見出し画像

企画職が「bubble」を使ってサイト開発した話

こんにちは。不動産・住宅情報サイト「LIFULL HOME'S」で横断領域の企画を行っていました、松岡です。
2022年10月から別の部署へ異動しましたが、約4年間プロダクト開発の企画を経験してきました。
その最後の年に、LIFULL HOME'Sではなくbubbleというノーコード開発ツールを使って不動産情報検索サービスの試作版を作りました。
今回はその経験についてお話しします。

背景

ある日、新たなサービス開発のために、LIFULL HOME'Sとは異なる目的の不動産情報検索サービスを試験的に1つ作ることになりました。多様な不動産情報ポータルサイトがある中でLIFULL HOME'Sが選ばれるように、社内のアイデアを基にして特徴的なサービスを作ってみようという試みでした。
ただし、普通に開発すると間に合わなさそうな時間的制約がありました。
そこで可能性を見出したのが「ノーコード開発ツール」の「bubble」というWEBアプリケーションでした。

「ノーコード開発ツール」とは、「エンジニアでなくても高機能なWEBサイトが簡単に作れるツール」です。
絵を描くことに例えると、白地のキャンパスに描き始めることが普通の開発だとしたら、「ノーコード開発ツール」を使った開発は模様や絵のプリントされたシールを貼って絵を描いていくようなイメージです。道具を使う技術や知識が無くても、描きたいもののイメージさえあれば簡単に絵を描くことができます。

そして更に「ノーコード開発ツール」がたくさんある中でも「bubble」を選んだ理由は下記の二つです。
①今回のプロジェクトの前にbubbleを使って作ったWEBサイトがあり、時間制約がある中で過去の知見を活かせるのは大きな安心材料だったため
②bubbleはノーコード開発ツールの中でも自由度が高く、動的サイトとして色々と試すのには向いていそうだと考えたため

bubbleの開発画面。左のメニューから素材を選んで画面に入れ込んでいきます。

プロセス

チームが組織された後、さっそく開発に取り組んでいきました。
実験のために欲しい機能は下記の通りです。
①都道府県と市区町村で物件を検索する機能があること
②検索条件に適合する物件だけを表示すること
③物件データの更新が日次でできるようにすること

bubbleは使える道具(先ほどの例で言うと模様やシール)がエンジニアでなくても分かるように用意されているので、おおよそどんなことができそうかは見当がつきました。
チームの実装担当者と相談しながら、どうすれば上記①②③の機能を実現できるのか、考えながら一緒に開発を進めていきました。

大変だったこと

bubble上で使える機能について、どこまでできるのかは正直手探り状態でした。簡単に作れる半面、複雑なことをやろうとすると意外とできなかったりします。

まず最初の壁は上記①で「都道府県と市区町村の2つの条件を同時に指定できない」と分かったことでした。
bubbleの標準の検索条件機能では1つの条件しか指定できず、都道府県か市区町村かどちらかしか指定できない状態でした。
この時は実装担当者と色々調べた結果、都道府県と市区町村を2つ入れ込んだURLを発行→そのURLを用いて物件を検索する、というもので解決できました。

次の壁は上記③でした。日次で物件データ自体は用意できたのですが、それをどうbubbleに自動で入れるかで方法を1から考えました。
AWSとbubbleが連携できるとは聞いたことはありましたが、その方法は全く分かりませんでした。
そこで、bubbleの英語のマニュアルを読んだり、問合わせたり、試しにAWSを使ってみたり、色々しました。
「これは本当に実現できるのだろうか…」とヒヤヒヤしつつ、何とか仕組みを構築することができました。

「AWSって何?」という状態からここまで考えて実現可能なことも確認しました

結果

試験を目的に作ったものなので、作った後は本当にニーズがありそうか、等の検証を行いました。
苦労して作ったプロダクトでしたが、結果、不動産情報検索サービスとしての公開は見送りになりました。

非常に残念でしたが、検証過程において見送りの結果になるのは仕方のないことだと思います。
むしろbubbleを使ってデータ検索、AWS連携が可能だと確認できたことが、LIFULLの知見として今後役に立つと思います。

最後に

最後まで読んでいただきありがとうございます。

bubbleをはじめ、ノーコード開発ツールは現在世の中に多く存在し、用途に合わせてそれぞれ特化しています。
LIFULLでは常に新しい技術を取り入れ、試していこうという文化があり、今後もノーコード開発ツールを使った新たな取り組みが社内で生まれてくると思います。

そしてノーコード開発ツールの特徴は先述の通り、エンジニアでなくてもWEBサイトが作れる、ということです。
今後は企画担当と開発担当の垣根も無くなり、同じ目線でプロダクト開発を語れる日が来るのではないか、とワクワクしています。

今後もLIFULL、そしてLIFULL HOME'Sの取り組みにご期待ください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?