澤正輝 | Life is Jazz

ダイアログデザイナー/ファシリテーター | Purpose: Cultivating …

澤正輝 | Life is Jazz

ダイアログデザイナー/ファシリテーター | Purpose: Cultivating cycles of peace and harmony through facilitation and cross-cultural dialogue

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「共に在り、共に学び、共に創る」という関わり。「挑戦の島」隠岐島前から開く、「技法以前」の伴走論

■ ──「伴走」という言葉が公用語になってきています。これがどうして社会に広がり、求められるようになってきたのか。その背景をどう見ているかを聞かせてもらえますか? 澤正輝(以下、澤):学校でいえば先生と生徒、会社でいえば上司と部下とわかれていますが、その関係性そのものが揺らぎはじめているんでしょうね。 これまでであれば、先生や上司は「正しい人」であり、より多くの情報や知識を持っていたり、より豊かな経験を持っている人だったりしました。持てる人と持たざる人という固定された関

    • 【読書記録】坂本龍一・福岡伸一『音楽と生命』

      これは、読書した中から残しておきたい文章を書き残しておく、個人的な記録をまとめたものです。 □ 坂本:以前の僕はピアノをとても厳密に調律していたんですが、あるときから、人工的に作られたピアノを元の自然に戻してあげたい、ピアノに自然の「もの」としての音を出させてあげたいと思うようになって、調律することをやめたんですね。もちろん音程は狂いますが、そもそも音程というのは人間が勝手に決めたというだけで、自然の音としては別に狂ってないわけですから。(26頁) 坂本:江戸時代に三浦

      • 【読書記録】アーノルド・ミンデル『プロセスマインド』

        これは、読書した中から残しておきたい文章を書き残しておく、個人的な記録をまとめたものです。 □ プロセスマインドが実演化される量子の劇場の中では、「私が在るのはあなたが在るからです」といったような対称的な発言は、生き生きとした関係性のプロセスになる。そこでは「私」と「あなた」はもはや分離した二つの部分ではなく、いわば私たちは二つの場所に生起した一つのものとなる。プロセスマインドの経験によって、私たちは万物への距離と同時に、万物との親密な身近さを理解する。プロセスマインドの

        • 【気ままに書評】愛猫をかわいがるように自分の感情をめでる。

          「今の時代、多くの人が人間関係に疲れているように見えますが、本当は人間関係ではなく、自分の感情に疲れているのです」。これにどきっとした人は吉武大輔『ネガティブ感情向き合い練習帳ーイライラ、モヤモヤ、自己否定感がみるみる消えていく』を読んでみるといいかもしれません。 著者の吉武さんはアクセス・リーディング協会の代表理事をしており、4冊目の著書になります。また、山口県長門市で2020年から人・社会・自然が調和した循環型ライフスタイルをつくるコミュニティ「俵山ビレッジ」を切り盛り

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        「共に在り、共に学び、共に創る」という関わり。「挑戦の島」隠岐島前から開く、「技法以前」の伴走論

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        • 伴走
          3本
        • This Is You
          3本
        • 未完成に生きたいぼくは芸大に通うことにした。
          6本
        • ハイライト | 今週なにしてた?
          6本

        記事

          【気ままに書評】コモンズ論の基本書

          山本眞人『コモンズ思考をマッピングするーポスト資本主義的ガバナンスへ』は、上記のような問題設定で書かれた本です。著者の山本さんは需要研究所の代表をしており、『宇宙卵を抱く』(2011年)や『西表島・紅露工房シンフォニー』 (2019年)などの著書があります。本書は『宇宙卵を抱く』の続編に当たり、「二十一世紀の希望のもてるシナリオで単なる夢物語ではなく実現可能性のある」(408頁)シナリオを導き出す意欲作です。 近年、コモンズへの関心が高まり、その可能性を探ろうとしている世界

