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檸檬読書記録 『英国屋敷の二通の遺書』『100万回死んだねこ』

今日の本は
R・V・ラーム『英国屋敷の二通の遺書』

元警察官のアスレヤは、代々主が悲惨な死を遂げているグレイブルック荘に招かれる。
それは現当主が命を狙われているらしく、何かあった場合に調査してもらうためだった。
そして命を狙われているために、遺書を書く。それも二通。どちらが適用されるかは、当主の「死に方」によって決まる。
一通は寿命で死んだ時のもの、もう一通は当主が不自然な死に方をした場合に開けられるという。
けれど悲劇は訪れ、アスレヤは謎を解くことになる。
といった内容。

この本は何の気なしに手に取ったのだが、結構惹き込まれた。
二通の遺書、それも死に方によって決まるというのも興味を惹かれるが、事件が起きるまで誰が殺されてしまうのか、それは当主なのか、それとも違う人なのか、そう思いながら読み進めるからドキドキワクワクする。
事件が起きた後も、あまりに容疑者が多く、その上人間関係や背景も複雑に絡み合って、最後の最後まで楽しめる作品だ。

なんといっても、主人公アスレヤがいい。凄く魅力的。紳士的で、観察眼が鋭く冷静沈着。何よりも手際がいい。
自分もこうなれたらなと、憧れてるしまう。
ただあまりにも手際がいいから、壁にぶち当たりながらもどうにかこうにか謎を解いていく、といったのがお好みの方には少し物足りないかもしれない。
個人的にはそういうのも好きだけど、こういうのもいいなと思った。いや、こっちの方が…。
凄くストレスなく読める。

この本には続編があるらしく、是非翻訳されてほしいと願わずにはいられない。

もう1冊は
福井県立図書館『100万回死んだねこ 覚え間違いタイトル集』

話題になっていたため、読んでみた。
サクッと読めて、クスリと笑える。
最初にQで実際に聞かれた、うる覚え大まかなニュアンスや内容が書かれていて、その後にAでこちらでしょうか?と答えが続く。そしてどこを引っかかりに導いていったのかが、最後に書かれている。
覚え違い方が妙にセンスがあり、思わずほぅと関心してしまうほどだった。答えの後に続く言葉も、ソフトで優しいツッコミなのだが、それがまたニンマリしてしまう。
答えを見る前に自分で予想したりとできるから、脳トレのようなクイズのようにもなって楽しい作品だ。

自分もよくふわっとタイトルや著者を覚えているから、覚え違いするのも分かるなと頷きつつ、今回は閉じようと思います。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
ではでは。




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