松浦徹 tohru matsuura

演出家/脚本家 映画/ギミー・ヘブン(06) 舞台/恋と革命(09)七日目にボクはキミ…

松浦徹 tohru matsuura

演出家/脚本家 映画/ギミー・ヘブン(06) 舞台/恋と革命(09)七日目にボクはキミと(18) TVドラマ/ヒミツのアイちゃん(21) TV番組/小泉今日子50歳NY(16)など noteにて小説『2025クライシスの向こう側』連載中

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自己紹介

見切り発車的に 小説の連載を始めてみて1ヶ月ほど経ちました。 発信ばかりもどうかと思い、 勉強も兼ねて数日前から note内のブログなどを ちょっとずつ読み始めています。 ”今日のあなたに”とか” おすすめのクリエーター”などに あがっているものを読んで、 共感した文章や可愛らしい文章に "スキ"してみてます。 そこで気づいたのが 皆さん自己紹介をしていらっしゃる。 で、マネしてみることに致しました。 ちなみに今回の表紙ですが 歌舞伎が好きなので、 初自己紹介ということで め

    • 【連続小説】2025クライシスの向こう側 10話

      連続小説 on note 『2025クライシスの向こう側』 第1部 愛尊と楓麗亜の七日間 第10話 これはね、予感じゃなくて確信なの真冬のカブトムシ 大江は早速、 レコーディングのため、 フリーライブのため、 打ち合わせを始めた。 大江が最初に集めたのは、 レコーディングチーム。 メーカーのA&Rの栗田、 レコーディングエンジニアの沖田、 マスタリング担当の村松と そのエンジニアの岩田の5名。 楓麗亜が大江に渡した 参加ミュージシャンリストを元に、 栗田は各エージェン

      •  新しい明日へ

        「先生、世界は変えられますか?」 これは、2007年4月期のフジテレビの連続ドラマ 『わたしたちの教科書』の第1話冒頭のセリフだ。 いじめにあう女生徒は、 新任教師にこの言葉を残して、 自らの命を断つ。 「この世界は変えられますか?」 今、日本をはじめ世界中で、 それぞれが抱える状況は違えど、 この女生徒と同じ気持ちを抱く人が きっとたくさんいる。 僕自身、 そんな気持ちを込めて、 noteにて今、 小説まがいのものを 連載している。 組織票というものが今すぐ 消

        • 【連続小説】『2025クライシスの向こう側』9話

          連続小説 on note 『クライシスの向こう側』 第1部 愛尊と楓麗亜の七日間 第9話 ずっとそばにいてくれるかな?1日目ふたりはなんのためらいもなく前を見た 「こんにちは。はじめまして。八雲愛尊といいます」 愛尊は先に挨拶して頭を下げた。 楓麗亜も頭を下げて挨拶する。 「はじめまして。樹楓麗亜です。よろしくお願いします」 そこへコーヒーを乗せた盆を持って 大江が戻ってくる。 「挨拶は済んだ感じ?」 と愛尊を見て楓麗亜を見る大江。 楓麗亜が頷く。 「じゃあ、もう、紹介抜

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          土曜日の午後3時というマジックタイム

          土曜日の午後3時は古への入り口 インスタのタイムラインに、 まあアルゴリズム的なやつだと思うけど、 謎のシャッフルビートでおすすめが 上がるじゃないですか? それで、たまたまさっき インスタ開いたら、 おすすめで おそらくヴァイオリニストの方だと 思うんですが、 (ヴァイオリンを抱いて 写真撮られていたので) ririko takagiさん。 (もちろん縁もゆかりもございません) の投稿が上がってて、 終演後の楽屋通路で 演者さん2名と撮った 写真が載っていて、 2枚の写

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          【連続小説】『2025クライシスの向こう側』8話

          連続小説 on note『2025クライシスの向こう側』 第1部 愛尊と楓麗亜の七日間 第8話 first contac1 少女は歪んだ世界でインプットする 2020年の12月。 自宅と会社とスタジオを兼ねた家が 都立大学駅の方に完成した。 生まれてからずっと住んでいた 代官山のマンションから 引っ越しをすることになった。 代官山のマンションは、 3Fに家族が住む家があり、 一つ上の最上階にスタジオとオフィスがあった。 いつもクロックスをつっかけて、 スタジオへと胸を弾ま

          【連続小説】『2025クライシスの向こう側』8話

          心地よい夜

          只今、絶賛8話執筆中でございます。 ちょこっとやることが重なったり、 連載開始以来の難産だったりで、 今夜か明日に公開できたらいいなと思っております。 繋ぎでひとネタ。 先週末に、友人の彼氏と 友人(もう20年以上の付き合いになる 年上の女ともだちというか先輩)抜きでの 初のサシ飲みを、 これまた人生初の上石神井で開催。 もっとギクシャクするかと思いきや、 楽しいひと時を過ごせました。 その帰り道に自宅の 近所の飲み屋に “締めの一杯"をと思い ふらりと一人入りました。

          【連続小説】『2025クライシスの向こう側』7話

          連続小説 on note 『2025クライシスの向こう側』 第1部 愛尊と楓麗亜の七日間 第7話 充実する少女ともだち パーソナル情報を ほぼ明かさないというやり方が功を奏したのか、 やはり大掛かりな大手メーカーによる プロモーション露出の効果なのか、 デビューアルバムは予想を 大きく超えた売上をマークした。 日本はもとより、韓国、中国、アメリカ、 カナダ、オーストラリア、フランス、 イギリスから取材要請があったが、 回答はすべて活字によるものだけにした。 ムービーの露

