北欧の師走はバルト海のほとりにて過ぎゆく

画像1 「貴方にとって2021年はどのような年だった?」と問われたら、どう返答すべきであろうか?
画像2 2021年も終盤に近付いていたある日、夕方にストックホルム市庁舎に集まった彼らは、バルト海にそれぞれどのような想いを馳せていたのであろうか。
画像3 人々は各々の携帯電話、カメラを構えて絢爛華麗な光の饗宴を撮影している。私も2キロの三脚を担いで撮影に出掛けた。昨年は美しい4K動画を撮影することが出来たが、今年の動画はボツにせざるを得なかった。新しいカメラなので操作方法を把握していないうえに、濃霧のため、水滴がレンズに張り付いてしまっていた。全ての動画がぼやけていた。
画像4 私の2021年は、少なくとも前半期に関しては、あたかもそのぼやけた動画のようであった。
画像5 春は、一人で呆然と天井を見上げ、歌姫ENYAの声を聴いている時が多かった。しかし同時に、何故かnoteに比較的多くの記事を投稿していた。多くの方が仰っていらっしゃるようにnoteにて自分の考えを纏めることは何かしらの救いになっているのかもしれない。
画像6 市庁舎のまわりは光の饗宴と、仰々しい音楽に魅せられた群衆とで、気温は零下であったに拘わらず熱気立っていた。この夜空の下で同じ音楽を聴き、同じ饗宴を鑑賞している人々は、私同様、昨年もこの場所に立って居たのであろうか。ノーベル賞授賞式晩餐会が来る年も光の饗宴に代替されることになると予測していた人はどれほどいたのであろう。
画像7 そのような2021年にも再びクリスマスは訪れた。例年は二か所のクリスマスディナーからお誘いを戴くが、今年はその一件を辞退させて頂いた。二年以上も会っていないため、それほど会いにゆく必要性を感じなくなっていた。物理的に会っていないと疎遠になってゆく人々、何年間も会っていなくとも永い関係を維持していける人々、その違いは何であろう。
画像8 手作りのサフランパン、シナモンロール、フルーツケーキを戴きながら他愛のない会話を楽しむクリスマス。これは例年と変わらない。
画像9 クリスマスの花、大輪のアマリリス、その堂々とした姿になんとなく引け目を感じる。二年間近くも冬眠をしていると自身が色褪せて来たような感覚を受ける。来年は物怖じなく大輪の花を讃えられるようになれるであろうか。
画像10 ナポレオン・ハットと呼ばれるマジパンクッキー、子豚のジンジャークッキー、アーモンド入りのショートブレッド、こちらも定番である。クリスマスが過ぎた途端、ジンジャークッキーは一斉に大売出しとなる。クリスマス前には400円ほどで売られていたジンジャークッキー・ハウスのキットが70円ほどで売られていたので深慮無く買ってしまった。果たして誰がそれを組み立てるのであろう。
画像11 ジンジャークッキー・ハウスを一緒に組み立てていた末娘は、今月、私のマンションから引っ越して行った。末娘の住んでいた部屋は、彼女が気に入っていた巨大なランプが持ち去られたため、とても広く感じられる。
画像12 こちらはニシンの酢漬けサラダに蝦といくらが散らされているものである。通常、ニシンの酢漬けは出来合いのものが売られているが、こちらは手作りである。
画像13 こちらも北欧の定番、クリスマスハム、ドライプルーンが添えられている。この家にご招待を頂く時のディナーも常に美しい。家の中のインテリアも上品かつモダン、いつ訪れても整然としており清潔感も漂っている。
画像14 こちらはスモークサーモンとマスタードベースのHovmästarソース、こちらもパーティ等の定番であるがおそらくノルウェー産であろう。
画像15 時々これを買って、富山の鱒ずし如きに挑戦してみるが、スウェーデン人は喜ぶが、日本人としては非常に無理がある。
画像16 末娘と一緒にコケモモのジャムを一緒に作ったことを思い出す。これは、もし好きならクリスマスハムと一緒に味わうように、というものであった。こちらも手作りである。
画像17 クリスマス・プリンスソーセージ。日本のウィンナー「ウィーン風」と呼ばれているソーセージに似ている。簡単に用意が出来るものなので頻繁に食卓に上りそうであるが私はクリスマスの時にしか頂かない。ところで、長女はかなり厳格な採食主義者であるためクリスマスディナーの席では毎年難儀をしている。肉料理の比率が高い。
画像18 しかし、採食主義者の長女は今年のクリスマスディナーに参加する必要はなかった。海外に住む彼女は、妥当な航空券が手に入らず、スウェーデンに戻って来られなかったからである。たとえ肉料理が主流のディナーであっても家族に会うために帰って来たかったらしい。海外のスウェーデン料理店ではこちらのスウェディシュ・ミートボールをメニューで見掛けることが往々にしてある。
画像19 アンチョビベースのポテトグラタン(ヤンソンの誘惑)、クリスマスディナーの中ではこれが一番好きかもしれない。他にもスペアリブ、サラダ、デザート、パン等もあった。
画像20 時間があればクリスマスショッピングも楽しかったかもしれないが、今年もかなり駆け足になってしまった。旧市街に最近出来たラクリス(リコリス)・キャンディ屋さんも覗いてみた。どなたかが「店の中で撮影するのは緊張する」と仰っていらしたがそれはこの手段によりほぼ解決。「私はブロガーです。お店を撮影させて頂けますか?宣伝にもなると思いますよ」、と一応断わりを入れてみる。スウェーデンにて拒絶されたことはない(今のところ)。
画像21 高校時代に、担任教師がヨーロッパ旅行から生徒にラクリス(リコリス)・キャンディを買って来て下さった。休み時間の流し場は、生徒たちが吐き出したラクリス(リコリス)・キャンディで黒々としていた。あれから数年か経った現在、日本ではラクリス(リコリス)は少しは浸透したであろうか。私自身は、甘いもの自体が苦手なので、自発的にラクリス(リコリス)は購入しないが戴いたら食べれないこともない、というレベルであろうか。
画像22 バルト海沿いのこの場所が好きだ。この波止場からは多くの国へ航海することが出来る。今年の師走、私に関しては、予想よりもかなり早く子離れを余儀なくされた。子供達と一緒に暮らしていた時に、もっともっと沢山の思い出を作っておけば良かった、と後悔をしてみても先に立たず。来年からは後ろを振り向かずに自分のために生きてゆきたい。今年、言葉を交わさせて頂いた方々、スキを通して束の間の時間を共有させて頂いた方々、どこにいらしても、どのような状況に置かれていらしても、悔いの少ない年越しをお迎えられることをお祈り申し上げます。