「文化は、売り込もうとする商品の一部」という言葉について
前回の記事の続きで「ニューフォークアート デザインコレクション」という本を参考に今思っていることを綴っています。
私の中で衝撃だった、「文化は、売り込もうとする商品の一部」という言葉について触れたいと思います。
文化って ”みんなのもの” というか、どこか抽象的で、歴史的で、なんだか八方美人というか公的な印象も少しだけ持っていたけれど、
一種の商品なの……!?
すごく新鮮で、衝撃的で、でもその言葉の背景を知るとどこかしっくりくるような概念だと思いました。
そもそも商品は、「消費者(買ってくれる人)」をそのブランドに惹きつける「フック(切り口)」が必要になります。
そして、その「フック(切り口)」の根本にあるのが、「魅力」と「意味」を兼ね備えたデザイン。
一方で、文化は人との関係の中で生まれていくモノ。無意識に惹かれたり、集団にいるからこそ魅力的に感じたり、自分にメリットがあったり…、なんらかの“フック”に惹きつけられ、生活に取り込むようになる。
その仕組み自体はたしかに、「人を繋ぐデザインを持ち合わせた商品」と重なるなと気づかされました。
だからこそ、それが伝統的な文化であれ、最新の文化であれ、特有の文化を再構築したり、価値を永続させるということは、人を惹きつけ、持続可能であるデザインを手掛ける努力をすること。
本当に残したい「文化」を残すために必要な方程式は、
「本質が保たれているのか」という持続可能性を常に自問自答しながら、ものづくり→知ってもらう→コミュニティを構築する…というループをひたすら繰り返していくことなんだと分かりました。
私自身、手紙のヒト(手紙書道家 )akina として今向き合おうとしていることは、「手紙」という文化の本質的な価値を見極めて、形にして、体験してもらう。それを通して、時代に合った手紙の文化を再構築するということ。
そして私がつくりたい世界観は、浪漫とぬくもり。新しさと懐かしさ。
では、今すべきことは何だろう…
そう考えたとき、完璧じゃなくてもいいから、「形にする」「発信する」「知ってもらう」「共感してもらう」そんなループをきちんと作ることだと思いました。
そして、最も大切になる、人を惹きつけるデザインと向き合う事。
なぜなら、商品をつくるということは、内容の良し悪しだけの話ではないから。まず、見出しにパッと目が行くのか?そして、手に取りたくなるのか?
でも美大生でもなければ、デザインを本格的に学んだことのない私にとって、もはやデザインって一体なんだろう…という素朴な疑問が浮かんできました。
そんな中、とある方に言われた言葉にビビッと来ました。
それは、「デザインでなにをみるかといわれたら、レイアウトを見ろ」という言葉。
というのも、売れているものには必ず、売れるデザイン、そして売れるレイアウト(構図)が忍んでいるということが重要なポイントだから。
そして、そのタイミングであらためて本を読んで学びなおしていた、一番尊敬している画家であるマティスも、「構図」についてこう言っていました。
という言葉でした。
「構図(レイアウト)は、もはや表現である…」
なんだかとても感激しました。
ということは、手紙の文化を繋ぎたいという私の夢は、さらにわかりやすく考えることができる。
──人に伝わる構図をつくること。
今の私には十分な表現の幅がありません。だからこそ、いっぱい色んなデザインを見て、構図を知って、伝えられる人になりたい。
これまでも、現在も、「手紙」というものに対する情熱はものすごくあるけれど、それをいかに届けるのかという壁があり、なんだかうまく進めなかった気がしています。
そんな想いはあるのにいったいどうすれば…そんな葛藤をしている等身大の自分にヒントをもらったような気がしています。
「私は手紙で人を笑顔にしたい」
そんなシンプルな想いでこれからも学び続けていきたいと思います。
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