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Kindle本の配信コストの仕組みはどうなっているのか

出版費用が0円」これはAmazonに本を出すメリットの1つですが、中々凄いメリットです。
紙媒体の書籍ではたった1つの本を出版するにも300万円以上の額が必要になることもあり、出版業界全体で考えると無料で好きなだけ出版できるというのは通常ありえないからです。
そこで、今回はKindle本の配信コストがどうなっているのかについてまとめてみました。

Kindle本個人出版の仕組み

ではまず、Kindle本出版の仕組みから振り返っていきましょう。
知っての通りAmazonのKindleストアに電子書籍を個人出版する場合、KDPというサービスを通して書籍を出版します
出版の方法自体はこちらにまとめているのでそちらをご覧いただければわかりますが、Amazonのサービスを通して出版するというのが肝になります

Kindle本個人出版の流れは

1.データ作成
2.Amazonのサービス(KDP)にアップロード
3.Amazonの審査を通過したらマーケットに公開

です。
KDPを通して「書籍データの管理」「マーケットへの公開」を一括管理するのがAmazonの役割なのです。
個人出版された電子書籍の詳細ページで、「販売」という項目が『販売元: Amazon Services International, Inc…』になっているのがその証拠といえるでしょう。

また、Amazonは国ごとにマーケットを分けています。
アメリカならAmazon.com、イギリスならAmazon.co.uk、日本ならAmazon.co.jpといった具合です。
つまり、Amazonが個人から受け取ったデータを全て管理し、内容とマッチする国のマーケットに「直接」流しているのがKindleDirectPublishingの仕組みといえます。

配信コストとは

個人出版では全てのデータはAmazonが管理します。
配信コストとは、その管理費の様なものといえるでしょう。

配信コストは、Amazon が決定した電子書籍ファイルのメガバイト (MB) 数に、以下の配信コストを掛けた金額です。

Amazon.com: US $0.15/MB
Amazon.ca: CAD $0.15/MB
Amazon.com.br: R$0.30/MB
Amazon.co.uk: UK £0.10/MB
Amazon.de: €0,12/MB
Amazon.fr: €0,12/MB
Amazon.es: €0,12/MB
Amazon.in: INR ₹7/MB
Amazon.it: €0,12/MB
Amazon.nl: €0,12/MB
Amazon.co.jp: ¥1/MB
Amazon.com.mx: MXN $1/MB
Amazon.com.au: AUD $0.15/MB

ファイル サイズは、キロバイト (KB) 単位で切り上げます。電子書籍の最低配信コストは、ファイル サイズに関係なく、日本円での販売については ¥1、米ドルでの販売については US $0.01、インド ルピーでの販売については INR ₹1、カナダ ドルでの販売については CAD $0.01、英国ポンドでの販売については £0.01、ブラジル レアルでの販売については R$0.01、メキシコ ペソでの販売については MXN $1、オーストラリア ドルでの販売については AUD $0.01、およびユーロでの販売については €0.01 です。日本での販売では、10 MB 以上の書籍に関しては配信コストが差し引かれません。
出典 Amazon Kindleダイレクト・パブリッシングー価格設定

このように、配信コストはデータの容量に応じて課されます。
1つ言えることは、どのマーケットでも極めて低い額だということです。
巨大企業のAmazonが管理しているからこその安さといえるでしょう。

配信コストの徴収方法とは

ではこの配信コスト、いつ徴収するのでしょうか?
それは、「書籍が売れた時」です。
書籍が売れた時に、ロイヤリティの計算などと同時に配信コストが差し引かれます。
具体的には、書籍の価格から配信コストを差し引いて、残りの額でロイヤリティを計算するということになります。


とはいえ、ロイヤリティ自体も配信コストと同じく切り上げで計算されるため、配信コストがあっても無くても得られる収益はほとんど変わりません

また、徴収される書籍の種類については、ロイヤリティ70%で計算されている書籍のみが対象となります。
その為、35%のロイヤリティの書籍や、KindleUnlimitedを通じての収益には配信コストは課されません。
とはいえ個人出版でロイヤリティを35%にとどめておくメリットはほとんどない為、個人出版の場合は「本が買われたら数円だけ引かれる」という認識でいれば問題ありません。

まとめ

配信コストとは、電子書籍の管理・公開にかかるコストを本が売れた時点で差し引くという仕組みのマーケット維持のための施策です。
徴収される額も1,2円程度と非常に良心的です。
改めて考えると、Amazonの提供する電子書籍マーケットであるKindleストアは、登録料も個人出版費用もタダで済むうえに、コストもわずか数円しかかからないという常識ではありえないプラットフォームになっています。
そこにきて印税率も最大70%と、安心安全な上に美味しい市場であるということを再認識できました。
是非このマーケットの性質を活かして沢山書籍を出版し、安定した権利収入を手に入れましょう

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