見出し画像

コーチングがなぜ属人的になるのか?

みんな、お疲れ。全裸コーチだ。

最初はハロウィンの全裸監督のネタで撮った写真だけど、常に心を全裸にして生きると言う戒めで、全裸コーチという名前はとっておいてることにしてる。
https://www.instagram.com/p/CVsid4uPQQk/?utm_source=ig_web_copy_link

今日はコーチングを含む、「人の心を扱う対人支援」がなぜ、俗人的になるのか?について書いておこうと思う。
特にコーチング、カウンセリング、サイコセラピーなど、「答え」を渡さないスタイルのやつの話。

1.なぜ俗人的になるのか?その根底にある理由

結論から言うと、職人的な「対話の技術」以上に、その人の「存在」の力によるものが大きいから。

コーチングやカウンセリング、サイコセラピーなどはやってることやアプローチが違うんだけど、土台として共通するのは、
その人の「存在そのもの」が非言語情報として相手に伝わり、対話やプロセスの「場」を創り出すというところ。

極論、コーチングでも、引き出す技術がなくったって、圧倒的な存在の力をもった人が、
「お前は本当はどうしたいと思ってるんだ?」
「そうか、それがやりたいなら、やればいいじゃないか。」
「お前ならできるだろう?私は、お前がそれをできるということを知っているよ。」

だけで、コーチングとかは終わりなんだよなあ。
圧倒的な存在を持った人が、「お前はどうしたいんだ?」って言ってくると、逃げられないんだよ。
逃げたり誤魔化したりできずに、本音が出てしまう、ってことが起こりうる。

たまにいるでしょ?対面した瞬間に、「あ、この人の前では本音しか通用しないな」っていう、存在そのものでコミュニケーションしてくる人。
もしくは、「あ、この人の前ではどんな自分を出しても大丈夫なんだな」って、存在しのものが安心させてくれるような人。そーゆー人達のこと言ってるよ。

2.大枠で見るセッションの構成

でさ、大体、コーチングやカウンセリング、セラピーをやることを、セッションって呼ぶことが多いんだけど、セッションの構造は3つで構成されてて、それはコンテキスト、プロセス、コンテンツ。

・コンテキストは「場」であり、背景や文脈、もっと言えば「世界観」や「人間観」。
・プロセスは「過程」「技法の進行」、その場で起きる全てのこと。
・コンテンツは「内容」「何を話すか?」のこと

で、コンテキストの上にプロセスがあって、プロセスの上にコンテンツがあるって構造な訳だ。
「場」の上に「過程」があって、「過程」の上に「内容」があるってことね。言われてみたら当たり前でしょ?

だから、そのセッションを受けるクライアントの中でどんなプロセスが起きるか?って言うのは、
その土台になるコンテキストが全て、つまりセッションギバー(コーチ、カウンセラー、セラピスト、ファシリテーター)の「存在」であり、世界観、人間観なんだよ。

セッションギバーの「存在」そのもの、世界観、人間観で、クライアントの中で起こるプロセスは大きく左右されるんだよね。

つまり、素晴らしいコーチ、カウンセラー、セラピスト、ファシリテーター達、つまり「心を扱う職業」の人たちは、他と何が違うのか?っていったら、このコンテキストであり「存在」そのものが違うのよ。
これが、人によって、再現不可能な部分であり、「技術」じゃないってところなんだ。

じゃあ、この「存在」の力ってどうやって鍛えるの?ってところを話そうか。

3.人の心の構成

人間の心には4つの層があるって吉福さんという日本にトランスパーソナル心理学を持ってきたセラピストがおっしゃっていて、なるほどなあ、こうするとめっちゃ簡単に見れんなあって思ったから使わせてもらうんだけども。

1.思考の力
2.情動の力
3.存在の力
---------------
4.関係性の力

って、なってるって言ってんのよ。シンプルすぎてマジで神。

で、頭でごちゃごちゃやる「思考」ってやつの、その起点は、その元になる「感情、情動、情念」なんだよね。

多くの人が勘違いしているのが、「思考」が先で、「情動」が後って思いがち。
こーゆー感情になるのは、こんな出来事があったからだって、思ってる人いない?

違うんだよ。

「情動」が先で、「思考」はあとなんだよ。
先に「情動」と言う結論があって、Before/Afterの差分を埋めるために「思考」で出来事の意味づけを作り出しているんだよ。

つまり、

「嫌なことを言われて、悲しくなった。」

のではなく、

「悲しい。これは嫌なことを言われたからだ。」

な訳だ。つまり、「嫌なことを言われた」は「現実」でもなんでもなく「妄想」なわけだ。
何かを言われても、「悲しい」っていう情動になってなければ、「嫌なことを言われた」という出来事は生まれてないわけだからね。

伝わってるかな。伝わったらいいな。

つまり、「思考」なんて言うのは、「情動」と言う結論ありきな訳だ。
既に自分の中で答えや目的地、着地点は出てて、そこに「思考」で後付けしてるだけ。
これが心の仕組みな訳ですよ。
だからね、「思考の力」以上に、鍛えるべきは「情動の力」なわけだ。

で、じゃあ、「情動の力」は何に支えられているかというと、お察しの通り「存在の力」な訳。
「存在の力」つまり、人としての器が大きくてしっかりしてたら、その上でどれだけ情動が暴れたり揺さぶられたりしても、最後は、「まあでも何があっても大丈夫」ってどっしり構えてられるわけよね。

4.存在の力とは?その磨き方は?

