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十年後に訪れたエメラルド島 アイルランド

「アイルランドの主要都市を六泊七日で一周するつもりだ」、とアイルランド出身の同僚ショーンに伝えたら、「I doubt that it will work out」と忠告された。

 グーグル地図で見たら、この行程は楽勝に感じられた。

 しかし、以前アメリカ中西部ミズーリ州で、距離の判断ミスのため、夜中の山道を、十三時間ノンストップにて一人で運転する羽目になったことがある。そのような非常に苦い経験があったので、一抹の不安はあったが、まあ、臨機応変にいこう、ぐらいに軽く考えていた。

 親切なショーンは、おススメ観光プランを詳細に示したプランを作成して下さった。

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 英語圏でも訪問したことの無い国は多い。カナダ、ニュージーランド、南アフリカ、インド 等々。しかしアイルランドは、比較的近い。それまで何故、訪問をしようとしなかったのであろうか。

 同僚の中でも、英国には何度も足を運んでいるがアイルランドは訪問したことがない、という人が多い。よって、彼らのアイルランドについての先入観は私同様お粗末なものであった。「ウィスキーと黒ビールが美味しい」、「北アイルランドには良いゴルフ場がある」、「料理にはほとんど茶色いソースが掛かっている」等々。

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 この記事は長々と旅行ブログを披露させて頂くものではない。将来的にアイルランド、あるいはヨーロッパを車で周ろうと予定をされていらっしゃる方々のために、六泊七日の旅行をしてみて、注意点、改善案等をダイジェストに述べさせて頂きたい。アイルランドに関しては、当然、在住の方が詳しいであろうから、あくまで旅行者の視点から見たアイルランド旅行の一環である。


レンタカーを借りる時 

 出来たらフルカバーの保険は付けたほうが良い。レンタカーは、ヨーロッパの中でも比較的高額ではあるが、美しい自然が有名な西海岸を訪れるためには車がないと難しい。

 両脇を木枝等に囲まれた狭い道、ところどころに起伏がある道路が多すぎる。私が車を返却した時、左側の前輪の交換となった。フルカバーの保険を掛けていなかったら弁償となっていたところであった。

 北アイルランドを訪問する予定がある時は、そこでも保険が効くことを確認する。北アイルランドはイギリスであり、通貨もポンドである。

 車両は可能であれば小型のほうが良い。しかし、エアコンを付けオートマチック車を選んだ場合はミドルサイズとなってしまう場合が多い。

運転をする時

 とにかく道が狭い(場合に依っては日本よりも)ので対向車に合った時の対策を考えておくこと。高速道路はこの限りではない。道路に穴があったりするので出来ればあまりスピードは出さないようにする。左側通行なので日本人にとっては有利であることも多い。

 工事中の道路などが多く、迂回する場合も多いが、予定したルートを外れてしまい、同じところにて幾度も迷うこともある。そのような場所では4Gも効かず、まったく闇雲な状態で走り続け、ガソリンは減る一方。誰かに尋ねようとも目に入るのは牛と羊のみ。

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 あたりが夜の帳に包まれたら、ハイビームを利用しても運転は難しくなる。

 よって、GPSや4Gのみに頼らずに、なるべく詳細の紙の地図(とコンパス)も携帯していった方が無難。

宿泊

 私はホテル派なので、通常はB&Bには泊まらない。しかし、アイルランドにおいては、B&Bの方が格段数が多く、観光をする予定の場所の近隣に位置していたため、ホテルを四泊、B&Bを二泊、いずれもHotels.com経由で予約した。最初に泊まったホテルではバスルームの排水状況が悪く難儀をしたので、ホテルの方がB&Bよりも便利だとは一概には言えない。

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 B&Bは悪くない。私は、大家さんと鍵の受け渡し時間を打ち合わせて、それに合わせてチェックイン、アウトする、というようなことが面倒なので出来れば避けているだけである。

 通常は荷物を部屋に置いたら即座に観光に出掛ける。B&Bの方達の中にはフレンドリーな方々もいらして、「少しお茶をしましょうか」などと誘って下さる方もいらっしゃる。早く出かけたいのはやまやまだが、断るのは申し訳ない、という葛藤に陥る。性格的に断れないため、結局、焦燥しながらお茶を戴く羽目になる。観光よりも現地の人との交流を大切にしたい、という方にはお勧めである。

 たいていの場合、朝食は種類が豊富である。イタリアのフィレンツェでは朝食に五種類ぐらいのケーキを出して下さったようなところもあった。

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 それにしても面識のない客に、家の鍵を渡すという行為は勇気を要する事であろう。

B&Bは、一般的なホテルの予約サイトにも数軒紹介されてはいるが、現地ではあちこちに見られ、宿泊料も、ネットで紹介されているB&Bよりは多少安い。ホテルの予約サイトに中間マージンを払わなくてよいので価格が抑えられるらしい。

