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何やってるのか分からない人をやっている人/「書を捨てよ 町へ出て本を読め」/レーベルは「独書思想史」「美術思想史」「現代思想史」「映画評論史」「趣味と歩く」「見えてる世界は現実か」「AIと僕らの未来予想図」になっています

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    僕の読んだ本のメモと一部にイシューを見つけ出し答えを求めようとすることを試みるマガジンです.

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民主主義国家に必要なのは教養と支援(医学編)

最流流行っている「境界知能」という言葉.それ自体の言葉は最近作られたもので「頑張らない」「努力できない」は精神的なものより知能的な問題の側面があると提示している.その決定的な知能指数は明らかになってはいないもののIQ84〜70が境界知能とされ、それ以下は知的障害者というレイヤーに属する.さらに徐々にわかってきているのがZ世代に多いということである.これからの社会を支えていくZ世代に知的障害者が多いというのは何とも言えないことだが、僕が思うのは境界知能と同等の問題として正常な健

    • 『若者はなぜ3年で辞めるのか?』は若者の努力不足なのか

      コンサルティング会社代表の城繁幸氏による著書の中で企業の人事課との対話がある. その時の対話相手は「彼らはわがままで、我々の世代よりも忍耐力が劣っている」と述べられている文がある.私はこの文章に納得ができる反面、些か疑問に思えた. この本が書かれたのは2006年でこの時代の若者は現在では40歳、50歳くらいになっている. この2006年当時の若者から今の若者を俯瞰して見てみると精神疾患(ADHDなど)の患者は増加傾向にあり、小中学生の不登校率も年々増加している.これは若者

      • 消費される音楽

        評論家の多木浩二さんの「消費されるスポーツ」をもじって使わせてもらったのが今回のテーマ.21世紀における音楽をテーマにして音楽の自己内での地位を少し考えてみたいと思ってテーマを設定した次第である. 今や我々にとっての音楽は無意識的に消費される行動の一部であり、常に身近に存在している.1979年にsonyがウォークマンを発売してから40年以上が経った.その時まではレコードを介したり外に行けばジュークボックス、ラジオが音楽の発せられる中心だった. それがポータブルになったこと

        • 20240424

          「僕はあと何回、満月を見るのだろう」これは僕が特に好きな一節で映画「シェルタリング・スカイ」で原作者のポール・ボウルズがナレーターのように語った話の一部. 人生100年時代と言われる現代で満月を見るのは平安時代の40年ほどの寿命だった世界とは程遠く軽いものになってしまっているかもしれない.しかも80年生きれば1,000回は満月を見ることができると言われている.だけど80年も生きれる保証はどこにもない.明日僕はこの世にいないかもしれない.そんな満月が毎回遠く、儚いようにも思え

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        民主主義国家に必要なのは教養と支援(医学編)

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        記事

          丸山眞男の日本思想『思想のあり方について』は現代の今と変わったのか

          1961年に岩波文庫から刊行された丸山眞男氏の『日本思想』は日本政治思想史の中でも特に注目される考え方で『思想のあり方について』はⅢ項より述べられている. ここで注目なのが日本の学問を「タコ壺」と呼びヨーロッパの学問を「ささら」と評している点である.一見なんら関係のなさそうな名詞だが構造に着目してみると日本の学問の問題点が明るみになってくる. まずタコ壺というのはタコが敵から身を隠すために狭いところとして使うものであり穴が空いていては使い物にならない.一方でささらは中華鍋

          丸山眞男の日本思想『思想のあり方について』は現代の今と変わったのか

          シンギュラリティと人間の拡張

          AIの指数関数的成長に伴ってシンギュラリティ(技術的特異点)という言葉が社会に浸透してきている.我々の生活を大きく変え、AIが仕事を奪う、AIが人間を超えた知能を有することになる.そんな議論が中心になっているが全くのナンセンスな会話である.AI>人間はアプローチとしては単純であり明快な答えになってしまう.しかしAIの本質を見ていくとAI>人間は単純で欠陥だらけであることに気づくだろう.AIのプレゼンスとシンギュラリティに関して少し考える必要がある. 実業家であるレイ・カーツ

          シンギュラリティと人間の拡張

          マリエル・ヘラー監督の『幸せへのまわり道』という映画.全てが全く解明されず一人一人の登場人物が闇を持って終わった映画. 「Won’t you be my neighbor」の意味合いが変わってきてしまう.

          マリエル・ヘラー監督の『幸せへのまわり道』という映画.全てが全く解明されず一人一人の登場人物が闇を持って終わった映画. 「Won’t you be my neighbor」の意味合いが変わってきてしまう.

          究極を目指すオタクでも音楽が好きだったり映画が好きなのは素晴らしいこと. そして会話が楽しい.

