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檸檬読書記録 『死に支度』

今日の本は
瀬戸内寂聴『死に支度』

この本を読もうと思ったきっかけは、

瀬尾まなほ『おちゃめに100歳!寂聴さん』

だった。
瀬戸内寂聴さんの秘書である瀬尾まなほさんが、寂聴さんとの生活や出来事を綴ったもので、読後は2人の関係にほっこりすること間違いなし!(多分)
祖母と孫のような、和気あいあいとしたエピソードが、微笑ましくなる。結構瀬尾さんが寂聴さんにズバズバなんでも言ってて、そういう関係性も見てて楽しい。
読む前は正直、寂聴さんの本を『源氏物語』の現代語訳したものしか読んだことがなく、ほとんど知らなかった。
けれどなんとなしに興味を引かれて読んでみたら、全く知らないのに、一気に好きになってしまった。タイトル通りに、なんとおちゃめなんだろう!と。だけどおそらくその可愛さを引き出してるのは瀬尾さんで、彼女がいてこそなんだろうなと、そう思うとじーんともしてしまった…。


話を戻して『おちゃめ』を読んで、2人の関係性を好きになり、その上本の中で、瀬尾さんはよく寂聴さんに手紙を出していたのだけれど、返事はもらったことはなく…けれど初めて返事をもらえた。それは『死に支度』という本の中でだった(みたいなことが)書かれていて、手紙好きとしては、読んでみたい!と思った。
ただ、そう思ったのも『おちゃめ』を読んだのも随分前で、読もう読もうと思いつつも、読めずにいた。
『死に支度』を読む前に、瀬尾さんの

『命ある限り、笑って生きたい』

これは寂聴さんとの対話形式で書かれた本。
そして

『寂聴先生、ありがとう。 秘書の私が先生のそばで学んだこと、感じたこと』

を読んだ。
この本は、寂聴さんに対する愛情がたくさん詰まった本。
瀬尾さんが結婚するまでが書かれていて、よく寂聴さんが瀬尾さんに結婚するまでは死ねないから早く結婚して(みたいなこと…またもやうるおぼえ)を楽しそうに話してるシーンを読んでいたから、最後に結婚したことについて書かれた箇所を見た時は、叶ったと親戚のごとく嬉しくなってしまった。

そんなこんな、3冊も読んでいるものだから、2人への親近感は最高潮に高まっていた。
そして満を持してようやく読んだのが、今回の『死に支度』。
読む前に3冊読んだからこそ、この本の良さが増した。

話は、寂聴さんが91歳の誕生日を前に、今まで寂聴さんのところで働いていたスタッフ達が一斉にやめてしまうところから始まる。
そこでただ1人残ったのが、モナという秘書(名前は違うけれど、瀬尾まなほさん)だけで、2人の生活が描かれている。
けれど内容のほとんどは寂聴さんの幼い時の記憶とか、親しくしていた人達との思い出だとかだ。
その中の合間のほんのちょっとだけ、2人の微笑ましいやりとりが挟まっている。
そのやりとりはどれも微笑ましくて、あまりにも楽しそうな2人のやりとりに、思わず笑ってしまうほどだった。
特に内臓の話が面白かった。


肝心の手紙は?というと、なかなか出てこず、違う本だったのか?と少し焦るほど出てこなかった。だがそう思って読み進めていったら、最後の、本当に最後に出てきた。しかも寂聴さんの返しの手紙で終わるのだけれど、その締め方が凄くよかった。
待ちに待っただけに、よりよかった。読んでよかったと思えた。

ただ、個人的には読んでよかったし、おすすめしたいのだけれど、寂聴さんをある程度知ってる人でないと、楽しさ半減かもしれない…と感じた。
だから、瀬尾さんの書かれた作品のどれかを読んでから読むのがいいかもしれない。特に『おちゃめ100歳!寂聴さん』とか。



寂聴さんとモナ(瀬尾さん)のやりとりを思い出してクスリとしつつ、今回は閉じようと思います。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
ではでは。



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