キロ

道草太郎。俺は熱した鉄球言葉しか使いませんので、軽やかに躱してください。

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マガジン

  • 『君の言葉がわかりたい』本編

    読むレモネード『君の言葉がわかりたい』の本編一覧です。話す言葉の異なる二人が共に生きていく、架空のドキュメンタリー作品です。

  • レモーノとミエル

    本編以外のレモーノとミエルに関する作品をまとめています。

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    突然の登録、失礼いたします。読みかけの記事、繰り返し読みたい記事など。

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🍋🍯本編 第一章 ありがとう

※初めての方は、以下『はじめに』の記事をご一読ください。  遥か遠い旅路を終え、辿り着いたその場所は、青と黒の狭間にある色をした、巨大な森だった。みっしりと生えた木々だけでなく、腰ほどもある高さの雪に覆われて、数メートル先に何が潜んでいるかもわからない森だ。 「ここが……君の生まれた場所か……本当に、あったんだね……」 「そう。そして、私たちが死ぬ場所」  不思議と恐ろしさはなく、これまでの道を支えてきた杖を地面に突き立てると、私はレモーノと手を繋ぐ。老体に鞭を打ち、彼

    • 「ちゃんとしよう」と思う

      別に、誰かの定義で「ちゃんとする」ではない。 そもそもポンコツなので、みんなに合わせようと頑張っても、高が知れている。 私が周りを見ていると、蝶を追いかけてはぐれたり、空を見上げてぼんやりし始めたり、手元足元がお留守になり、肘や足の小指を強打して痛い目を見るだけだ。 殿(しんがり)を務めているパワフル存在に手を繋いでもらって、「置いて行かないで」とべそをかきながら歩いていくことにする。 敵に追い付かれたら追い付かれたで、そっと混ざって、またその群れの最後尾まで転がっていこう。

      • 蜂蜜の歴史に関する本を読み始めた

        食べ物は不思議だ。 今も食卓に並ぶ全ての食べ物は、遠い遠い先祖の誰かが口にして、生き残ったから並んでいる。 今、レモン栽培と養蜂について学んでいる折に、ハチミツの歴史に関する本が目に留まって、少しずつ読んでいる。 段落ごとに新しい知識を得て、メモ帳やら辞書やらGoogleやらを開いているから、遅読だ。 歴史の授業も生活史や技術史を習いたかったが、藤原氏が出てきた辺りから、歴史の教科書は、政治史と戦争史に変わっていった。 たまに美術史が出てくるだけで、それも有名だから取り上げ

        • 恋愛感情だけ、スタート地点を他の人と分ける必要性は?

          『君の言葉がわかりたい』を書いている背景となる思考の一つに、「私たちは特定の恋愛物語を刷り込まれて、自分もその物語のように恋をし、人を愛するものだと思い込まされているのではないか」という疑問がある。 私は、物心がつく前、フルハウス、セサミストリート、ディズニーアニメ、魔女の宅急便、となりのトトロを見まくっていた。 中学生の頃に、フランス語を履修する機会があり、その折、フランス語の音楽(主にラブソング)をよく聴いていた。 少女漫画も、よく読んだものを三選するに、カードキャプタ

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        🍋🍯本編 第一章 ありがとう

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        • 『君の言葉がわかりたい』本編
          19本
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          7本
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        記事

          おつかれさま

          おつかれさま

          定住&ご近所付き合いの話は嫌というほど聞かされるけど、流浪&現地民付き合いの話は全然聞かないな。

          定住&ご近所付き合いの話は嫌というほど聞かされるけど、流浪&現地民付き合いの話は全然聞かないな。

          仲間と冒険する話が大好きだ

          日本での拠点作りを考え、同居人について考えている折、掃除と定着が苦手な私は、旅の仲間がほしくなってきた。 小さい頃から、私は指輪物語(小説)とファイナルファンタジーシリーズに夢中だった。 仲間たちと旅をする物語で、特にドワーフが出てくるからだ。 FF4のシドが昔から好きで、毛むくじゃらのエンジニア(職人)というのは、私の心を掴んで離さない。 この間、ついにリヒテンシュタインでノームの飾り物を買ってしまった。 『ウチの使い魔がすみません』もファンタジー冒険漫画だ。 暫くの間

