お手紙屋さんのさんぽみち

日々の思い出に手紙という名の栞を挿みましょう。汐音

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日々の思い出に手紙という名の栞を挿みましょう。汐音

最近の記事

はじめましてのつぶやきですが、とある人の裏話を少しづつ綴れたらと思います。 ・ ・ ・ ねぇ、ちょっと聞いてよ。 去年のクリスマスの話なんだけどさ? あの人が思い出たちをエッセイにしたんだって。 でも、その思い出たちには裏話があってね? こっそり教えてもらったの…

    • 空と人

      空が怒っている 雨が落ちて 傘を叩いている 風が吹いて 背中を押している 暗い雲の中で 頭を抱え込んでいる 人ではない空も 感情を出している まるで 誰かの真似をしているように 空はなぜ怒っているのだろう 洗い流したいものがあるのだろうか 拭き消し去りたいものがあるのだろうか 空は恵まれている 感情を出すことができるから 感情を殺すことがないから 環境によって 表情を変えなくていいから 人は愚かだ 環境によって 表情を変えなければ 感情をだしてはいけないから 押さえこま

      • リリアンあのね

        リリアンあのね 私はずっとあなたのこと リリアン だと思っていたの。 あなたの名前は リリヤン だったのね。 でもね 私の中であなたは リリアン だから これからも リリアン って呼ばせてね。 リリアンあのね 私はずっとあなたのこと 羨ましい と思っていたの。 だってね ひぃおばあちゃんがあなたを優しくなでるのだもの。 でもね きれいになるあなたをみて幸せな気持ちになるの。 これからはひぃおばあちゃんが羨ましくなるくらい私もきれいにするからね。 リリアンあのね 私はずっと

        • 君に会いに行く

          君に会いに行く 思い出の場所に行こう? バタースコッチをなめながら歩こう? 猫じゃらしを摘んで、指を切らないように隣の草も摘もうか。 踏切で電車を待とう? カンカンカンと鳴り響く踏切のリズムに乗りながら。 朝は苦手だけど、君のためなら全然苦じゃない。 一緒に散歩に行けることがすごく楽しいから。 事故が起きて、家に置いてきぼりにされたよね。 君が載っている写真集をママが見つけてきた。 その写真集には1枚だけだけど君がいた。 一週間は泣いたかな?”会いたい”って。 君

        はじめましてのつぶやきですが、とある人の裏話を少しづつ綴れたらと思います。 ・ ・ ・ ねぇ、ちょっと聞いてよ。 去年のクリスマスの話なんだけどさ? あの人が思い出たちをエッセイにしたんだって。 でも、その思い出たちには裏話があってね? こっそり教えてもらったの…

          こんばんは

          今日もおしまい ひとり遠くへ 誰も知らない場所に行きたくて でも 知っている道しか歩けない ゆっくり過ごすの ブランデーバック 旅立つ合図に ジンジャーエール 慣れない刺激に クラクラして この痛みが貴方にも ひとりが寂しいと 誘い文句 いくつも紡いで 消し去って ひとりでも 大丈夫よ だって 生きてきたんだから 慣れない刺激で 心地よく おかしいほどの 勘違い こっちを向いてくれないかしら 声を聞かせてくれないかしら 私はそっちに背を向けて 声を出せはしな

          さあ 檻から逃げだそう 私は巨大なスライドパズルの一枚じゃない 自分の力で進む 決められた道だけが未来じゃない 日々無理やり動かされる そんなの苦しいだけ 私は生きたいように生きる 本を読み 歌を歌い 遠くへ どこまでも 自分の時間を 自分でつくる 周りと違っていい 自分らしく そばにいてくれる 仲間 がいるから やりたいことをやっていく 「いつでも帰っておいで」 その言葉を信じて 大海原へ 風にのって 遠くまで 自由に 私は私らしく生きていく

          幸せな道具

          頭で撫でる トントンとリズムを打つ ゆっくりとした心臓の音を借りているよう こどもを宥めるように優しく 真面目で 無邪気な 表情で 貴方から 腕に 手に 指に 体温が 想いが 移っていく 貴方の想いを 体温を 移す 貴方と誰かを繋げることができる 貴方の 鉛筆 は 幸せな道具

          どうぞ,こちらへ

          コンコン と音が聞こえる 「こんにちは,お客様。」 日が沈みかけて 空を染め上げる    の色になる 梅雨が明け 夏が始まる 少し蒸し暑い 晴れた日のこと 家を出て それぞれの道を行く 離れることが寂しくて とぼとぼ歩く 今日も一日 頑張ろうか 帰り道 ほんの少しのご褒美を うきうき気分のまま 帰りましょう ゆっくり 過ごしましょう そうしましょう  コンコン 窓からのお客様 どちら様? 「こんにちは,お客様」 カーテン越しで どなたかわからないけども カーテンに影は

