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事業再生のこと−18

事業を成長させる。
言葉としては簡単だけれど、実際に実行するのは並大抵なことではない。

●リピーターの確保

例えば個人店舗で自分たちのオリジナルブランドを作って販売を始める。
その事業自体は最初はそれほど売上を伸ばせない。
認知力も訴求力も弱く、クチコミで少しづつ売上を拡大させる。
最初は気負いもあるので資本を投下してチラシを作ったりDMを撒いたりするし、雑誌に掲載されるようにプレスリリースも頑張る。

その商品が生み出す売上は年商どの程度になるのだろう?
150万円〜300万円といったところか?
もちろんそれでは「事業」と呼んで良いのかどうかというレベルだ。
ブランディングの初期に大切なのはリピーターを確保することで、
品質の高い商品を送り出すことでそれは可能になる。

リピーターの増え方は売上に反映される。
1名の顧客が3名の顧客を連れてきてくれれば年商200万円は600万円に増える。連れてきた本人を含めれば800万円に近くなるかもしれない。すると翌年は3200万円?そのまま成長すればすぐに1億を越す事業に成長するはず。
しかし、そうはならない。なぜだろう?
コアな顧客を増やすのはそれほど容易なことではない。
1名の顧客が3名の顧客を連れてきてもその全員がリピーターになるわけではない。
一時的にリピーターになったとしても半数以上はリピーターではなくなる。
ブランドとは増加と減少を繰り返すモノだと認識した方が良い。

3人のリピーターを確保したければ12名の顧客を取り込まなくてはならない。リピーターそのものも毎月購買してくれる人、月に1度の購買の人、年に1度の購買の人が含まれて安定しているとは言い難い。
だから大手のメーカーでは会員カードなどを使って囲い込みを促す。

●成長の落とし穴

事業を長期に渡って成長させ、継続させるには様々な工夫が必要だ。
前提条件としての「品質の高い商品」をどう継続して提供し続けるか?ということ、常に集客の努力を惜しまないこと。
幸運なことにブランドを出し始めた初期に有名雑誌に掲載され、場合によっては放送媒体で取り上げられたりすると、反響を実力と勘違いしてそれらの努力を怠ってしまうことがある。
そこから転落するのにはそれほど時間を必要としない。そして転落したブランドを再構築することほど難易度が高く労力のかかることはない。

ブランド力を育てるのは低資本の我々にとって我慢の連続になる。
小さなコマを少しづつ大きくし、
目に見えない顧客のコミュニティーが成長するのを待つ。
じわりと売上が伸び始め、その5%の広報宣伝費で何ができるかを良く考え、
有効な使い方に頭を悩ませなくてはならない。

●コミュニティーを育てる

年商が3000万円を超え、スケールメリットが生まれ、
組織が構築されたなら、そのたったの5%がまとまった金額になりはじめる。
そこから次の手を打とう。
<キーワードは「コミュニティー」の拡大>
会員カードを作ることはただの1つの布石でしかなく、それ以外にも多くの入り口を作ってコミュニティーにどう繋げるか?が大切になる。
自分たちの企業文化をきちんと構築して、「私たちのお客様」に届くコンテンツを通して「同じ思考性を持った人たち」のコミュニティーを企業としてサポートしよう。それは大企業じゃないと出来ないことではない。
最初はSNSから始めれば良い。
コミュニティーは場所や国を選ばず拡大できる。

ここから、コミュニティーとともに育つ事業体が成長を始める。

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