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パリオペラ座近くのホテルにまつわる物語 「γ」

InterContinental Paris - Le Grand
豪華なホテルは世界中に沢山あるが
ここは特に思い出深いホテルである。

2010年頃。オペラガルニエで実際の舞台を鑑賞する機会に恵まれた。夜の舞台鑑賞を海外旅行先でする場合、交通手段や飲食に神経を使う。

しかしここに滞在すれば、徒歩+クラブラウンジ+ルームサービスが利用できるため、これで手間を省いた。

実際はガルニエまで、目の前といえばそうだが、ほんの少し距離があり、徒歩『5歩』では到着しない。

ヒールの靴だと、やはり入口まで車で横付けしてほしくなる。が、この時は歩いた。

夜用のドレスに着替え、ヒールの高いお気に入りの靴を履く。
ホテルの廊下をクラブルームまで歩く。

ハイヒールで絨毯を歩くとこんなに快適なのだとその時のふかふか具合を思い出した。

クラブラウンジにて。
マムだったか。シャンパンを注がれ絶妙な距離感の自然な会話を楽しむ。

ガルニエの中で上演前の時間を過ごす手もあるが混雑で疲れる。Le Grandのクラブルームでゆっくり過ごすほうが良いと判断した。

この時のバレエ演目、確かparc (Le)(ル・パルク)

何年か後に日本でも上演されている。
一言でいうと「官能的」。
映画のラブシーンがずっと続くような振付。絡み合い、そして避けあい、また引き寄せられる恋人達。

時差が吹き飛んだ。

ホテルに戻る。
夕食はルームサービスで。

舞台の余韻に包まれたまま、オペラ座の傍らで幸せな眠りについた。