          仲間と冒険する話が大好きだ

          わかったような口を聞いても面白くないな

          ミエルとレモーノの16Personalitiesを診断してから、暫くそのことに夢中になっていたが、やはり二人の性格は、「こういう設定ですよ」と語るのではなく、二人のやりとりに反映する形で表現していきたい。 それに、ミエルはINFJだからとか、レモーノはENFJだからとかの先入観を持って、彼らを見られるのも面白くはない。 勿論、物語の読み方楽しみ方は自由でいいものだが、ミエルが先入観で苦しんできたことを考えると、作者の側では控えておくかと自制心が働き出した次第である。 本編も

          わかったような口を聞いても面白くないな

          さくらんぼの実る頃

          さくらんぼの実る頃

          レモン栽培と養蜂ができる地域から引越し先を探すレモネードオタクの俺

          レモン栽培と養蜂ができる地域から引越し先を探すレモネードオタクの俺

          【レモミエ制作メモ】人の力を借りるために(2)

          レモーノとミエルの物語を実写映画にしたい。 制作チームや役者さんがインタビューを受けた記事を全て集めて、資料館を作りたい。 石像を彫り上げて、有名な待ち合わせ場所にしたい。 身の回りの品を全て関連グッズにしてしまいたいし、レモーノとミエルのことだけ考えて生きていたい。 だが、人の力を借りるには、無償とはいかない。 制作に関わるにしても、作品を受け取ってもらうにしても、まず生活してもらわないと、受け渡しが成り立たないからだ。 こちらからも差し出さなければ、イーブンにならずに、

          【レモミエ制作メモ】人の力を借りるために(2)

          確かに在る感情を描く

          『君の言葉がわかりたい』は、二人の人間が共に生きていくことを選ぶ物語だ。 コンテストに応募するかを考えている折、そもそもnoteに公開する作業をしている最中から悩んでいることだが、「性欲」をどこまで描くのか、決めかねている。 私がレモーノとミエルの物語を描くにあたって、禁止したことが一つだけある。 それは、二人の物語をポルノ作品にすることだ。 私はこの物語を通じて、人を信じる勇気と、人に助けを求める勇気を描きたいと考えている。 それなので、情欲を煽ることではなく、恐怖を鎮め

          確かに在る感情を描く

          応募だけでもしてみるか?

          どうなんだろう。 映像化はめちゃくちゃしたいけど、正直自分のペースでやりたいし、どこの誰と協力するかも自分で決めたい。 私としては、名作や人気作ではなく、みんなの処女作や意欲作を作りたいのだ。 私自身、地球人の体で生きることから初心者なので、なんかすごく強い飼い主から見つけないと、MP不足と金欠でしぬ。 なんならもうちょっと諦め始めている。 とはいえ、コンテストというものは、勝つことよりも、土俵に立つことの方が重要かもしれない。 要は、エントリーすることだ。 自分の活動に期

          応募だけでもしてみるか?

          レモーノの「わかりたい」は「分けてほしい」だったか

          『君の言葉がわかりたい』のタイトルを今一度考え直していた。 物語を書くとき、私は厳密な設定をしない。 レモーノとミエルも、「レモンとはちみつのような二人で、溶け合ってレモネードのような関係になる」の設定しかしなかった。 絵を描くためにある程度の見た目も決まっているが、実写化を考えている以上、金髪と白い肌しか設定はないし、もし役者の人が黒髪や茶褐色の肌なら、チョコレートやコーヒーのような設定で物語を書き直すだろう。 人種差別的になるかもわからないが、私にとって、色彩とモチーフ

          レモーノの「わかりたい」は「分けてほしい」だったか

          🍋🍯本編更新 第七章を公開しました。 https://note.com/lemonadebook/m/m652f5d21b787

          🍋🍯本編更新 第七章を公開しました。 https://note.com/lemonadebook/m/m652f5d21b787

          【更新中】第七章 完成することがない言葉(3)

           ホテルのバスタブは広くて、二人でも入れるサイズだった。スイートルームで、二人向けの宿泊券だっただけに、色とりどりの花が浮かべられていた。 「綺麗だね、とても可愛い」 「レモーノは、本当に大変な人生を歩んできたんだ」 「簡単ではなかった」 「君のことで、ずっと不思議なことがあるんだ。でも、レモーノが説明できるかわからない」 「何? 全部聞いていい」 「なんで、僕のこと怒らないの? レモーノより、ずっと簡単な人生を送ってるのに、甘えん坊っていうか、人に頼ってば

          【更新中】第七章 完成することがない言葉(3)