          お邪魔しています

          部屋にシャワー音と口笛が響く この環境が居心地よくなってしまった ベッドの上で本を読み BGMは貴方の浴びるシャワー音 そして 貴方のメロディー 音たちにつられて つい身体が揺れてしまう この環境が何度もあればと願う 実際はすぐに訪れてくれた 同じ時間 同じ空間を勝手に共用させてもらっています シャンプーの香りで指揮棒が止まって 今度は同じ香りに包まれた空間に変化する 幸せな時間に 素敵な空間に 貴方の物語に お邪魔しています

          素敵な貴方

          子犬のような 大型犬のような 可愛らしい貴方へ 誰でも複数の自分がいる 環境によって増えたり混ざったりしている 混ざって 濁って 沈殿していた そんな私を受け入れてくれてありがとう すくってくれてありがとう 貴方は子犬のように明るく元気で社交的 多くの人から愛を受け取っている 貴方は大型犬のように優しさで包み込み 多くの人に愛を渡している 素敵な音を奏でて繋がっていく 貴方と関わる人のほとんどは貴方のことが大好き 貴方に出会えて幸せです

          時間

          葉っぱから零れ落ちる雫たちは 微笑みながら零れ落ちていく涙と同じくらい 透き通っていて 色鮮やかな音色を奏でている 朝の訪れを喜んでいるみたい 白い空に差し込む朝の光は 微笑みながら覗いてくる瞳と同じくらい 透き通っていて あなたの前では嘘をつけません それでも夜の訪れを拒めないわたし 音を飲み込んだ夜は 微笑み合うふたりの体温が伝わるくらい 透き通っていて 名前のないコードが響き渡り 溶けて馴染んでいく 音のない言葉が伝染して ふたりが同じ世界にいることを教えてくれる

          自由

          今日こそは頑張る日 そう言い聞かせ続けている 最終決定権の無い私は モノゴトの重要性を理解できていないと言われる 自分で決めていないモノゴトの重要性なんか知るか 誰かの期待に応えるため 命令通りに動くロボット 急に 好きなコトしていいよ と言われても マニュアルが無ければ コマンドが無ければ 動けません いきたかった道は 道案内と同時に 街灯を消されてしまった 整備されていたはずの道は 灯りと共に廃れていった 道の先にある橋も崩れ去っていった 無い橋を渡ることはできない だ

          微笑みの種

          隣のあの子は演劇部 パンが好きな優しい子 英語が上手で ビー玉みたいにコロコロ笑う子 私の好きな子 愛しい子 一緒にいたいと思った子 わたしの視線は 一方通行 あなたの視線の先に 私はいない あなたの微笑みを 作り出しているのは私じゃない 「あの人のこと 気になっているんだよね」 そういうあなたの表情は 見たことないほど素敵だった あなたのその表情を 作り出しているのは私じゃない あなたの微笑みを 作り出しているのはその人なのね あなたの微笑みが いつまで

          懐かしの国

          カタンカタン コトンコトン シャクシャク 時計たちが話している ここは懐かしの国 手作りのメニュー表に 想いで詰まった雑貨たち 私は懐かしの国に足を踏み入れてしまった 漂う珈琲の香り ほんのり甘いクッキーとセット ここにいる時は時間が止まったかのよう 外がやけに騒がしく感じる 王様から隠れた 仕切られた場所 私はかくれんぼをしている 懐かしのものたちに囲まれながら 珈琲とクッキーが無くなるまで ゆったり旅行している

          最後に残るもの

          安心するもの 落ち着くもの 淋しいもの 悲しいもの 好きなもの 嫌いなもの 見えない傷をつけるもの 家族のものだったもの 貴方のものはわからなかった だって同じものになっていたから 最後まで記録されるもの

          空からのおくりもの

          空からのおくりもの 誰かへのおくりもの 空からこぼれたもの あふれてしまったもの 空からの言葉たち 声色を変えてはずんでいる 空からの小さな粒 私をつらぬいていく 誰かが欲しかったもの 受け取りたかったもの 囲まれたかったもの 包まれたかったもの 優しいはずの あたたかいものが つめたくて かたくて するどくて 穴だらけの身体に 染み込んでいく 優しい声で やわらかくて ここちよい おくりものたち 幸せなのかわからない 怖いのかわからない 空の心はわか