夫の発達障害【子どもについての決断】

夫と暮らし始めてすぐ特性に気が付いたため、私は当然子どもへの遺伝についても調べていた。

夫はもともと結婚願望があり、子どももほしがっていた。
けれど、妊娠や出産に関する知識はまるでない。
そもそも私たちは2人して晩婚であるために、起こり得るトラブルを数えればいくらでもありそうだったが、
夫はただ夫が知っている他の人がそうであるように、望めばすんなり授かって、生まれさえすれば子どもが健やかに育つことだけをイメージしていた。

私はまず、自分たちの自然妊娠率と妊娠中に考えられるリスク、出産時の死亡率などについて夫に説明した。
その時点では、なるほど、そうなのか、という感じでまだ他人事で聞いていた夫だが、
「陣痛のときは人格が変わって、あなたを罵るかもしれない」
と言ったとき、彼の顔はみるみる曇っていった。

「え? なんで? 俺何にもしてないのにそんなことされるの?」
「いやだから、それくらい痛いってこと。そういう人もいるって話」
「それはやだな……そんなんだったら、子どもいなくていいかもな……」

は? 子どもほしいって言っていたのは、そんな程度のものだったの?
産む側はそんなの比べ物にならないほどズタボロになるのに……?

彼のその一言は、私からすると信じ難いものだった。
それが妻子をもとうとする男の発言……? 違和感がすごい。

私は考えていた。
通常の妊娠・出産であってもリスクが高めな上に、夫には発達障害がある。

もし子どもを授かったとして、その子が男の子だったら、
かなりの高確率でばっちり遺伝するだろう。
女の子でも、当然リスクは高い。

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