こんにちは、三太です。
いよいよ学期末が近づいてきました。
3年生の卒業に向けて、各学年取組が進んでいます。
「たかが卒業、されど卒業」ということで人生の節目の一つをお祝いできればと思っている今日この頃です。
では、今回は『ウォーターゲーム』を読んでいきます。
初出年は2018年(5月)です。
幻冬舎文庫の『ウォーターゲーム』で読みました。
あらすじ
産業スパイ、AN通信エージェント・鷹野一彦シリーズの三部作目にして完結編。
福岡のダム爆破事件から始まり、日本、そして中央アジアの水道民営化を巡る企業・政界の攻防が描かれるエンタメ小説。
「昨日の敵は今日の友」といった状況で、利権を巡りスパイたちも含めて敵味方が激しく入り乱れます。
また、三部作目ということもあり、シリーズのこれまでの作品に出てきたあの人も再登場して、あの別れからの人生が語れられる場面は感動ものです。
吉田修一さんの公式HPの紹介文も載せておきます。
出てくる映画(ページ数)
①「愛人/ラマン」(pp.199-200)
②「カサブランカ」(pp.240-241)
③「セブン」(pp.295-296)
今回は3作ありました。
「セブン」は既出なので、その他の2作を見ていこうと思います。
感想
世界を舞台に鷹野たちが大活躍します!
タイ、カンボジア、香港、ロンドン、他にはアメリカのヨセミテ国立公園・・・。
鷹野たちとともに世界を旅している気分で読めるのが本書の大きな魅力の一つです。
やはりANA機内誌『翼の王国』で長年連載してきた吉田さんならではの作品に仕上がっていると思います。
クライマックスの緊迫感が凄まじく、本当にそこは自分も一気読みで駆け抜けました。
まさにここは痛快の一言です。
本書を読み終えて、これから鷹野たちの活躍が見られなくなる寂しさがあります。
けれども、今後のAN通信の動向や田岡と和光(彫師)の関係、真司やすみれはどうなっていくかなど、気になるところは残っているので、(いちおう)完結してしまいましたが、続編を期待したいです。(公式HPにも「いちおう」とあったので・・・)
うららかや海一面に僕一人
その他
・汗と風の描写は吉田さんの作品に特徴的。
「汗ばんだ頭を下流から上ってきた風が撫でる」(p.29 2行目)
「周囲の原生の椰子林を揺らしている風はお湯のようで、首筋を撫でられるたびに体中から汗が噴き出す」(p.358 2行目)
・風間の家にいるお手伝いさん、富美子は映画「流れる」に出てくるお手伝いさんのイメージに重なる。
以上で、『ウォーターゲーム』の紹介は終わります。
鷹野一彦シリーズ、(いちおう)の完結を見ました。
では、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。