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雑感記録(189)

【テレワーク雑感】


僕は先週の金曜日、初めてテレワークをした。今更だが。

以前の職場では全く以て想像できなかった事態である。前提としてお客さんと会わねば始まらない職ではあるので、仕方がないと言えば仕方がない。テレワーク初めての僕としては実はワクワクしていた。テレワーク用に自身のパソコン周辺機器も揃えたし、いつでも出来る準備は出来ていた。ようやくそれらが陽の目を浴びることが出来るのだ。

とはいえ、やはりセキュリティの関係もあるので、会社から貸与されたパソコンを使用する。当然と言えば当然である。そのパソコンを自身の部屋のモニターに繋いで大画面で僕は仕事をした。やはり大画面で操作すると見やすくて良いし、作業が捗り凄く助かった。買って正解だったなと改めて思う。


朝、僕はいつも早く起きて、1番に職場に行き、職場で朝食を食らい仕事を始める。それがルーチンとなっている。しかし、テレワークだと出社しないので、まず以て朝飯を食べるという行為が無くなる。僕は朝ご飯を大量に食べる人間なので「困ったな」と思いつつも、家から1歩も出なくていいというその怠惰にかまけて、結局朝飯を食わずに仕事に入った。

家に居ながら仕事をする大きな利点は、これは僕にとっての話だが、煙草を吸いながら仕事が出来ることである。僕は紙の煙草も嗜むが、電子タバコも嗜む人間である。自室に居るときは大抵、電子タバコを吸う。それでタバコを片手に仕事をする。しかし、何だか段々と僕は悪いことをしているような気がしてきた。……いや、当然に悪いけれどもね。

ただ、これは僕の言い訳なんだが、煙草休憩で毎回毎回自分の机を離脱されるよりも吸いながらしっかり仕事している方がお互いに良いんじゃないのかと思っている。それで作業効率が上がって、その業務に集中できるのであればそちらの方がいい。それにあくまでテレワークであるので、吸っても上司や先輩方に迷惑を掛けることはまず以てない。

とにかく、僕は電子タバコを吸いながら自宅で仕事をする。しかし、しかし!自宅は誘惑が多く、どうも危うくて仕方がない。それは単純な話であって、自身の周りは本に囲まれている。それは職場の環境も似たようなものなのだが、監視者の目が届かない所に居るというのはかなり大きい。監視カメラで見られている訳でもなく、怒られることもない。

仕事以外にそういった誘惑に耐えなければならないというストレスもある。でも、これは言ってしまえば自分を律することも出来ない弱い奴であると公言しているようなものである。僕は弱い人間だということだ。誰かに監視でもされないとすぐに怠惰を貪る人間と化す。惰眠貪郎である。ちなみに僕はこの「惰眠貪郎」が大好きである。

忘れてはいけない。テレワークとは、「在宅勤務」のことである。そう、「勤務」しているのだ。自宅で仕事をするのだから、そんな誘惑にそもそもかまける暇も無いっちゃ無い。ところが、人間というのは恐ろしいもので、ふとした瞬間、所謂「魔が差して」というやつである。気が付いたら手に本が…。人の欲望とは恐ろしいものである…。


何とか午前中を乗り切った訳だが、テレワークをして僕は気付いたのだが、「昼休み」という概念が無くなってしまうのである。家に居るからまず以てその時点で何というかある種の休み…とまでは行かないけれどもリラックス状態で仕事に臨めているので、僕にとってはだが、「昼休み」なくダラダラと過ごしてしまった。

仕事を一応している訳だから、「昼休み」は取らなきゃいけないんだけど、何というか…うん…。わりと僕は仕事を愉しんでいるので、別に休憩とかあんまりいらないんだよな…とも思ってみたりする。以前は何というか…「昼休み」とかも普通にやることが沢山あったから取れない、あるいは取りにくいという状況だった。それに慣れちゃったというのも当然あるだろう。逆に「昼休み」が取れることの方が変に思ってしまっているというのも事実である。というか弊害か?

午後も何だかんだでそのままぶっ続けで仕事をする。ただひたすら煙草を吸いながらパソコンのキーボードをカタカタ打って仕事していた。ふと、「これそういえば、どうやって処理するんだっけな…」と聞きたいことが出てきた時、何だか無性に「寂しさ」みたいなのが僕を襲ってくる。出社していればすぐに聞けるし、他愛のない実にくだらない話まで色々とすることが出来る。ところが、テレワークだとそうはいかない。slackで聞きたいことだけ端的に聞いて交流終了。

別に会社の人と話したいとか、そういう訳ではないんだけれども、何というか「寂しい」。人の熱とでも言えばいいのだろうか。そういったものを感じられないのは物足りなさを感じてしまう。単純に言うのなら「人肌恋しい」ってやつなのかもしれない。あとは「連帯感」ってやつかなとも思ってみたりする。複雑な感情である。

それで夕方ぐらいになってくると、何だか集中力が切れてくる。何でだろうな…って考えるのだけど、そんなの誰がどう見たって明らかだ。朝から夕方までタバコと水以外何も口に入れていないのだから当然である。むしろ、夕方までよく持ったなという感じだ。しかし、意外と何も食べずには1日何とか行けるんだなということが分かった。無論、飲み物とタバコは必須である。……タバコにもカロリーってあるのかな…。


それで僕の初めてのテレワークは幕を閉じたのだけれども、まず以て感じたのは僕はテレワークに向いていないとういうことだ。

誘惑が多すぎる。自宅では当然だが、自身が快適に生活できるように自分自身で工夫している空間である。そこにむしろ誘惑がない訳がない。そこをどう乗り越えるかというのが仕事にプラスしてこなさなければならないので、精神的にしんどい。これは単純に自分が弱いだけだけど。それに加え、僕の場合は仕事に行かないと食生活が大いに乱れる。

過去に僕は急性膵炎で入院した経緯がある。それ以来、わりと食事には気を付けるようにしているので、食生活が乱れるということはある種僕にとっては死活問題的な部分がある。1日3食とまでは行かないが、朝と夜は食べるようにしているので、そのリズムが壊れてしまうと単純に胆汁の出が悪くなって身体に良くないので…という理由からである。

最後にはやはり、人が居ないということが大きい。誰かに見られていなければ仕事が出来ないという訳ではないのだが、だけれどもすぐに聞きたいことや、そこから話せることが無いというのはどこか「寂しさ」があるのだ。以前の記録で「寂しさ」について書いたけれども、これも畢竟するにそういう事なのだと思う。

いずれにしろ、もしずっとテレワークが良いかと言われたら、少し考えてしまうかもしれないなと思ったという何ともくだらぬ話である。


何よりも、毎日、神保町に行けないのが辛い。これもある。

そんなくだらぬ、今日の小噺。

よしなに。








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