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発達障害(ADHD)の夫・娘と暮らしています。日々障害への理解と憎悪を行きつ戻りつして…

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発達障害(ADHD)の夫・娘と暮らしています。日々障害への理解と憎悪を行きつ戻りつしています。 同じような境遇の方、結婚前の方のヒントになれば幸いです。

最近の記事

夫の発達障害【夫婦でいる理由②】

交際当初私が彼に安心した理由の1つに、彼の不器用さがあった。 実父は母との家庭と、もう1つの家庭を股にかけていた人だったので、 私は小さい頃から男性というか男女の仲そのものに何の希望もなかったし、結婚制度自体に不信感をもっていた。 また、生まれながらにして実父には私以外にかわいがっている子どもがいたのだから、自分のルーツや価値なんて信じられるはずもなかった。 それ故、私は女心を知っている男性に対して、本気になることはなかった。 そんな器用な人が自分を心から愛することなどな

    • 夫の発達障害【夫婦でいる理由①】

      これから先のことは分からないが、今現在私たちは夫婦でいる。 その理由は、何だろう。 自分でもよく分からなくなることはこれまでに多々あった。 「彼のよさって何?」 「彼といるメリットは?」 「誰か教えてよ」 毎朝毎晩、そうやって悶々と過ごす日々があった。 娘にとって、何が一番の選択なのか。 考えても考えても分からない。 彼と娘との関係性が、今後どうなっていくのか。 娘は父親との信頼関係を築けるだろうか。 もしかすると傷つくばかりなのだろうか。 私自身、父親がいないこともあり

      • 夫の発達障害【捉え方の変化②指摘しなくなってから気が付いたこと】

        夫と私は、情報処理速度が著しく違う。 結婚して間もない頃、腰をかがめて探し物をしている夫の背中にふざけて丸めたティッシュを投げたとき、何のリアクションもなくふつうに会話をしていた夫が30秒ほどしてから「あれ?(何か当たった?)」と背中に手を回したときは驚いた。 「いま⁈」とかなりびっくりして噴き出してしまった。 遅い。とにかく反応が遅い。 これについても2人で話したことがり、そのとき分かったのは、この「遅さ」にも段階があるということだ。 まず、 ①情報が脳に伝わるまでの遅さ

        • 夫の発達障害【捉え方の変化①何度も同じことを繰り返し伝える必要性】

          夫との暮らしの困りごとは、はっきり言って減らない。 仮に1つ改善されたように見えたとしても、今度はその分他のことが抜けるし、数日たてば元に戻る。 何度も書くけれど、【しない】のではない、【できない】のだから仕方がない。 私はつい数か月前、夫に首を絞められかけたことで、彼の異常さをほんとうの意味で認識した。 そのおかげで彼が障がい者であることを受け入れられたのだから皮肉なことだが、これは、私たちにとってかなりの「前進」だと思っている。 それまでの私は、彼が特性をもっている

        夫の発達障害【夫婦でいる理由②】

        • 夫の発達障害【夫婦でいる理由①】

        • 夫の発達障害【捉え方の変化②指摘しなくなってから気が付いたこと】

        • 夫の発達障害【捉え方の変化①何度も同じことを繰り返し伝える必要性】

          夫の発達障害【子どもについての決断】

          夫と暮らし始めてすぐ特性に気が付いたため、私は当然子どもへの遺伝についても調べていた。 夫はもともと結婚願望があり、子どももほしがっていた。 けれど、妊娠や出産に関する知識はまるでない。 そもそも私たちは2人して晩婚であるために、起こり得るトラブルを数えればいくらでもありそうだったが、 夫はただ夫が知っている他の人がそうであるように、望めばすんなり授かって、生まれさえすれば子どもが健やかに育つことだけをイメージしていた。 私はまず、自分たちの自然妊娠率と妊娠中に考えられる

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          夫の発達障害【子どもについての決断】

