高齢期リハビリのココロエ30 退院直後の介護保険リハビリが大切
来年は介護報酬改定ですね。訪問リハでは『退院したら早く介護保険のリハビリサービスを使ったほうが機能回復しますよ』というデータが厚労省から示されてます。
平均すると在宅復帰後約3週間を経て介護保険リハビリサービスが入るパターンが多いみたいですね。わたしも退院直後の在宅でのリハビリが大切だと考えます。その理由は、在宅に戻るとどんどん衰えていくからです。多くの方はハンデを抱えた要介護高齢者であり、どう生活をしていいのかわかりません。周囲も『当然、こんな身体では家のことは危ないしできないだろう』と様々な介護サービスや家族の世話がはじまります。つまり、その時のご本人の生活能力はさておいての生活がはじまるわけです。そして自宅では役割、活動がなくなり、『通所サービス(デイサービス・デイケアなど)で動く機会を、となるわけです。
そもそも自宅でどんな生活が可能かをすっとばしてしまう例をいくつもみてきました。通所サービスは週に1〜3回程度、残りの日は家でゴロゴロ。うーん、これでいいんでしょうか。そして通所サービスを楽しめない方はどうなるんでしょうか。
そこで退院直後の介護保険リハビリサービスです。これはデータが示しますように『機能回復』もしやすい期間です。疾患発症時期が近いほど機能回復しやすいのはリハビリ分野では常識です。そしてもう一つ役割があります。それは『身体機能』を意識しつつも『生活回復』にも目を向けるためにも訪問リハビリは必要です。大抵の方は「回復するまで元の生活には戻れない」とおっしゃいますが、その考え方を『老化したハンデのある身体で暮らしていく』という思考にどこかで変わらなければなりません。それはご本人はもちろん介護保険サービス専門職、ご家族もです。
このような訪問リハビリが入りますと、自宅での生活不活発病は予防することができます。大切なことは在宅でどう暮らしていくか。理想論かもしれませんが、介護保険リハビリでは非常に有効な考え方かと考えます。
【参考 厚労省HP訪問リハビリ】
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_34231.html
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