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高齢期リハビリのココロエ23 人は活動しないと死にます

 みなさん、1日どうお過ごしですか?自分の1日は自分で決めてますか?朝起きてから寝るまで何をしてますか?と、わたしたちは日課や仕事、趣味などを自分で選んで決定しながら毎日を送っています。『仕事や家事は行かなければならないから、選んでいるわけではない』ですって?いえいえ、その気になれば、無断欠勤したり家族のことはほっといて寝ることもできるわけです。ですので、基本的にわたしたちは自己選択、自己決定の連続で生きているわけですね。
 だからある程度の健康や幸福は自分で選んでいるわけです、どう生活するかは自分次第ので。
 ここから本題なんですが、要介護高齢者は自己選択、自己決定をしながら生活をしているんでしょうか?答えは…それができる方もいればできない方もおられます。たとえ、車椅子の方でも手足が不自由だとしても一日の生活を自分で組み立てる方はおられます。自分のしたいこと、しなければならないこと、健康や楽しみのためにすること、色々な活動が生活にはあります。それを組み立てるのは要介護の方も同じなんですね。
 ただ、自分で生活を組み立てられない方もおられます。1日施設で壁やテレビを眺めている人、椅子に座っている人などなど。生活を組み立てられない方はどうなるか、心身も認知機能も全て低下していきます。
 さて例えば高齢者施設で感染症が流行ったとします。感染症が収束するまで2週間。実は2週間後も元気だった方と弱る方に分かれてしまいます。元気だった方は自分で生活を組み立てることができていました。反対に弱る方は自分では生活を職員にある程度、管理してもらっていた方です。これは実話でして、感染症対策をしていた期間、生活組み立てができない方は何もせずに2週間過ごすことになったんですね。
 だからこそ作業療法士はじめ、生活を組み立てる職種が必要なんです。レクリエーションという生活の一部から考えるのではなく、朝起きてから寝るまでの生活パターンを広く考えられる、そんな職種が今求められていると思います。生活は人を健康、幸福にします。
 要介護者の方は自分で生活をコントロールできない方がおられます。当人は人の力を借りることをためらわないこと、周囲の者、特に専門職は生活全体を考えていくことがリハビリテーションになります!
 

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