          夫の発達障害【日常の困りごと⑩「同じ」へのこだわり】

          とても特徴的だなあ、といつも思う夫の特性が、「同じもの」「同じ場所」「同じ道」「同じ店」へのこだわりだ。 たとえば、かつての夫は毎回隣の市の美容院を利用していて、 行き帰りに1時間半、ヘアカット、パーマに2時間、トータルでおよそ4時間くらいをかけて散髪に行っていた。 結婚当初はよほどその店を気に入っているのかな、と解釈していたのだけれど、 よくよく聞いてみると、とくにそこが他店よりテクニック的に優れているとか、担当スタッフの方と親しいとか、人柄を気に入っているだとか、そう

          夫の発達障害【日常の困りごと⑩「同じ」へのこだわり】

          夫の発達障害【日常の困りごと⑨ケアができない】

          夫は、自他ともに身体的・精神的ケアができない。 これは、ほんとうに生死に関わることなのでとても重要な課題だ。 どういうことかというと、 たとえば今、我が家の娘は初の手足口病を経験しており、体のいたるところに発疹があって痛々しく見える。一昨日は発熱もした。 さすがに夫も、ひどくなってきたときにこの発疹には気が付いたようだった。 けれど、それで彼の行動がいつもと変わるかというと、そうではない。 「何か発疹がでているな」 以上、終わり。 まして発熱にいたっては、目に見えない現象

          夫の発達障害【日常の困りごと⑨ケアができない】

          夫の発達障害【結婚前に気付かなかったのか】

          実際に発達障害のパートナーと暮らしたことがない人の中には、きっと不思議に思っている方もいるだろう。 「そんな人、結婚前にどうして気が付かなかったの?」と。 私の場合、「気が付かなかった」というよりも、「知らなかった」という方がしっくりくる。 正直に言えば、「ん?」「あれ?」と思うことはあった。 たとえば、

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          夫の発達障害【結婚前に気付かなかったのか】

          夫の発達障害【日常の困りごと⑧自他境界の欠如】

          夫の特性で、厄介だなあと思うことは数あれど、自他境界のなさもその1つ。 自他境界とは分かりやすくいうと、「自分と自分以外の人間を別ものとして認識する」こと。 参照:「誰にでもいえる自他境界」|ADHD-COACH この部分が曖昧だと、「自分が思っていることは他のみんなが思っていること」だと思い込む。 たとえば、自分が楽しければ相手もきっと楽しいはずだし、自分が好きなものは相手もきっと好きに違いないと信じてしまう。 夫の場合もまさしくこれ。 この性質から、私がとくに困

          夫の発達障害【日常の困りごと⑧自他境界の欠如】

          夫の発達障害【日常の困りごと⑦暴言暴力(2)】

          1度目の暴力のあと、私が彼を以前のように信頼することは難しかった。 ああ、この人は理性が飛ぶ人だ、と知る前に戻ることはできない。 それでも、してほしいことを伝えれば、文句を言わずにしてくれる。 私が仕事で1日いないときは、娘のために自分の仕事を調整してくれる。 彼のそういうところが、歪ながらも何とか3人でいることを継続させた。 とはいえ、現在はほとんど別居状態にある。 一緒にご飯を食べるのは週に1度彼が休みの日だけだし、彼は普段別の所に寝泊まりしている。 「日付を跨いで

          夫の発達障害【日常の困りごと⑦暴言暴力(2)】

          夫の発達障害【日常の困りごと⑦暴言暴力(1)】

          夫は、とにかくキレやすい。 これは家族を継続するうえで、とても重要な課題だと思う。 はじめから暴力があったわけではない。 当初からもめごとは頻繁にあったけれど、第1段階では、彼は家を飛び出すことでパニックを落ち着かせようとしていた。 夜中だろうが明け方だろうが、 「めんどくさ」 「無理」 と言って、話を勝手に切り上げて飛び出していた。 私はそれまでそんな人に会ったことがなかったので、 「え? 話ができないって何、どういうこと?」 ととにかく混乱した。 だって、それで何が

