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会社組織とその中に流れている様々なエネルギーについて

はじめに

2022年の春から秋にかけて、友人たちと書籍「Regenerative Leadership」について読んでいました。

書籍のChapter4には"A New Regenerative Model Based on The Logic of Life(生命の論理に基づく新しい再生モデル)"という内容が書かれていたのですが、今回は、チャプターのタイトルに出ているLogic of Life(生命の論理)関して、 7つの原則として紹介されているもののうち、「(6)Flows of Energy & Matter(エネルギーと物質の流れ)」について、そういうものがあると実感した経験について紹介したいと思います。

「Flows of Energy & Matter」とは?

こちらの原則について書かれている箇所を紹介します。(いずれもDeepL翻訳をかけたもの)

生命は流れに依存しています。

生物学的なレベルでは、生命は水、ミネラル、栄養素の流れに依存しています。

炭素、窒素、酸素、水といった地球システムレベルのマクロな流れと、地域によって異なるミクロな流れやミクロ気候があるのです。

私たちの組織やコミュニティのシステムにも同様に流れがあるということです。これらの人間のシステムは、情報の流れ、資源の流れ、関係的および心理的なエネルギーの流れ、目的と意味の流れといった活力とともに自然界に存在する生物学的生態系の流れに依存しています。

私の体験談

私が組織というシステムにおいて流れを感じた機会はいくつかあるのですが、ここでは関係的・心理的なエネルギーの流れが弱くなったことについて紹介します。

40名規模ぐらいのスタートアップにいた時のことです。私は営業部門に所属していました。規模が急拡大していき、営業部門だけが丸ごと新しいオフィスに移りました。

その後、売上が低迷した時期に何とか回復させるために、それまで出席できていた全社会議への出席よりも営業のアポイントが優先されるようになったり、スケジュールの組み方自体も余白がなくなり、仲間とのちょっとした雑談の時間も取れなくなっていきました。

その結果、本社との流れが弱くなったように感じ、全社の中では営業部門が、営業部門の中でもチームごとに、孤立したような感覚になっていったのです。

また、私もその状況になって数週間経ってから明らかに自分の活力(エネルギー)が枯渇しやすくなったと感じました。

もちろん、やることはやるのですが、組織の中で自然と得られていた燃料を自分の人生から持ってこなければいけないという感覚でした。(そもそも、その会社に入った理由・目的がありましたので、働く活力が人生から供給されていたのですが、その前まで組織の中でも得られていた活力、その供給源が一気にパワーダウンした感じ)

この感覚が続くと、明確な意志を持って働いている人の場合は、組織が自分が得たい経験が得られる限りは所属し続けますが、それが満たされたり得られないことが分かった時点でやめてしまうだろうなと思ったことを覚えています。

この状態は、別の本の内容になりますが、書籍「ティール組織」でいうホールネス(全体性)が土台にないセルフマネジメント(自主経営)は、このある種、殺伐とした感じというか、取引的な空気が流れているようなものだと思えます。

言い換えれば、個人と組織が道具的(非生成的)な関係になってしまっていると言えるでしょう。

もちろん、いるメンバーがそういった価値観であれば問題ないと思いますが、私たちのチームはそうではなく、応援し合おうという価値観の人たちが集っていたので完全にミスマッチな状況に陥っていました。

また、もう1つ、意思決定プロセスにおいても、循環ではなく、一方通行が続きました。

その結果、ハイパフォーマーも何名かまとまって辞めてしまいました。

違うコンセプトの用語を持ち込むと混乱させてしまうかもしれませんが、ティール組織用語でいうホールネスとセルフマネジメントという2つのレイヤーにおける循環不全が関係の質も悪化させ、ある種の内部崩壊を導いた、と言えるでしょう。

さいごに

この時の経験は、大袈裟にいえば栄枯盛衰プロセスを体験したと言えます。今回、「ティール組織」というレンズを紹介しましたが、その探究実践を続ける中で出会ったソースプリンシプルというレンズで同じ事象を捉えてみると、また違った学びが得られそうだなと思いました。今度やってみよう。

ソースプリンシプルについて書いた記事はこちら。

そもそもの題材だった「Regenerative Leadership」が気になる方はこちらから。


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