ストーリーテリングは思いやりなんですよ。 | 未完成に生きたいぼくは芸大に通うことにした。 | ある芸大生の雑記録 | 210920 | #6
今年4月に新設された京都芸術大学芸術教養学科イラストレーションコースに入学してから6ヶ月。仕事を続けながらオンラインで学んでいます。8月から記録に残すことを始め、今日はその6回目です。今回もさっそくはじめていきましょう!
■芸大生ライフ
9月は「イラストレーション演習III-1 | ビジュアルストーリーテリング」を受講しています。講師は栗田唯先生。ビジュアルだけでストーリーを伝える手法を学ぶ科目です。全6回のうち今週は第5回、第6回を学びました。
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「ストーリーテリングは思いやりなんですよ」
栗田先生は口癖のようにこれを語ります。「無意識でもオーディエンスにストレスをあたえない」ためにストーリーボードづくりはとても大切で、第5回では1時間かけて解説してもらいました。
ストーリーボードを書くと全体図が見えるんです。ビジュアルで見せることができるんです。テンションが上がるんですよ。インスピレーションもわいてくるんです。
たくさんの実例を紹介してもらいながら、受講生はストーリーボードの大切さを学んでいきます。
作ったら終わりじゃないのもおもしろいところで、「臨場感があるようにピッチするんだよ。リズムとか、フローとかを大事にしながら、なりきってやるんだ。何度も繰り返しながら、だんだん完成に近づけていくんだよ。」と、いつものように熱がこもった声をききながら、いつしか手を動かしている自分がいました。
■9月の特集「柳宗悦」
今月の特集は「柳宗悦」。「民藝」を代表するひとりです。『柳宗悦コレクション』(全3巻)をテキストにしながら学びを深めています。
今週は『コレクション』より「私の念願」(3巻)と「安心について」(3巻)を重点的に読みました。
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「観察」が注目されはじめてますが、「私の念願」と「安心について」のテーマはまさに「観察」です。「観察」の代わりに「直観」という言葉がつかわれますが、そのエッセンスは同じです。
「私の考えでは美の問題が今日紛糾するのは、主に概念の道から論じ立てられ、為に直観が蔽われて、真理の姿が見難くなったのではないかと思う。」(66頁)
という課題意識のもと、「物に就て語る」ことを説きつづけます。
「直観力を邪魔するものが、この世には中々多いからである。直観と云うのは平たく云えばじかに観る謂である。自分と物との間に介在するものがあっては、直観が曇る。」(67-68頁)
と純粋に直観することの難しさに寄り添いつつも、「美しさとは何かと云うことより、どんなものが美しいのか具体的に分かることの方が、もっと大事なことだ」と説き、次のような厳しい言葉も書き遺しています。
使えないと云う言葉を美しい物の前で放つのは、物自身への否定であるよりも、使い得る力がその人にないことへの肯定とも云えよう。(77頁)
前回紹介した「「見ること」と「知ること」」(2巻)と「直観の自由」(2巻)と合わせ、「観察」や「直観」について学ぶならまずはこの4つ!と断言します。
■Art in Focus !
雑貨を集めるように、ぴくりと心が動いたものをコレクションしています。今回はこちら。
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0919 | 忘れられないのに忘れてしまった本があるんだよ。木下晋さんの『祈りの心』という本なんだ。この本のひとつひとつの鉛筆画のことはよく覚えていたんだけど、著者の名前も本の題名もどうしても思い出せなかったんだよね。なのに昨日、ふと思い出したんだ。それがこの本。不思議だよね。
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ここまで読んでもらいありがとうございました!今週のエンディング曲はこちら。中毒性のある曲です。どうぞ!
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本日20日(月)15時より「島の文化会議」!今年もMCを担当させてもらいます。詳しくはこちら。
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