          究極を目指すオタクでも音楽が好きだったり映画が好きなのは素晴らしいこと. そして会話が楽しい.

          表象で飾る世界の中で異様な空気を放つ日本

          第二次世界大戦後の世界各国が目指し、大きな経済成長の原動力となったアメリカの存在は今も強固なイメージが作られている.日本でも一時期「アメリカンドリーム」という憧れの国を作り出した.しかしこのアメリカンドリームは本当なのだろうか.21世紀になり、人々の移動活発化し日本からアメリカまでは半日程度で行けるようになった.明日にはアメリカについて生活を始めることもできるほど世界の交通では一体化が進んでいる.まあ3日も住めばそこにあるのは虚構の社会だったことに気づくが笑 まず僕の言うア

          表象で飾る世界の中で異様な空気を放つ日本

          小学生の頃無理を言って音楽の先生に「革命のエチュード」とかショパンコレクションを引いてもらったな.今も元気にしているだろうか.

          小学生の頃無理を言って音楽の先生に「革命のエチュード」とかショパンコレクションを引いてもらったな.今も元気にしているだろうか.

          人間の欲望に見る技術

          技術とは誰のために存在するのか.technologyは人間が生きていく上で分離することのできない概念だ.その語源はラテン語のtekhnologiaのtekhne(技術)とlogia(知識)の合成による単語と言われている. 現代社会に存在する技術は果たして誰のために存在するのか、そこに雲がかかってしまっているように感じる.本当に技術は人間のために存在していると断言できるのか?技術は何のために存在するべきであるのか?といった哲学的であり普遍的でもある思想は現代社会において重要な

          人間の欲望に見る技術

          現人類は現人類でしかない

          2024年が始まってはや3ヶ月が経とうとしていることに時の流れの速さを感じる.今年の国大きな問題としては「物流問題2024」が挙げられ4月からは物流関係の労働規制が厳格化されると話題になっているのかなと. これも一種の未来の話である.というのも21世紀に入ってから未来予測系の話題が盛んになり、書店に行けば未来の産業だの労働だなので埋め尽くされていることに人間の体たらくさを顕著化したような現象が起こっている.AIの発展において重要な指針を表すとされるAGIの到来に関する議論も

          現人類は現人類でしかない

          文系と理系はインスタントコーヒー

          「僕は37歳で、そのときボーイング747のシートに座っていた」から始まる村上春樹の『ノルウェイの森』をコーヒーを飲みながら....なんて割に合わない始まり方になってしまったんだけど僕が気に留めたのはノルウェイの森の方じゃなくてインスタントコーヒーの方笑 インスタントコーヒーってまずコーヒーの粉末を入れてからお湯を入れると思うんだけど、その時完全に綺麗に混ざるやつと混ざらないやつがあってコーヒースプーンで混ぜる.ココアなんか飲む時は特にダマになるし. でも一回混ざって仕舞え

          文系と理系はインスタントコーヒー

          倫理観の基盤が腐る

          先日,高校生がカンニングをした後に自殺してしまう事件が発生した.この事件が徐々に広められるとSNS上でも意見が活発になった.しかし内容は亡くなった生徒への批判で学校側を擁護する意見が目立った.中には先生になる人が減る理由だ.と全く幼稚としか言いようがない謬見もあった. カンニングと教師の対応に目線が行き,生徒の自殺という最悪の結末を見えていないのではないかと心配になる. 「死」というのは人間において最後を表す言葉である.これを正当化させる事は決してできるものではない.

          倫理観の基盤が腐る

          専門性を持ったインテリクチャルな方々は原理原則社会の象徴であり,基盤があるから主張が揺るがないわけでそれを絶対的な価値として意見を乞うのは間違いではないか. 専門家とは専門化されたインテリジェントであることを忘れてはいけない.

          専門性を持ったインテリクチャルな方々は原理原則社会の象徴であり,基盤があるから主張が揺るがないわけでそれを絶対的な価値として意見を乞うのは間違いではないか. 専門家とは専門化されたインテリジェントであることを忘れてはいけない.

          帰国子女は何者か

          2000年代の急激なグローバル化により海外に企業が進出し、家族も移動するようになった.今現在では毎年1万人程度が帰国子女として日本にいる.しかし彼ら(彼女ら)は日本人とは違う.戸籍上は日本人でも価値観も文化も全く違う.彼らは何者なのか. 先に定義を確認すると帰国子女とは文科省の資料を参考にすると「1年以上海外に在留し、その後日本に帰国してきた児童」という定義になっている.ここでの児童というのは小学校から中学校までの9年間の義務教育課程における子どもである. その子どもたち

          帰国子女は何者か