          【連続小説】『2025クライシスの向こう側』7話

          【連続小説】『2025クライシスの向こう側』6話

          連続小説 on note 『2025クライシスの向こう側』 第1部 愛尊と楓麗亜の七日間 第6話 覚醒する少女『Ironic』と『太陽がしずむ街』 ワタシの世界を広げたふたつのもの。 ひとつは音楽。 ある夜、怖い夢を見て目を覚ましたワタシが リビングに行くと、パパがCDを聴いていた。 アラニス・モリセットの 『Jagged Little Pill』というアルバム。 すぐに、「あ、声が好き」そう思った。 もの心つくとママから英語を教わっていたので、 歌詞の意味は分かった。

          【連続小説】『2025クライシスの向こう側』6話

          【連続小説】『2025クライシスの向こう側』5話

          連続小説 on note 『2025クライシスの向こう側』 第1部 愛尊と楓麗亜の七日間 第5話 予感する少女樹 楓麗亜 イントロダクション 二重の防音ドアをパパが閉めてくれる。 ガスボッ。間。ガスボッ。 この気圧が変わる瞬間が好き。 宇宙的な真空感。 今日もいいことが起きる予感。 パパが弾く歪んだギターの音が アンプから大音量で聴こえる。 ワタシは膝を抱えて パパの傍に座って音の中を浮遊する。 沢山の音が溢れている。 意図的に鳴らされた音とそうでない音。 すべて

          【連続小説】『2025クライシスの向こう側』5話

          22年前の思い出

          2002年6月4日。 日韓W杯 予選リーグ初戦。 日本vsベルギー戦。 3日前ですか、 ちょうど22年前のこの日、 サッカー日本代表にとっての 歴史的な日でしたね。 W杯で初めて勝ち点を取った試合。 この試合観に行きました。 今でもこうしてチケットは 記念に取ってあります。 この日のことは 鮮明に記憶に残っております。 前の晩から遠足気分で、 思わず早起きしたりなんかして。 試合は夜でしたが。 目黒から浦和美園まで電車で行きました。 どんなコネクション使ったのか 知りません

          【連続小説】『2025クライシスの向こう側』4話

          連続小説 on note 『2025クライシスの向こう側』 第1部 愛尊と楓麗亜の七日間 第4話 最後の晩餐と夢のつづきさよならリチャード リチャードは何も食べないし飲まない。 だから最後の晩餐とはいうものの普段の自炊と変わらない。 近所のスーパーで魚を買った。 赤ワイン2本と第3のビールを買った。 そしてパン。それから野菜。 一応ダヴィンチの 『最後の晩餐』によせたメニューにしてみる。 魚は鱈にしたので、洋風の煮込みを作った。 トマトと玉ねぎと鱈の切り身を煮込んでいく。

          【連続小説】『2025クライシスの向こう側』4話

          束の間のつぶやき 連載中

          何週間か前から本当になんの脈略もなく、 小説を連載してみようと思い立ち このところ日常の隙間をこの連載に 捧げております。 1部完結まで全10話〜11話になる予定です。 その後少し時間をおいて、2部を連載して 全編を完結していこうと思っております。 昨日は、というか一昨日晩から ほぼ今朝方までどっぷりと4話〜6話までの 構成をしつつ、4話を書いてました。 普段仕事だと、 プロデューサーからの意見やらを 反映して直したり、その意見から インスパイアされて思いついた 展開に

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          【連続小説】『2025クライシスの向こう側』3話

          連続小説 on note 『2025クライシスの向こう側』 第1部 愛尊と楓麗亜の七日間』 第3話 さあ、旅立ちだ。とリチャードは言って微笑んだ -その2- 1 「今を生きろ。信じるな、疑え」とリチャードは言った 「なぜ僕を選んだんですか? 他にも自ら命を絶とうしている人や殺人を犯している人はいるのでは?」 よりによってリチャードが僕なんかを 選んだ理由がさっぱり分からない。 「その通りです。君なんかよりももっと過酷な境遇の元、無責任な悪意で苦しめられ辛い思いをしながらも

          【連続小説】『2025クライシスの向こう側』3話

          【連続小説】『2025クライシスの向こう側』2話     

          連続小説 on note 『2025クライシスの向こう側』 第1部 愛尊と楓麗亜の七日間 第2話 さあ、旅立ちだ。とリチャードは言って微笑んだ -その1-リチャードが教えてくれた世界の始まりとルール 僕はリチャードを見つめていた。 屋上のフェンスにもたれるようにして。 自力では、とても立っていられなかった。 生まれて初めての経験なので 正解かどうかは分からないが、 これが腰が抜けるというやつか? 下半身にまったく力が入らない。 「私の身体が見えると安心しますか?」 相変

          【連続小説】『2025クライシスの向こう側』2話     

          【連続小説】『2025クライシスの向こう側』1話      

          連続小説 on note『2025クライシスの向こう側』 第1部 愛尊と楓麗亜の七日間 第1話 第五種接近遭遇八雲愛尊 プロローグ 乾いた夜の匂いがする。 音はすべて空から降ってくるようだ。 救急車のサイレン、クラクション、 誰かの楽しげな声、誰かと誰かが罵り合う声、 誰かの靴音、それから酔っ払いの寝息も。 地上には僕の引きづるような足音しかしない。 もうかれこれ1時間半は 真夜中のオフィス街を歩き回っている。 1ヶ月も前から 今夜決行することを決めていたというのに。

          【連続小説】『2025クライシスの向こう側』1話