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香森あずさの「秋女手帖」:その前に(2回目)

昨日お伝えしたとおり、まずは2017年に書いていたアメブロより、第1回を再掲。

……その前に(2回目)、改めて“秋女”の説明をば。

ご存じのとおり、この5年で、社会でのLGBTQや性別、年齢による障壁をめぐる状況はとても変化しました。
有名企業でその点をまったく意識していない……なんてところは、あまりないんじゃないでしょうか。
私も物心ついた頃から、そういった無意味な格差について、いらだちを抱えてきたのでうれしいし、さらに前進してほしいと願っているひとりです。

それでもあえて年齢を区切り、“秋女”という言葉を使うのは……
自身が中年の女性のひとりとして、「年を重ねた女性」が「年を重ねていない女性」と“まったく同じ”というのは、違うと思うから。

「年を重ねた女性」は、「年を重ねていない女性」とは、体力、気力、お肌のハリ(!)、それから可能性や希望についてもぜんぜん違います。はい、ほんとうに。

その代わり、さまざまな知見や体験から得た感慨、有形無形の手に入れたものなどから、「年を重ねていない女性」にはまだ見えていない景色が、少しずつ見えてきている。これもほんとう。

そしてその景色は、意外と味わい深く、しみじみと楽しい。

“秋女”は、そんな当事者目線での、楽しみ方のキーワードと思ってもらえたらうれしいです。

秋の季語を調べてみたら、「秋晴れ」「いわし雲」、それから「山粧う(やまよそう/秋の山が紅葉によって彩られた様子)」なんていうのも。素敵。

「照葉(てりは)」は、紅葉が秋の穏やかな陽射しに輝く様子だそう。
あの澄んだ秋のにおい……早く深呼吸したい!(今が夏だけに余計に)。

一方、「色葉散る(いろはちる)」は紅葉したままの葉が散る様子で、晩秋の寂しさや切なさを表現しているのだとか。
他にも「薄(すすき)」や「秋桜」など……。一気に侘しさが増しますが、私はどこか穏やかな、落ち着いた美しさも感じます。

季語の出典:じゃらんニュース「秋のことば・季語15選!」

映画でよく観るような、フランスやドイツ、イギリスの木立が深く色づく秋の景色もいいですね。
そんなところで温かいコーヒーを飲んだら、きっと美味しそう。

近所のお気に入りカフェや、近所の公園のベンチで飲むコーヒーもなかなかです。


Photo by valentina ivanova @Unsplash

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