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出会い

梅雨の時期なると蒸し暑さと雨によって自宅での待機が常になる.そして今年の夏は異常なほど暑く家への避難は余儀を許さない.

そんな外との関わりと隔てを作った時に求めたくなるのが出会いである.

時にセレンディピティとして人生に影響を与えるとして出会いは人生に必須なものだが,ちょっとした新しい1日を求める僕にはまだ未熟である.

そんな時の出会いの場が「梟書茶房」だった.

“表紙の見えない本屋”

本自体の価値は表紙に書かれている紹介文で決まる.それが誰の著書なのか.どんな内容なのか.それが分からない.

自分がパッと感じた本を手に取る.正に“出会い”なのである.

僕が巡り会えたのは『ロングテール byクリス・アンダーソン』だった.

僕はてっきり“現代予知の古典的名著”の言葉から周期的な関数グラフの本だと思い込んでいた.実際は“ロングテール”

ロングテールを知らない人のために付記すると売上のうち、売れ筋商品の総計以上に売れ筋ではないニッチ商品の総計が上回り、全体の利益はニッチ商品によって確率されることを表している.

要は一種類の生産に頼るモノカルチャー経済に比べて安定的で、健全なビジネスができるのである.

この概念が顕在化したのはAmazonが登場した頃の熱狂的なECブームがはじめであった.それまでは買い物は実店舗での“リアル”が通級され品揃えも店主の厳選商品に限った.しかしECサイトであれば実店舗は必要ないため、商品の保管場所さえ確保すれば自由な販売が可能になった.

そこで消費者のニーズに幅広く対応するために手を出して行ったのがロングテールの概念であり、不良在庫を抱えるリスクも省かれた.

ここで気づく方もいるだろうが、実は説明文の現代予知の著書とロングテールは対応しないのである.ロングテールの関数がy=log1/2xみたいな対数関数に似ているところに横軸に時間を代入したくなるが、実際は製品量を挿入する.ちなみに縦軸は人気度と書かれているが、これは売れ筋を表していると考えられる.

しかし最初の文に書かれている“バランス”の言葉からロングテールビジネスが表す幅広い消費者ニーズに対応した製品販売を表しているはずである.

本と紹介文のギャップから脳内でのコンフリクトが起こったわけであるが、読まなくては始まらない.ここは読んでから梟書茶房さんの言いたかったことを理解するべきである.

しかし今日は熱した鉄を纏っているかのようであり家へ流刑されたい気持ちでいっぱいである.

家に戻れば長い年月をかけて無造作に積まれていく本たちを見ることになり気持ちは外と同じようである.

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