スポーツと食事の関係性とは?強くなりたいアスリートが知っておきたいこと②~脂質~
株式会社オクタウェルが運営する lerepas ~sports food lab~
管理栄養士の佐藤彩香です。
ルルパでは、スポーツをライフスタイルとする方にスポーツ栄養の情報や知識をお伝えしています。
前回は、シリーズ①ということで糖質について書かせて頂きました。今回はシリーズ②として、【脂質】について書かせて頂きます。
前回の糖質の記事はこちらから。
脂質ってどんな役割?
脂質には身体にとって大事な働きがあります。
・身体の大事なエネルギー源
・身体の保護
・細胞膜の構成
・ホルモンの材料
・脂溶性ビタミンの吸収を助ける
など様々な役割があります。
脂質は身体にとっていいイメージがない方も多いかと思いますが、身体にとって大事な働きをしているのです。
脂質の種類は?
ポイントは種類を理解して、見極めて摂っていくことです。
まず脂質には種類があります。
常温で固体の飽和脂肪酸と、常温で液体の不飽和脂肪酸の2つに分けられます。
飽和脂肪酸は、結合する炭素の長さによって、短鎖脂肪酸、中鎖脂肪酸、長鎖脂肪酸に分類されます。不足すると血管がもろくなるリスクなどありますので、制限しすぎもよくないです。ただ最近は摂りすぎな方も多くいます。その結果、摂り過ぎるとLDLコレステロールや中性脂肪を増やし、心筋梗塞、肥満などに繋がりやすいリスクも生まれます。
最近よく聞く、ココナッツオイルやMCTオイル。
これらは、中鎖脂肪酸と言われていて、長鎖に比べ消化吸収が早く、すぐにエネルギーとして使われ、からだに蓄積されにくいと言われています。
だからこそココナッツオイルやMCTオイルを摂ると「痩せる!」などを言われているのはこの理由です。ただ今までの食事に+するだけで痩せるわけではないです。蓄積されにくい油のため、普段の油をこちらに変えてみるなど食生活に変化をつけていかないといけません。
もう一個の種類が不飽和脂肪酸。
エネルギー源でもあり、身体の細胞膜の重要な構成成分です。一価不飽和脂肪酸(オメガ9系)、多価不飽和脂肪酸(オメガ3系、オメガ6系)と分けることができます。
オメガ9系は、オリーブオイル、アルガンオイルなど
オメガ6系は、コーン油、ごま油など
オメガ3系は、亜麻仁油、えごま油、魚油など
に分けることができます。飽和脂肪酸に比べ酸化しやすく、特に多価不飽和脂肪酸は加熱調理には向いていません。また一価不飽和脂肪酸(オメガ9系)は身体で合成することができ、多価不飽和脂肪酸(オメガ3系、オメガ6系)は身体で合成することができません。
実際に摂るべきものは?
何かに偏ることなく、上記のバランスが大事です。
ただ多くのアスリートは、
肉や乳製品が好き!
揚げ物などのボリュームが多いものが好き!
甘いものがついつい食べたくなる!
などが多い傾向にあります。
そうすると飽和脂肪酸と不当和脂肪酸のオメガ6に偏る傾向にあります。
そのため、不足しがちなオメガ3を意識して、加熱調理には、オメガ3よりも熱に強いオメガ9を摂るような意識がよいかと思います。
オメガ9脂肪酸が豊富な代表例は、「オリーブオイル」
オリーブオイルを選ぶときはオリーブの実を絞っただけで加熱も加工もせず、酸化度が少ないエキストラバージンタイプを選ぶのがお勧めです。
またオメガ3脂肪酸が豊富な代表例は、青魚、えごま油、亜麻仁油。加熱をせずに、そのままで食べていきましょう。
えごま油、亜麻仁油は毎日続けやすいです。毎日小匙1杯を納豆にかけたり、ヨーグルトにかけたり、サラダにかけたりしてアスリートは工夫をしています。
また魚油で摂りたい場合は、厚生労働省による食事摂取基準でDHAとEPAを合わせて1,000mg/日以上摂ることが望ましいとされています。
1,000mgとるには…
あじ 150g 中1尾
いわし 100g 中1尾
さば 100g 1切れ
さんま 150g 中1尾
です。ぜひ参考にしてくださいね!
オメガ3はアスリートに嬉しい「炎症の緩和」が期待できるので、非常にお勧めです。
まとめ
脂質は油のバランスが乱れてしまうとコンディションが下がりやすくなります。その反面しっかりバランスが整うと、コンディションが上がりやすくなります。脂質の質にしっかりこだわりながら賢い選択ができるようにしていけるといいですね。
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