目されている、身に着けたスキルを証明する「オープンバッジ」は、社員の自律的な学びへの導きと促進、さらにその人がどのようなスキルを持った人かを証明するスキルの見える化を実現し、企業が進めるリスキリングに大きく寄与するものです。

PR TIMES

経済産業省では、昨年5月に「サステナブルな企業価値創造のための長期経営・長期投資に資する対話研究会(SX研究会)」を立ち上げ、サステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)の具体化に向けた検討を進めるとともに、同年11月に立ち上げた「価値協創ガイダンスの改訂に向けたワーキング・グループ」において、SX実現のためのフレームワークとしての価値協創ガイダンスの改訂に向けた検討を深めました。
研究会の報告書として「伊藤レポート3.0(SX版伊藤レポート)」を取りまとめるとともに、「価値協創ガイダンス2.0」を策定しましたので、お知らせします。

経済産業省

用語の意味を理解したうえで、実際のニュースや記事を読んでみると、また違った視点から新たな発見が見えてくるのではないでしょうか。

それではまた、次の用語解説でお会いいたしましょう。


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