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書籍「LIFE SHIFT」の個人がシフトを成功させるためのポイントを抜き出してまとめてみた。個人的補足つき。


はじめに

新型コロナウイルスにより不要不急の外出自粛が求められていますね。
(2020年4月に書いた記事です。)
 
大変な状況ではありますがそんな時こそ、自身を深く見つめ将来をデザインし直す、言い換えれば自分のライフシフトに投資するいいチャンスだと思っています。
 
私は以前、書籍「LIFE SHIFT」の中から個人がLIFE SHIFTを成功させるためのポイントの抽出しまとめたことがあります。

今回は、書籍から引用したそのためのポイントと私の経験に基づく補足を加えたものを記事にしました。

ちなみに、私にとってこの書籍は、今後必要になってくる人生のシフトに備えて変身資産を増やしていきましょうという提案をしている書籍に思えました。
 
まさに今がそのタイミングだと思いますので参考になれば嬉しいです。

前提となるお話

これから、私たちの寿命が伸び、100年生きる時代になっていく。

ソレに伴ってどんな変化が起こるのか。

今までの私たちは、教育→仕事→引退という人生の3ステージに沿った社会構造の中を生きてきたが、みんなが一律にその3ステージを進む時代はもう終わり、新しいマルチステージへの移行がどんどん進んでいる。
 
マルチステージでは、私たちは1つのキャリアではなく、2つ3つ、それ以上のキャリアを持つことになる。
 
だから、個人レベルの移行(シフト)が誰しもたくさん起こる。
※他にもたくさん書いてありますが省略。

人生でシフトが起こるタイミング

(1)外的要因によるケース

→勤務先の企業が倒産。

MY補足)本には書かれてないですが、身近な人の病気や本人の病気、災害なども当てはまる。

(2)自発的に変わろうとするケース

MY補足)現状に対して何かしらの違和感を感じたり、不安を感じることから始まる。

上手にシフトするために大切なこと

このシフトを乗り越えるだけではなく、スムーズに進めるために必要なこととして挙げられているのが変身のスキルを持つことです。

変身のスキルとは?

【内側】
柔軟性と適応力
新しい知識
新しい思考様式
新しい視点

【外側】
新しい人的ネットワーク

シフトを成功させるためのカギ

また、シフトを成功させるためのカギとして以下の3つについて紹介しています。

(1)自分についてある程度理解していること

(2)活力と多様性に富んだ人的ネットワークを持っていること

(3)行動すること

順番に紹介していきます。

(1)自分についてある程度理解していること

ある程度ってどの程度?というツッコミが湧きました 笑

具体的には、

「なにが自分にとってうまくいくのか、自分が何を楽しく感じ、
なにに価値を見出すのか、なにが自分という人間と共鳴するのか」

を知ることだそうです。またこのようにも書いています。

「自分のことをよく理解し、学ぶためには
ほかの人たちに意見を求め、寄せられた意見について
内省すること
が有効。
 
しかし、普通に内省し
自分と世界についての認識に新しい情報を加えるだけなら
誰でもできる。」

だからこそ、新しい情報を加えるだけでなく自己認識と世界の見方をどちらも変更することを内省のオススメとしています。
(→簡単に書いていますがこれが簡単じゃないんですよね。)

MY補足)自己認識と世界の見方については成人発達理論というジャンルが理解を深める補助線になるかもしれません。

また、この本では「ありうる自己像」という表現が出てきていて、私は

内省を進めていく

「ありうる自己像」と出会う

このビジョンがライフシフトを押し進める上での方向性を導くコンパスになる

と読み取りました。

また、この自己認識と世界の見方のどちらもが変わるきっかけになるのが次に出てくる多様性に富んだ人的ネットワークに触れることだそうです。

(2)活力と多様性に富んだ人的ネットワークを持っていること

書籍ではこのようなことが紹介されています。

このネットワークを持っていることで、自分がどのように変身するかについて多様なロールモデルやイメージやシンボルを得られる

だから、このネットワークは重要なカギとなるのです。
そして、このネットワークから、

ロールモデルになり、意気投合できる人物、自分と同様に移行を経験した人物を探すことになる。

そうした人物を通じて、新しく踏み出そうとしている世界の流儀を学んでいく。

とのこと。私の解釈としては、その結果として、上記の2つの見方が変わるということでしょう。
 
なお、この変身は1人ぼっちではできないし、たいていは、昔と同じ友だちグループの中でも実現しないそうです。

むしろ、ここで言う人的ネットワークはそれまでの仕事上のネットワークや
プライベートの心安らぐネットワークとは異なる場合が多いのです。


なぜなら、それらのネットワークは、これまでの自分を支えてくれているものであり極端な言い方をしてしまえば、過去の繰り返しとなるからです。
 
また、ライフシフトのタイミングではそれらのネットワークが障壁になることもあるそうです。

その理由は、親が思いやりだと思って子どもの選択に反対するようなイメージ。「お前らしくないじゃん!」「寂しくなるなぁ」と言われて、「みんなに何か悪いなぁ」と変な罪悪感を持って先に進めなくなるイメージ。

だからこそライフシフトにはある種の別れが伴うとも言えるのではないでしょうか。
 
また、ライフシフトはそれまでのつながりの濃さからではなく、薄いけれど、何か気になる誰か・情報から始まります。

そういう意味で、Facebookでゆるく繋がっている繋がりなどは大事だと思います。

MY補足)日頃からピンときたところに足を運んで体験することそこで人と繋がることが、多様性に富んだ人的ネットワーク形成に直結していると個人的には思います。

今のタイミングでは自分の興味のあるオンラインイベントに参加し、そこで全国に新たな繋がりを作ることがオススメです。

この行為自体は、この本の中で語られている変身資産への投資にあたるそうです。

※変身資産とは何か?