この「存在の力」と言うのは、その人の「人間としての器」であり、「存在感」だったりするわけだ。
ここの器が深く、しっかりしてると、2の感情や情動に振り回されないし、人の情動もしっかり受け止めることができて、振り回されなくなるんだよ。

もう一回言うよ。
「存在の力」が強くなると、自分、そして他人の「情動の力」に振り回れなくなります。

で、最後の4番が「関係性の力」なんだけど、これは、他の3つと違って、「存在の力」「情動の力」「思考の力」の全てに影響を与えていく土台なんだ。
あ、なんか話がそれてきたから、この「関係性の力」の解説はまた今度にしておく。

さっきも言った通り、今回は「存在の力」にフォーカスしていきたいのよね。
で、吉福さん曰く、それぞれの力がどうやって育っていくかと言うと

1.思考の力←情報・知識
2.情動の力←印象(他の存在との思考を挟まないコンタクト)
3.存在の力←アイデンティティの破綻
---------------
4.関係性の力←別れ

なんだよね。
頭でっかちって、つまり「情報・知識」を入れすぎて、「思考の力」だけが育って、その下の「情動の力」「存在の力」が全然育ってない人のことを言うんだよね。まさに昔の自分だな。まあそれは置いておいて。

で、この3番目の「アイデンティティの破綻」こそが、その人の「存在の力」を高めるって言ってるんだよね。なるほどなあって思ってさ。確かに自分の実体験も踏まえて本当そうだなって思う。

これの「アイデンティティの破綻」は具体的に何を指すか?って、
どれだけ「自分」を手放してきたのか?と言うことなんだよ。

これはトレーニングでできることじゃないんだよね。
授業で教えることもできないし、長い時間かけて心の修行をしても存在の力が着くとは限らない。
精神論でやっても無理をするだけで、自我肥大が起きるだけかもしれない。

だって、これは人生そのものだから。

このアイデンティティの破綻は人格的なアイデンティティではなく、社会的なアイデンティティの破綻のことを指していて。社会の中での役割や、社会の中での自分の在り方などを破綻させると言うこと。

例えば、「仕事を辞める」ってこともある意味では社会の中での役割を手放すことなので、アイデンティティの破綻なんだけど、この時大事なのが、「次を決めないで辞める」「次の予定も計画もなく、ただ辞める」なんだよ。その空白期間と言う闇に自らを身投げする。これが大事。

次が決まってる転職なんて、社会の中でのやり方も手放してないし、在り方も対して変わってない。
ただの現状の延長であって、身投げでもなんでもない。

そういった社会の中での自分の役割や在り方を一度完全に手放すことに、「自分にとっては一寸先は闇」であること、それこそが破綻であり、「存在の力」が育つ。

逆に「社会的な成果をあげた人たち」で「存在の力」が物凄い人がいるけど、全員が全員そうではないのはなぜか?ってのも説明できるよね。
それは社会的な成果をあげる過程で、たくさん自分の社会的なアイデンティティの破綻を経験してきた人が、「存在の力」がすごいのであって、そこが伴わずに数字を伸ばしてきた、そういった成功体験をあげてきた人は、逆に自我が肥大化して、自己への執着がさらに強まってるだけ、と言うこともよくある。

いっぱいいるでしょう?
創業社長やガチ起業家にはあんまりいないけど、エリートサラリーマンはそーゆー人多いと思うよ。

つまり、「どれだけ自分を手放してきたか?」こそが、「存在の力」を高めることに繋がる。
コーチング的に言えば、どれだけ自分の「現状の外側」に向かうために、「自分のアイデンティティ」と言うものを手放してきたか?なんだ。

これはね、苦しいよ。だって「自我」の働きは「現状維持」だからね。
いくら、認知科学的にコンフォートゾーンごと移行させるって言ったって、不安は残るからね。笑

北極星だけは見えていて、手前の道筋は全く見えない。
「やり方も道筋もわからない闇の中に身投げする」くらいの感覚あるよ。

オレの実体験だと思い当たるの4つくらいあるけど、ここにあげると長くなるからその話はまたいつか。
多分みんなにも多かれ少なかれあると思う。

5.これが再現が難しい理由

で、これが、「素晴らしいセッション」の「再現が難しい」理由なんだよ。
セッションのコンテキストには、その人の「存在そのもの」「生き方そのもの」が、土台にあるから。

扱うものが「機械」でも「料理」でもなく、「人の心」そのものだから、難しい。技術も必要だけど、技術だけでは無理。
大切なのはコンテキスト(存在で創る場)であり、その上にプロセス(技術を使ってプロセスを促す)があるからね。
その上にあるコンテンツ(具体的にどんなセリフを言うか?とか)なんて枝葉の枝葉だよ。

と言うことで、今回は自戒を込めて書いてるんだけど、対人支援に興味がある人は「存在の力」を高めていこう。どんどん「自分」と言うものを手放していこう。

「全く想像できない未来に身投げする」

これだけでしか、自分の「存在」を鍛えることなんかできやしない。
コーチもカウンセラーもセラピストもファシリテーターも、なんなら「人」にエンパワーメントしたいと願う全ての人たちへ、種類やアプローチは違えど、「人」を扱うときに通底して必要なのは「存在の力」だ。

自分と言うものを手放していこう。身投げしていこう。

それでは最後にアンソニーロビンズの「存在の力」を見てみましょう。

追記
エガちゃんの「存在の力」も追加しました。
エガちゃん最高。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?