          【気ままに書評】コモンズ論の基本書

          半径500mという秘境

          京都に来たら読んでほしいフリーマガジンに出会った。 ハンケイ500m。 あるバス停から半径500mを歩いてまわり、「職人」気質の方を取材し、巻頭で特集する、本物を知る「京都人」のためのローカルメディアだ。例えば最新号のvol.67では、市バス「河原町正面」から半径500mを舞台に、5人の方が特集されている。 これがまた読ませるのだ。 紹介されている方に会いにいきたくなるし、オリジナルの半径500mをやってみたくなる。 そう。このフリーマガジンは「半径500mのすすめ

          半径500mという秘境

          【京都での初登壇!】たまには人生のアルゴリズムを揺さぶってみよう!

          5月26日、Fab Meetup Kyotoで登壇します。西粟倉むらまるごと研究所のなおこさんにロフトワークのもめさんを紹介してもらい、そのもめさんに田根さんを紹介してもらうというバトンリレーで、ロフトワーク京都を訪問したその日にお誘いいただきました! 10分間の話題提供のテーマは「人生のアルゴリズムー予定通り、予定外」。人生の予定調和を揺さぶり、新しい可能性を開くために京都に移住した話を入り口に、いま考えているホットトピックをあれこれお話させてもらおうと思っています。

          【京都での初登壇!】たまには人生のアルゴリズムを揺さぶってみよう!

          300文字作文、はじめます。

          今日から300文字作文(#300moji)をはじめます。 数年前の風越コラボで出会い、いまはNewsPicks Educationでご一緒しているまーぼーさんに紹介してもらったもの。さらりと書いたけど、時間差でのこのつながりはすごいことだと改めて思う。 300字が字数として長いのか短いのかはまだわからない。 (昨日届いたKATARUTAを1枚引いてみた)「いつもは」言葉にしないことを表現する喜びはすでにあるから、大切なのはたぶんドラフティング、つまり、下書きレベルの原液

          300文字作文、はじめます。

          右脳も左脳も伴走者には必要だ。五感で感じ、関わりの中で「本物」を目指したい。

          ■ 高橋恭子先生(以下、高橋):私の中では、伴走は「共に走る」というよりも「関わりing」という、beingに近い感じなんですよね。色んな生徒や先生、地域の人たちが一緒に学びあい、わくわくするような感覚を、関わりの中でつくっていきたいんです。 澤正輝(以下、澤):なにやらこだわりがありそうですね。 高橋:見ていたい、聞いていたいというのはもちろんあるんですけど、触り心地というか、香りや匂いといった五感で感じたことを大切にしたいんですよね。 みんな主観で生きているじゃな

          右脳も左脳も伴走者には必要だ。五感で感じ、関わりの中で「本物」を目指したい。

          伴走者にはアンラーンが必要だ。

          伴走者は、リセットする 廣田拓也(以下、廣田):いきなり本題ですが、澤さんはどうして伴走者にアンラーンが必要だと思ったんですか? 澤正輝(以下、澤):相手ごとにアプローチを変える必要があるからです。さらにいえば同じ相手でも今日と明日では違うので、アプローチも柔軟に変えていく必要があると思っています。誤った理解で関わってしまわないように、すでにフレッシュでありたいです。 廣田さんはいかがですか? 廣田:伴走する前提として、相手が変容することがあるんです。相手が変わり続け

          伴走者にはアンラーンが必要だ。

          その町を訪れるのに

          醤油一本あれば十分だ。 この年末年始、とても気になる醤油に出会った。岡本醤油のだし醤油。一緒に旅した友人からいただいたもので、聞けばそれは大崎上島町からやってきたそうだ。 大崎上島町は遠い町だった。物理的にではない。「いつか行きたいね」と思っていたけど、その「いつか」がなかなか埋まらないという意味で、遠い町だったのだ。 その距離が醤油一本で一気に縮まった気がする。煮こみ料理での美味しさに魅せられ、気づけば「岡本醤油」と検索していた。 岡本醤油醸造場のことを取材した「職