変身資産とは何かというと、著者は私たちが持つ資産をまず有形資産無形資産に分けています。

有形資産とは、不動産などのモノのこと。
無形資産とは、以下の3つのことであり、変身資産とはその中の1つです。

変身資産
自分についてよく知っていること
多様性に富んだ人的ネットワークを持っていること
新しい経験に対して開かれた姿勢を持っていること


・生産性資産
仕事の生産性を高め、所得とキャリアの見通しを向上させ、
所得を増やすのに役立つ。スキルや知識など。

・活力資産
肉体的、精神的な健康と幸福。友人関係、家族関係など。

著者は、余暇時間の過ごし方についてレクリエーション(娯楽)からリ・クリエーション(再創造)、言い換えれば変身資産へ投資することを勧めています。
 
MY解釈)レクリエーションとは例えば仕事の疲れを肉体的に、精神的に癒す意味合いが強いと思われます。これが悪いという訳ではないですが、その繰り返しだけではマイナスをゼロに戻すだけで、変身資産をは蓄積されず、ライフシフトの際に苦労するということでしょう。

(3)行動すること

その上で新しい経験に対して、開かれた姿勢を持っていること。
 
この開かれた姿勢というのはライフシフト期において一貫して重要なものですが書籍では詳しく書かれていません。
 
そのため、MY補足として、この姿勢への理解を深めるために2つの先人の知恵を紹介します。
 
1つは、マインドフルネス。マインドフルネスとは何か?以前書いたこの記事でも紹介しましたが、

「意図をもって、評価判断せず、今この瞬間に完全に注意を向けている状態、心のあり方」「能動的に、できた・できないというジャッジはせず、ただ今の瞬間に注意を向けている状態」

ということです。
 
もう1つは、U理論。U理論とは何か。急に難しくなるかもしれませんがご了承ください。

マサチューセッツ工科大学 スローン校 経営学部上級講師であるC・オットー・シャーマー博士によって生み出された、「過去の延長線上ではない変容やイノベーションを個人、ペア(1対1の関係)、チーム、組織、コミュニティ、社会のレベルで起こすための原理と実践の手法を明示した理論」です。

こちらのサイトより引用

この理論では、全部で7つのステップがあるのですがそのうちの以下の3つが補足になりうると捉えています。

(1)閉ざされた姿勢

ライフシフトでオススメされている姿勢と逆の姿勢のことです。これは、U理論で言うステップ1「ダウンローディング」だと思えます。

ダウンローディングとは
「過去の経験によって培われた枠組み」の内側で、自分の思考や意見などが再現され、その思考や意見に意識の焦点が当たっている。すなわち、それに意識が奪われている状態を指しています。この状態が継続すると、あたり障りのない態度は繰り広げられるものの、自分の枠組みに合わないものは自動的に排除してしまっていたり、反応的な態度を取ってしまったりする状態になる

一方で、開かれた姿勢は以下の2つのステップに関係があると捉えています。

■ステップ2: 観る(Seeing)
 
頭の中で起きている雑念に意識を奪われず、目の前の事象、状況、情報に意識の矛先が向けられている状態


■ステップ3:感じ取る(Sensing)

過去の経験によって培われた枠組みが崩壊し、
枠組みを超えた側(他者など)から今の自分や状況が見えている状態をさします。
 
これまでの自分の認知に影響を与えていた枠組みが転換する状態になることから、まったく新しい感覚で状況を捉えることができるようになり、奥行きを持って感じられるようになる。
 
いずれも、こちらのサイトから引用。

何となくイメージは掴めるでしょうか。閉ざされた姿勢と開かれた姿勢の違いについて簡単な図にしてみたものがこちらです。(書籍「U理論入門」参照)

□が思考のイメージ。(ちなみに右の図は囚われるという漢字をイメージしています。漢字ってすごいですよね。左の図で□の上に乗っていること自体に意味はないです。□から出ているということがポイント)

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いずれにしても、知識ではなく行動なので実際に体感してみないと掴みにくいと思います。

LIFE SHIFTとは?変身のスキルに個人的に付け加えたいもの

最後に、私はLIFE SHIFTで言うところの変身、シフトというのは「成長」ではなく「変容」と捉えています。
 
成長とは、何かが上達する、大きくなるというイメージ。
 
一方で、変容とは、変わる容器と書くように、成長したい私そのものの前提が変わるイメージです。
 
だからこそ、自分の思考ではなく、感情、あり方といった領域にアプローチしていくことが欠かせないように思います。
 
そして、その領域へのアプローチをスムーズにするために大切なことは身体知性を発達させていくことだと思っています。
 
なぜならば、現代人の多くは身体の感覚が衰えていて、思考が優位になりすぎているからです。

その状態では、感情、感性へのアプローチがしにくくなります。
 
なので、私は「変身のスキル」に「身体を整える、磨く、鍛えること」を勝手に付け加えたいと思います。

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