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3歩進んで2歩下がる

午後、夫と近くの街に出かけた。
彼はフィットネスジムと食料の買い出しへ、私は子どもに頼まれたTシャツを買いにそれぞれ行き、後で落ち会うことにした。

車を一歩出て歩き出したが、もう頭がボーっとし始めるのを感じる。
う、今日は生理で体が重い感じはあったが、買い物なら大丈夫と思ったのだが、早くも怪しくなってきた。
買い物を手早く済ませ、まだまだ時間があるのだが、メインストリートの人の行きかう多さ、声、都会ならではの雑音の多さがこういう時は神経に触る。
体が緊張したのかトイレが近くなってきた。パニックの前触れでお腹が下りそうになって外出中にすぐトイレに駆け込みたくなることが、去年ぐらいから何度かある。
今回は幸いすぐ近くのスーパーにトイレがあることがわかっていたので、トイレが見つからないことへの焦りはなかったが、地面を踏む足もとが頼りない感じ。

用を足して少しホッとしたが、これ以上街で買い物をすることは今日は無理そうだ。
夫との待ち合わせ場所に向かおうと思うが、バス停付近は人が多くて余計に不安な気持ちが一気に上がってきそう。
心を決めて、歩き出したが、頭の中に、そこまで辿り着けるかな、途中で倒れやしないだろうかというネガティブな思考が映像とともに沸き上がり、それが余計に恐怖心を増す。

大丈夫だよ、大丈夫だよと自分に言い聞かせながら、人ごみの多いメインストリートを離れ、待ち合わせ場所へと歩を進める。
距離的にはさほど離れていないし、何かあれば、バスに乗って帰ることもできるし、夫にもすぐに連絡できるのだし、と自分を安心させようと絶えず言い聞かせる。
頭はボーっとして現実感がないし、足元がおぼつかなく、何で私はこうなんだという気持ちが湧いてくる。
ああ苦しいな、最近いいこと続きで、近年になく軽やかになって来たけど、やはりすぐには治らない。今日の原因は何か、生理中で疲れていたのに出てきたのが悪かったか、急に行動的になって心身が疲れていたのか。調子が上向きになり、このままだったら念願の働きに出ることも可能かも、と明るい希望が出てきていただけに、こんなんじゃまだまだ遠いなとがっかり。久しぶりに苦しかった時の毎日を思い出した。

だけど、本当のことを言うと、この不安な気持ち、自分ではどうしようもできない体の症状、がんばっても変わらない現状に対する望みのない感情、これらをもう何年も、何十年も持ち続けてきたのだ。
パニックはなかったけど、10代の半ばからうっすらした緊張、何をしても楽しめない重い感じ、頭がボーっと重くなる感じはあったもの。
これらを何十年も持ち運んでいたらそりゃあ辛くなるのは当たり前。毎日こんな気持ちでよく生きてこられたなという感じ。

幸い、今は一度落ち込んでもまた上向きになるという感覚があるし、前ほど打ちのめされているわけじゃないけど。
本当に助けになるヨガの先生との個人セッションもあるし、確実に何かが変わっていっているのも確かだけど。

ああ、でも本音を言えば、早くよくなって普通の生活が出来るようになりたい。3歩進んで2歩下がるの日。

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