 宿泊費用を払う時は出来れば後払いで、前払いを請求された場合は念のためレシートを要求した方がよいかもしれない。現金で支払った。

アイルランド料理

 これに関しては、同僚達に意見を求めたことを非常に後悔している。アイルランド料理は、不味い、と先入観を深く植え付けられたため、最初の何日かは現地ではアイルランド料理を避け、インド料理、タイ料理、ピザなどを食していた。しかし、私が訪れたレストランに関しては、アイルランド料理店のほうが他国の料理店より美味に感じられた。

 しかし、

 アイルランドの牡蠣、フィッシュ・アンド・チップスなどは最高であった。ハンバーガーも美味しかった。モダンなカフェでは他の先進国同様、エコロジカル創作料理などもメニューに入っている。そのようなメニューも全く他の先進国に引けは取らない。

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 料理などに関しては主観があるのであまり人に意見を訊ねるものではないことを再認識した。通常は、TripAdvisorが薦めるレストランを訪れるようにしている。

 価格的には、フィッシュ・アンド・チップスもハンバーガーもフレンチフライ等が付いて15ユーロというところではなかろうか。簡易レストラン等ではさらに安いが。スウェーデンとほぼ変わらない。

 

エメラルドの島、アイルランド

 決して名前負けしていない。非常に美しい国であった。動物と大自然に囲まれて、肥沃で豊かな国だ。運転をしていると両側に、牛、子牛、山羊、羊、馬が平和にくつろいでいる。

 自然音痴の私が、子牛をペットとして飼えないであろうか、と本気で考慮させられた。

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六泊七日一周達成

 散々迷ったため、路上にいる時間も長かったが当初の予定、見どころは制覇することが出来たと思う。まだ若かったのかもしれない(2019年8月末)。特に有名な観光地の写真を以下にて紹介させて頂きたい。


夕陽の非常に美しいマリンスポーツの街 バンドラン (Bundoran)

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バンドラン観光 おとぎ話の橋 (Fairy Bridges)

 前方の白浜は遠浅で非常に平和で美しい。それに見とれて呆然と歩かないようにご注意を頂きたい。おとぎ話の橋の下の穴に落ちてしまったら笑い話にもならない。

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モハーの断崖 (Moher Cliffs)

 アイルランドではかなり有名。見学コースを外れ安全柵を越えて、崖っぷちに座って居る人たちも多かったが、自己責任でどうぞ、という事であろう。

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ジャイアンツ・コーズウェイ (Giants causeway)

 自然の成す驚異的なアート、火山活動が造成した四万もの桂状奇岩。この上に立つためだけでも北アイルランドに行く意味はある。

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 アイルランド、行こうか否かと迷われているのなら是非行かれて欲しいと思う。

 見どころはまだまだあるため、後日、続きを紹介させて頂くかもしれない。


 最後に、

 アイルランドにて一番訪問したかった場所は、アイルランドでダブリンの次に大きいと言われる都市、コーク(Cork)であった。

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 何故か?

 この日から十年前、コークで働かないかというオファーをリクルーターから戴いた。就職手続きはすべて電話で行われ、彼女が私の労働ヴィザの申請を開始した直後に、スウェーデンの企業から数段条件の良いオファーを戴いた。そのため、結局コークからのオファーは断わった。

 私は、本来なら働くことになっていたこの町、また、オフィスのある建物を、訪問することを数年間切望していた。

 そのオファーを断っていなければ、私はこの町で暮らしていたのだ。住めば都とはいうが、この日の曇り空は、この町に関して淋しい印象を与えていた。快晴の日であったら随分と印象が違っていたことであろう。

 オフィスがあるはずの建物はかろうじて見つかった。中規模の古い建物であり、メインストリートのほぼ中心に位置していた。

「テナント募集」、という紙が空っぽの建物の正面ガラスに貼られていた。


ご訪問有難うございました。

結局今回も長くなってしまいましたが、今回は弊記事を最近紹介して下さったNoterさんの中で、お二人様を紹介させて頂きたいと思います。

Blog副代理様

歴史、政治討論、スポーツ、恋愛、俳句、小説等、多岐にわたる記事、呟きを発表されていらっしゃいます。多くの論題に関して、ご自分なりの確固たるお考えをお持ちであり、とても優しく頼りになる方です。


Le yusée様、

アートに関する蘊蓄のない私を、北欧画家に関する記事の中で紹介して下さいました。その記事をまたこちらで紹介させて頂くことに致しました。Le yuséeさんとは、最初は、アートではなくバイクに乗られていらっしゃるという点で親近感を抱きました。しかし、Le yuséeさんの記事はアートに対する造詣の浅い私にでさえ楽しめる記事です。


旅行関係の写真は、カメラを購入する以前のものが多いため、古い世代の携帯電話で撮影したものが多く、残念な画質のものも多いですが、あえて編集も致しませんでした。

サムネイルを含んだGiants Causewayの写真は、自分で撮ったものは観光客が非常に多く写っているため全てPixabayからお借りました。

上から、comiviajeros、FsHH、Ha.Hachさんからの提供でした。

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