君に会いに行く

君に会いに行く

思い出の場所に行こう?
バタースコッチをなめながら歩こう?
猫じゃらしを摘んで、指を切らないように隣の草も摘もうか。

踏切で電車を待とう?
カンカンカンと鳴り響く踏切のリズムに乗りながら。

朝は苦手だけど、君のためなら全然苦じゃない。
一緒に散歩に行けることがすごく楽しいから。

事故が起きて、家に置いてきぼりにされたよね。

君が載っている写真集をママが見つけてきた。
その写真集には1枚だけだけど君がいた。
一週間は泣いたかな?”会いたい”って。

君が保護されたって聞いたとき、会えると思った。
会えないはずがないって。だって友達だもんね。
でも”だめ”って言われた。なんで?どうして?

”病気だから”

は?なにそれ。そんなことしらない。会わせてよ。
大人は会っていいのに子供は何でダメなの。

ずっと会いたかったのに。ねえ、なんでよ。

君が亡くなったと聞いたとき、お別れの言葉も言わせてくれないんだと思った。
君が保護されてからどんな生活を送って、どう病気と闘ってきたかなんか何一つ教えてくれない。

私が知っているのは
”君が病気で亡くなったこと”

それしかわかんない。教えてもらえなかったんだよ。
今でもこんなに引きずっているのに、ね。

たった一人しかいない友達だったのに。

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