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【市役所職員が思う】50年前の中心地「本町」を、若い人に任せてみたいよね

地方の市役所で、地方創生とか、いわゆる企画部門にいます。
自分の地域を知ることももちろんですが、
他の地域を知ることも興味深いです。

それが直接仕事につながっていればいいのですが、
あくまでも「興味深い」というところです。

その「他の地域を知る活動」で感じたことを少し。


「本町」ノスタルジー

各地域の「本町」には、共通の雰囲気があるように感じます。
数年前から「本町」に関心があって、
各地、スモールトリップのたびに、歩いています。

あなたの町の「本町」はどんな雰囲気ですか?

40年、50年くらい前に
賑わっていた商店街だったのかなという名残があるように思います。
「商店街」とはいわずとも、
家屋が道路に面してビタビタに並んでいた名残があります。
その道路は「メインストリート」として、
夕方には人が集まり、会話し、将棋をさし、
交流するしかけになっていたと思います。

商店街であれば、
アーケード
シャッター
タイル
商店の名称が書かれた看板
明らかに営業していないけど、ガラスのショウウィンドウ

コンビニと比べると小さくて狭い間口だけど
奥に深い建物がびたびたと。

荷物を手に持って、歩いて家に帰る生活習慣の時に
成り立った生活のスタイルが
「本町」にあるように思います。

あなたの近くの「本町」はどんな雰囲気ですか?


「本町」のポテンシャル

このままではダメだとあがいた形跡もあります。
おそらく公金がつぎ込まれたであろう「アーケード」
NPOとか市民団体の拠点としてつかおうとしている場所も。
たいだい「百歳体操」とか、福祉の資金を感じます。
「コミュニティ○○○」とかも、公金を感じさせます。

でも、だいたい、閉まっていて、
メインストリートからは動きが感じられません。
私が訪れるのが土日だからかもしれません。
公的資金の活動は、平日が中心になるからかもしれません。

そうだとしても、
公的なこういうスペースは、
表通りに向けて活動の息吹を吐き出すのではなく、
その建物の中の活動だけに留まっているように思います。

「本町」は、
人の息吹を吐き出し、
人のエネルギーが交わる、
「にぎやかさ」を生み出していたスペースだったはず。
それがいま、
「本町」という軒先、通りをうまく活かせていない悲しさ。

せっかくの「本町」ポテンシャル・・・

権利、相続、経済的困難が「本町」に漂います。
行く先々で地元の方に声を掛ける私のパートナーのおかげで、
いろんな人にインタビューできていますが、
だいたい口をついて出てくるのは、
「後継者がいないまま、ほったらかしになっている」ということ。


ウォーカブルと「本町」

私はべったり自動車生活ですが、
若い世代は、所有する自動車で毎日生活するというよりも、
「自動車はシェアし、
徒歩か公共交通を基本に生活したい」
と思っているのではないかと思うのです。

歩いて生活しようという「ウォーカブル」の考え方です。

それが主流になったとき、
コンパクトに家屋・建物が集り、
かつ、
メインストリート的な交流するスペースがある「本町」は、
可能性がないわけではないと思うのです。


若い人に思い切って任せてみたいよね

戦後、アニメやマンガが日本で進んだのは、
若い人が思いっきりその才能を開花させることができたからだと思います。
何かが改革的に発展していくとき、とは、
若い人が、持っている、そのエネルギーを、
爆発的につかえたとき、だと思うのです。


建物に目を向けるのではなく、
通りを思いっきり楽しむしかけができないでしょうか。

若い人に任せてみたいな~
どんな通りに生まれ変わるのかを見てみたい。

そのときに地権者さんは見守ってくれればいいなぁ。
だいたい、
そこで失敗する、壁にぶち当たる事例が多いようです。


ベンチとテーブルがあって、大道芸、カフェ、
ビール、映像、手作りマルシェ
私設図書館、音楽、そして何より人の気配


コロナが一段落したいま、
若い人が思い切り楽しめる「公共」として、
50年前の賑わいの装置だった「本町」には、
可能性があるんじゃないかな、と思うんです。


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