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ACLの秋春制移行について

2023年から秋春制へ移行

ACL(アジアチャンピオンズリーグ)の日程が2023年から変更になります。
今までは2月から3月に開幕し12月に閉幕する春秋制でしたが、2023-24大会からは9月に開幕し翌年5月に閉幕する秋春制になります。

なぜ秋春制に移行したのか

世界のサッカー中心地であるヨーロッパでは秋春制が採用されています。
また、西アジア各国(サウジアラビアやカタールなど)も秋春制です。
しかし、東アジア(日本、韓国、中国など)は春秋制です。

当然自国リーグと同じほうが戦いやすいので、今回は西アジア各国の意向が反映された形と言えます。

2023-24シーズンは具体的にどうなるのか

ではこれからのスケジュールは具体的にどうなっていくのでしょうか。

2023年から2024年にかけて、JリーグとACLのスケジュール

図にするとこのようにシーズンにズレがあるのがわかります。Jリーグは年を跨がず行われるのに対して、ACLは年を跨いで行われます。

Jリーグの参加クラブからしてみると、Jリーグの後半戦からACLのグループステージを並行して戦うことになります。優勝争いなどが過熱する時期にアジア各国に遠征してACLを戦うのは大きな負担と言えます。

もっと問題なのはグループステージを勝ち抜いた場合です。ノックアウトステージが2月から始まるのですが、Jリーグのオフ明けの時期をなので選手の入れ替わりなどもあり、新チームとしての完成度が上がっていない可能性が高いです。

選手側からすると、グループステージを勝ち抜いたのにノックアウトステージを戦わずに退団する選手がいたり、逆に新加入の選手はグループステージを戦っていないのにいきなりノックアウトステージに臨むことになります。もちろん監督が変わることもありえますので、全く別のチームになってるかもしれません。

Jリーグも秋春制に移行すればいい?

ACLが秋春制に移行することを決定する以前から、Jリーグもヨーロッパに合わせて秋春制に移行することが議論されてきました。しかし、日本の地理的条件(主に降雪問題)など秋春制移行へのハードルがクリアできていません。
詳しくは→【Jリーグ】秋春制を考えてみる

ACLを見据えた戦力補強の考え方

Jリーグが秋春制に移行できない以上、ACLとのスケジュールとうまく付き合っていくしかありません。ACLに参加するクラブとしてはいろんな考え方があると思います。

まず、ACLの参加条件はJリーグ上位クラブと天皇杯優勝クラブです。つまり12月ごろに翌年のACL参加クラブが決定するわけですが、参加決定から実際のグループステージが始まるまで半年以上開くことになります

そうなるとグループステージを見据えた戦力補強は夏の移籍期間(7月、8月)でも良いということになります。Jリーグ前半戦を戦ったうえで、Jリーグ後半戦とACLに向けて戦力補強するという考え方です。

また、JリーグとACLのグループステージが終わった段階で冬の移籍期間(12月から1月)を迎えますが、グループステージで敗退していた場合とノックアウトステージに進出していた場合とでは補強の方針が違ってくるでしょう。

またこの段階で今度は次のシーズンのACLの参加または不参加も決まっているため、そこも考える必要があります。各チームの強化担当者にとっては非常に難しい問題が待っています。

ACL2023-24シーズンの参加クラブ

ACL2023-24シーズンの参加クラブは4つ。横浜F・マリノス(Jリーグ優勝)、川崎フロンターレ(Jリーグ準優勝)、ヴァンフォーレ甲府(天皇杯優勝)が決定しています。あと一つは5月に行われる2022シーズンのACL決勝で浦和レッズが勝てば、浦和レッズ(前年度ACL優勝)。浦和レッズが負ければサンフレッチェ広島(Jリーグ3位)になります。

そういう意味ではACL決勝に向けて補強しているレッズはともかく、サンフレッチェとしては、ACL2023-24への参加するかどうか5月にならないとわかりません。そのため参加することになった場合の補強は夏の移籍期間で行うしかありません。

また2023年が終わったときにマリノス、フロンターレなどACL参加チームのグループステージ結果がどうなっているか、そして23-24シーズンのACL参加チームがどうなるか、それによって補強はどうなるのか。シーズン制が変わったことによる各チームの変化に注目です。

ACLタイトルへのハードルは上がったと言えるかもしれませんが、逆境を乗り越えての日本勢のアジア制覇を願っています。

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