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SES市場は本当に成長しているのか?これからのITのSESで生き残るキャリアプランとは

 最近、ITエンジニアの減少とSESの市場成長という話を聞いてみて、現場のITエンジニア視点で疑問や生き残り策を述べていきたい。

#現状のSES市場の成長は


 以下のサイトでこのようなデータがある。
SESの今後は?将来性のない会社・ある会社を解説【市場規模は右肩上がり】 (ses-beginner.com)

 

 これを見ると、SES市場は今度も大きく伸びていく希望のある業界に見える。しかしながら、これは全業種の合計である。各分野で見ると以下の通りになる。

IoT: IDC Japanの予測によれば、2027年までに日本のIoT市場は8.7兆円に達すると予想。2022年の支出実績は5兆8177億円であり、2022年から2027年までの年間平均成長率(CAGR)は8.5%と予測。

クラウド: 2021年の国内クラウド市場の規模は、対前年比34.7%増の4兆2018億円。2021~2026年の年間平均成長率は21.1%で、2026年の市場規模は10兆円を超える予測あり。

DX: 2023年の国内DX市場は、前年比27.0%増、2022年~2027年の年間平均成長率 (CAGR)は23.2%で推移。2027年には1兆1034億7700万円になる予測(IDC)

AI: 2021年の国内AIシステム市場の市場規模は前年比26.3%増の2771億9000万円。2021年~2026年の年間平均成長率(CAGR)は24.0%で推移し、2026年には8120億9900万円に達すると予測。

一方で、

ネットワークインフラ:2021年の国内ITインフラストラクチャサービス市場は前年比2.7%増の1兆7,575億円。2021年~2026年の年間平均成長率(CAGR)は3.2%、2026年の市場規模は2兆524億円と予測。

フロントエンド:2023年の国内エンタープライズインフラ市場の前年比成長率はSP(Service Provider)が5.8%、Non-SP(非Service Provider)が2.3%と予測。

バックエンド:2022年の国内通信サービス市場の売上額の前年比成長率はイーサネット専用線が2.9%、L3ベストエフォート(ワイヤレスを除く)が1.7%。

というように、実際のSESの未来は前者4分野が関係していて後者3分野は低成長率ということが分かる。つまり、前者4分野のエンジニアなら未来があるし年収も大きいと言えるが、後者3分野だと未来は厳しいしえてしてそういう分野は給料は安い仕上がり辛い。そしてこれは私の現場感覚とも一致している。

#IT業界の現実と生き残るためのキャリアプランとは

  IT業界では、各分野ごとに求められる専門性がだいぶ異なる。例えば、DXではRPAやプロンプトエンジニアリングが求められるのに対して、AIはデータサイエンスそして場合によってはR・Pythonなどのプログラミング言語そしてBIに関する知識が必要である。ネットワークインフラではネットワークの知識ももちろんのことベンダーごとで違うネットワーク機器の機能も把握しなければならない。クラウドエンジニアもそうでネットワークの知識はもちろんAWS・AZURE・GCPの各クラウドの機能の違いも把握が必要。

 こんな中で業界横断的な知識そしてキャリアを積むことはそうそうできない。SESではなおさらそうだ。なぜなら、営業が各業界の求められるスキル・技術に精通していないからだ。だからこそ、経験年数が求めらるのである。

 もし、業界横断的なスキルとキャリアを研鑽できるならばIT業界はバラ色の未来が待っているかもしれない。しかしながら、現実ではそうではなく大きな壁が立ちはだかっているのである。

 これからのITのSESで生き残るためには上記のことを考慮して常に複数分野でスキルアップを図らなければならない。副業もどんどんと進めるべきだろう。そうでなければ低年収のまま年収が上がらずに人生は終了してしまう可能性がある。

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