          夫の発達障害【日常の困りごと⑦暴言暴力(1)】

          夫の発達障害【救世主願望(メサイアコンプレックス)】

          前回の記事で、夫の根底に「人の役に立ちたい」という想いが強くある、と記した。 そして、彼がその気持ちを表出させるたびに、私はいつも不健全な匂いを嗅ぎ取っていた。 簡単にいえば、「度が過ぎる」「距離感がバグっている」「相手を選ばない」というところに。 それはたとえば、ボランティア活動に生きる意味を見出し過ぎている人や、 被支援者のニーズを無視して、「わかる、わかるわ~」と支援者側であることに優位性を見出しているような人に感じるものとほとんど同じだと思う。 たとえば、以下は

          夫の発達障害【救世主願望(メサイアコンプレックス)】

          夫の発達障害【日常の困りごと⑥心と頭と体の不一致】

          夫とのコミュニケーションを困難にしている要因の1つに、彼の心と頭と身体表現の不一致が挙げられる。 これは、彼ととことん向き合っていた時期に時間を掛けてヒアリングする中で得た感覚なので、 もしも彼自身の言葉で表せる日がきたら、実際は違う現象なのかも知れない。 でも概ね彼の言い分とも符号するので、そう的外れでもないだろうと思う。 どういうことか、というと。 たとえば、彼はよく、パニックを起こして暴言を吐く。 妊娠中も、 「おお、妊婦さまさまだなあ。奴隷扱いしやがって」 と言

          夫の発達障害【日常の困りごと⑥心と頭と体の不一致】

          夫の発達障害【日常の困りごと⑤常識と社会性の欠如】

          夫と暮らしていると、驚きのあまり呆然としてしまうようなことが頻繁に起こる。 サイズを測ってメモしていったのに全然違うサイズを買ってくるとか、 我が家では使ったこともないしょう油を「(スーパーに)これしかなかった」と言って買ってくるとか。(そんわけない) 買い物はとにかく苦手だろうに、これらを勝手にするので私には止めようもない。 私がした方が速いし正確なのに、なぜかいつも黙って1人で行くので、 本人からすると買い物はそれなりに楽しいのだと思う。 けれど、こんなものは驚くう

          夫の発達障害【日常の困りごと⑤常識と社会性の欠如】

          夫の発達障害【日常の困りごと④他責と自己愛性パーソナリティ障害】

          前回の記事で破壊王である夫について触れ、「謝らない」ことについて少し書いた。 物を壊しても、「不良品だわ」「俺とは相性が悪かった」と、 物のせいにして自分の使い方が悪かったなんて思いもしない。 (ほんとうは、心の深いところでは感じているとは思う) これは当然夫婦関係にも同じ法則が適用されるため、 何かもめるたびに(そしてこれまで書いてきた通りもめごとは非常に多かった)、彼の言い分は、 「お前が俺をムカつかせるからだろ」 「お前が傷ついてるのはお前の問題だろ」 である。 帝

          夫の発達障害【日常の困りごと④他責と自己愛性パーソナリティ障害】

          夫の発達障害【日常の困りごと③破壊王】

          まだ会話のあった時期、私は夫のことを、デストロイヤーと呼んでいた。 「破壊王」である。 夫は、とにかく物をよく壊す。 お気に入りの食器を割られたことは数知れず、夫自身の革靴はどんなに質のいいものを買っても1か月でボロボロになるし、 切り花用のハサミも馬鹿力で壊すし、彼のシャツやスーツのボトムには変なところに穴が開いている。 これは、夫が体の使い方が上手くないことと関係している。 当事者の方とのやりとりでもよく聞くけれど、指先に込める力の加減ができない、とか腕や足が動く範囲

          夫の発達障害【日常の困りごと③破壊王】