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指標は正しいのか

エビデンスはあるんですか?
それってあなたの感想ですよね

一時期猛烈に流行り,今では小学生が煽る時の定番コメントになっている言葉になってしまった.

エビデンスは日本語で「根拠」と訳されることが多いが要は「データを出せ」ということだ.

よくそれって本当なの?という時にデータを引っ張り出すが意外にもデータは感想を伝えてしまうのだ.

データといっても大量の採取方法があって実験データに関しては有力な“エビデンス”になるに違いない.
(一部の機関がたまに嘘のデータを発表する事態が発生したりする)

しかしアンケートに関しては採取者の思想が混ざっていることが多くある.
NHKだったり朝日のアンケートがよく批判されているように感じる(僕の感想)が,そういうことである.

一番重要なのが信頼度が厚いデータが意外にも信頼が無かったりする話である.

そこで挙げたいのが「日銀短観」である.

日銀短観とは「全国企業短期経済観測調査」といい、 統計法に基づいて日本銀行が行う統計調査.
全国の企業動向を的確に把握し、金融政策の適切な運営に資することを目的とし 全国の約1万社の企業を対象に、四半期ごとに実施している.

要は企業にアンケートをとって会社の見通しを知るのである.この日銀短観はトレーダー含め、企業の財務部の人間は目を光らせている.

日銀短観の結果によって株価の変動が起こるほど大きな影響力を持っている.

しかしこの日銀短観にも欠点が存在する.それが、アンケート対象者の概要が見えにくいところである.

つまり、日銀短観のアンケート対象社の人間が、新人かもしれないし、ベテランの財務部の部長かもしれない.さらに言えば日銀短観は3ヶ月に一回の更新とはいえアンケート実施にはタイムラグが生じる.そのため日銀短観を如何に早く読めたとしてもデータは常に過去のものである.

そこを理解する必要があるのだ.流石に日銀短観のアンケートに関しては企業の役員にアプルーバルを取っていると思う.

しかし可能性には抗えない.

竹内薫さんが『99.9%は仮説』という本を出しているが、世の中に存在しうるモノは仮説に過ぎず証明は難しいのかもしれない.指標に絶対的な信頼を寄せている人をたまに見かけるが定説程度に抑えておくのが一番いい.

伊藤忠の不良債権4000億を一括処理した丹羽宇一郎氏もデータや情報以上に目で見た情報を絶対源としている.著書の『死ぬほど読書』の中で自身のキャリアの中で信頼度の高い「ニューヨーク・タイムズ」の情報を信頼したばかりに会社に大きな損失を出したことを記述している.

僕らが信頼を置く情報というのは案外脆弱で壊れやすいのである.

指標は正しい時もあれば正しくない時もある.これに尽きる.

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