          その町を訪れるのに

          場をほぐし、価値観を解ぐし、関係性を祝ぐす

          2021年12月11日(土)、隠岐諸島の看護師さんや保健師さん向けの研修会で講師(ファシリテーター)をさせてもらいました。 テーマは「心のスペースを空けることー忙しく働いている自分や周りをいたわり、関係をほぐしていくー」。一言でいえば「関係をほぐす」ことがテーマでした。 担当者との事前の打ち合わせから設定したものでしたが、偶然か必然か、ぼくがいま大切にしているテーマと重なりました。そこで、この研修会を踏まえながら「関係をほぐす」ことについて対話的に深めてみたところ、あるキ

          場をほぐし、価値観を解ぐし、関係性を祝ぐす

          誰もが探究的な学びのつくり手になれる

          2021年12月24日(金)、京都府舞鶴市の小・中学校の先生方向けの研修をオンラインでさせてもらいました。 テーマは「探究的な学びをいかに推進するかー隠岐島前高校の実践をヒントにー」。探究的な学びを理解することにおさまらず、現場でのつくり手になることをみすえながら、90分の研修を宮野さん(隠岐島前高校コーディネーター)と2人でおこないました。 今回はその様子をダイジェストでお届けします。「探究」と聞くとつい身構え、漠然とした不安感を感じることもありますが、そんな人にこそ読

          誰もが探究的な学びのつくり手になれる

          いまこの瞬間まで持っていた“僕”を、音も出さずにスッと置いて、心のままにサッと次の“僕”を探しにいってそう。 | This Is You | #3

          「澤さんってどんな人ですか?」 「This Is You」はこの質問に思い思いにこたえてもらう企画です。 「今日も黄色ですね」「まるでシェイカーですね」「地に足がついた未来人ですね」など、これまでもいろんな紹介をしてもらってきました。その度に発見があるんですよね。驚きもあるんです。 そこで「もうちょっと聞いてみよう!」とはじめたのがこの企画です。 今回こたえてくれたのは猪原聖さん。大人の島留学生として島にやってきています。土壌学を学んでいる大学院生でもあり、"Play

          いまこの瞬間まで持っていた“僕”を、音も出さずにスッと置いて、心のままにサッと次の“僕”を探しにいってそう。 | This Is You | #3

          ストーリーテリングは思いやりなんですよ。 | 未完成に生きたいぼくは芸大に通うことにした。 | ある芸大生の雑記録 | 210920 | #6

          今年4月に新設された京都芸術大学芸術教養学科イラストレーションコースに入学してから6ヶ月。仕事を続けながらオンラインで学んでいます。8月から記録に残すことを始め、今日はその6回目です。今回もさっそくはじめていきましょう! ■芸大生ライフ9月は「イラストレーション演習III-1 | ビジュアルストーリーテリング」を受講しています。講師は栗田唯先生。ビジュアルだけでストーリーを伝える手法を学ぶ科目です。全6回のうち今週は第5回、第6回を学びました。 ■ 「ストーリーテリング

          ストーリーテリングは思いやりなんですよ。 | 未完成に生きたいぼくは芸大に通うことにした。 | ある芸大生の雑記録 | 210920 | #6

          幸せな瞬間に立ち会わせてもらいました。 | ハイライト | 今週なにしてた? | 210911-210917 | #6

          13日(月)にジェネレーターの秘密基地・We are Generatorsのオープニングイベントに登壇させてもらいました。みつかる+わかるがはじめた新しい学びのサロンで、そのトップバッターとして「ひとと学びをつなげるジェネレーターのあり方」をテーマに話題提供させてもらいました。 実は直前までそわそわしてました笑。でも、Zoomのリンクを開き、市川さん、原尻さん、豊田さんそれぞれの顔を見たとたん、「なんて幸せな瞬間に立ち会わせてもらっているんだろう...!」と満たされてしまい

          幸せな瞬間に立ち会わせてもらいました。 | ハイライト | 今週なにしてた? | 210911-210917 | #6