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ソースプリンシプルを理解する〜バリュース(価値観)とは何か〜


はじめに

今回は、ソースプリンシプルにおけるバリュース(価値観)とは何か?について理解につながる内容を書いていきます。

なぜバリュース(価値観)に注目したかというと、ソースの承継プロセスについて調べていたところ、引き継がれる中心となるのがバリュース(価値観)だとは知っているものの、バリュースとは何か?についてまだまだ手触り感がないと思ったためです。

ですので、今回の記事では世界で2番目に出版されたソースプリンシプルの関連本であるトムニクソン著「Work With Source Realize big ideas, organize for emergence and work artfully with money」(日本語訳:『すべては1人から始まる――ビッグアイデアに向かって人と組織が動き出す「ソース原理」の力』)から該当する箇所を抜き出し、学んでいきます。

MVVの提唱者はドラッカー・・・ではない!?

ちなみに、バリュー繋がりでいえば、MVV(Mission、Vision、Value)と言ったビジネス用語でも使われていますね。

ここでいうvalueの定義は一体なんだろう?源流を辿れるか調べてみたところ、巷ではMVVの提唱者はピータードラッカーという記事で溢れていました。

しかし、出典と言われる書籍に当たった方が書いた記事によると、原文ではvalues,mission,visionという順番で出ている以上に、内容に関する詳しい説明はなかったそうです。また、原文ではvaluesとなっているところが、二次情報源ではsがとれてvalueとなっていることが多い模様。value(価値)とvalues(価値観)は意味合いが変わってくるため、より質感が掴みにくいですね(参照元のこちらの記事、面白いのでぜひ)

となると、いつからMVVといった順番、定義の大枠が広がっていったのでしょうね。このあたりが不明確ということは、ある種、それぞれの方が好きなように扱っているものと思われますので、特に内容は調べずにおきます。

ソースプリンシプルにおいてバリュース(価値観)とは何か?

以下の引用はいずれも、原著の該当箇所にGoogle翻訳をかけたものです。また、以下の(1)(2)という整理の仕方は私個人の解釈となります。原著は日本語訳が出版されていますので気になる方はぜひご覧ください。

(1)ビジョンの最も長期的な側面のこと

The most long term aspects of a vision are often referred to as “values”.  When you keep asking why and realise there’s no further answers to your  questions, you know you’ve got there. Many advisors recommend that values  should never be changed, that they should be set in stone. 

ビジョンの最も長期的な側面は、多くの場合「価値観」と呼ばれます。理由を問い続けて、それ以上答えがないことがわかったら、そこに到達したことがわかります。多くのアドバイザーは、バリュース(価値観)は決して変更すべきではなく、固定すべきであると推奨しています。

p108から引用

All creative visions contain a set of fundamental, subjective priorities which  stem from the deepest character traits of the source. These priorities are often  referred to as “values”.  

Following a succession, the specifics of exactly what an initiative is creating or changing in the world will evolve over time. The world is constantly  in flux, as are humans. Yet the values embedded in the creative field are far  more permanent,71 which is why they are sometimes considered to be “set  in stone”. 

すべての創造的なビジョンには、ソースの最も深い性格特性に由来する一連の基本的で主観的な優先順位が含まれています。これらの優先順位は、多くの場合「バリュース(価値観)」と呼ばれます。一連の取り組みに続いて、そのイニシアチブが世界で何を生み出し、あるいは変化させているのかという具体的な内容は、時間の経過とともに進化していきます。人間と同様に、世界も常に変化しています。しかし、クリエイティブフィールドに埋め込まれたバリュース(価値観)は、はるかに永続的であり、それが時として「固定された」ものであると考えられる理由です。

p184から引用

Even values are not truly set in stone and are subject to the impermanence that characterises everything else in the  Universe, yet values do provide initiatives with a very stable, long-term foundation.

バリュース(価値観)でさえ完全に決まっているわけではなく、宇宙の他のすべてのものを特徴づける無常の影響を受けますが、バリュース(価値観)は非常に安定した長期的な基盤を備えた取り組みを提供します。

p184から引用

(2)ビジョンとは異なり、ソースの承継に伴い、受け継がれるもの

The role of source can be passed along a line of succession through many  generations, always from one individual to another. The values of the initiative continue, while the creative vision for what is being brought into the  world evolves into a new generation. 

ソースの役割は、常にある個人から別の個人へと、多くの世代にわたる承継の流れに沿って受け継がれます。このイニシアチブのバリュース(価値観)は継続されますが、世界にもたらすものに対する創造的なビジョンは新世代に進化します。

「〜」p20から引用

Succession centres on the continuation of the values of the creative  field. The creative vision can change. 

承継はクリエイティブフィールドのバリュース(価値観)の継続を中心としています。クリエイティブなビジョンは変わる可能性があります。

p179から引用

ソースプリンシプルにおけるビジョンとバリュース(価値観)を指し示している事例

書籍の中では、バルセロナのサグラダファミリア大聖堂が興味深い例として紹介されています。

建築家のアントニ・ガウディはこの取り組みの発案者として有名ですが、彼はその最初の創設者ではありませんでした。このプロジェクトは、あまり知られていない人物、ジョゼップ・マリア・ボカベラという書店員によって発案されました。

当初の創造的なビジョンは、今日ほぼ完成した大聖堂とは大きく異なっていましたが、当初のバリュース(価値観)の重要な側面はそのまま残っています。最も明白なのは、ここがカトリックの礼拝所であり続け、カトリックのバリュース(価値観)を保持していることです。この建物は 2010 年にローマ法王によって奉献されました。さらに興味深いことに、このプロジェクトは大規模な機関から資金提供されたのではなく、小規模な寄付者からのボトムアップの支援によって行われたのです。これは、今日クラウドファンディングと呼ばれるものの初期の例です。これはソースの役割がアントニ・ガウディに引き継がれた後も続き、ガウディがバルセロナの戸別訪問して寄付を求めたという話も残っています。

<中略>

そのより深いバリュース(価値観)は存続しましたが、建築的ビジョンはほとんど認識を超えて進化し、ガウディのモダニスタ スタイルを決定づける作品となりました。 1926 年の彼の死後、そのビジョンは、強力な砲塔の設計の再構成など、より微妙な方法で進化し続けました。しかし、この建物がガウディの芸術作品であると同時に、本来のバリュース(価値観)に忠実な寺院であることは疑いの余地がありません。

p184の該当箇所にGoogle翻訳をかけたもの

さいごに

これで一応、定義的な部分は押さえることができたので、昨日投稿した「自身のソースになる体験」におけるバリュース(価値観)は何だったのか?について振り返ってみたいと思います。

また、ソースプリンシプルの関連本で今読み進めているステファンの「A little red book about source: Liberating management and living life with source principle」の中でももちろんバリュースの箇所は出てきているため、読み終わった時点でそちらはそれとしてまとめてみようと思っています。


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