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娘が特殊な結婚を言い出した時の実家の話

我が実家はサラリーマン家庭です。
父はサラリーマンを1社だけ勤め上げ定年退職、母は専業主婦で、
2人して年金生活に突入している世代です。

この2人はお見合い婚で、
いかにも昭和らしい、大黒柱の父と一歩下がってついていく母でした。
男尊女卑が自然体な夫婦ですが、まあ世代なのでしょうがない。
決して強権的ではない親たちですし、話せば分かってくれるようになっていっています。

核家族で、子供たち(娘と息子)はいずれも結婚未経験・独身・子ナシです。

これまでの我が家

前提として、私は29歳の時に親族を通したお見合いっぽい出会いで、
2か月でお付き合いを破綻させた経験があります。当然親も知っています。

その後、
両親にはどんな婚活をしているのか、
(またはどのように仕事に力を入れていて、今婚活どころではないか、等)
年4回ほどは報告し、お付き合いしている人ができれば報告し、
お一人様でも生きられる自活路は確保していく、一応は孫のいない人生も覚悟してほしい。などの『経過報告』をしてきました。

我が家の場合、親側からチャチャ入れられないためには、
心配かけない(または頑張ってるんだな、と納得させる)報告が最適解だったからです。

昭和寄りの母の反応

さて、今年のお正月に実家に帰った際、
私は両親に「もしかしたら妊娠を検討するかもしれないので、ひっくり返らないでほしい」と報告しました。
(さすがにセフレという単語だけは省いた…さすがに笑)

父「えっ…?結婚は?」
母「えっ!(絶句からの一時停止)」
私「うん、妊娠したら結婚するっていうからさ。じゃあ結婚するために妊娠してやろうかと思って。こういうことは事前に言っておかないと、急に言ってどっちかの心臓止まったら困るじゃん?」
父「そうか。まあ変な人にひっかからんように。」

父親はこの通り、あっさりしたモンでした。

問題は母。
勢いを表現するため、次の母のセリフはわざと改行しませんが、本当にだいたいこんな感じの勢い。

「そうかって…!どんな人なの?おかしな人じゃない?なんで結婚してからじゃだめなの?だいたい結婚前にそんなこと(←セックスのこと)して結婚しないなんて普通じゃないんじゃないの?あんた妊娠してから結婚なんて大変じゃない!結婚してなくて産休取れるの?どのぐらい稼いでる人なの?騙されてるんじゃないの?いくつぐらいの人なの?」

放っとくとまだ続きそうな慌てぶりです。
この年になって未だに婚前交渉禁止ぎみに言われるのは笑えますが、
まあ母の価値観は変わってないってことで了解した。

「うん、私も概ねお母さんに同意よ。ヤバイ人よね笑」
「だからどんな人?」
「だからヤバイ人」
「やめといたら?」

うん、こうなるよね。

若き日の私が起こした奇跡

覚悟していたことだったので、彼の人となりと、我々の現況をを詳しく話す体制に入りました。

「◯◯にいた頃のリーダーでさ、」
「え?じゃあ〇〇さん?」
えっ?(マジの驚愕)、お母さん知ってたっけ??うちでそんな話したことある?(父を見ながら)」
(無言で「分からん」のジェスチャー)
「よく話してたよ、あら、良かったねぇ」

よかっ…?!?!?!?!えっ、よく話…して…????!!

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記憶にねぇ!2000%記憶にねぇ!
母のこの手のひら返しっぷりはなんだ!
「なーんだ、その人ならいいじゃない」ぐらいの勢いじゃん?何?どんな話した???昔の私、どんな話してた?!?!?!

マジ記憶ねぇ!
(※なお、母にネトスト技術はありません。子供側の思い込みではなく、マジで知識そのものがありません。)

記憶にないけど、尊敬してた時代があってよかったなー!
(いやもちろんグループのボスとしては今も尊敬しておりますよ)
家でグループのこと話してた20代前半の私エライ!

「………??そっか?まあ…なんだ、その人です。」
「でも、妊娠が先は大変よ。けっこう変な人じゃない?」
「だから思考回路ヤバイ人なんだってば(3回目)。能力が一方向に特化しすぎなのよ。」
「仕事は?今はあっちにいるの?」
「これこれこういう仕事で、年収は私と同じぐらいだから、まあ結婚すると世帯年収で◯百万になるかね。」
「ふうん。じゃあ、早めに連れてきなさい。GWには会える?」
「あー、仕事の休みが合わないからなぁ。とりあえず結婚したいって私から言って話してるところだから、まとまったら私が有休とって彼に合わせる方が合理的だね」

その後は、どこに住むのかとかいつ頃結婚するのかとか、
当時の私では答えようもない内容も含め、母親の質問攻めで終わりました。

冷静な父の反応

父は、母とはまた視点が全然違うため、
自分のしたい質問をすると妻(母)の横やりが入って、話が進まないのを分かっています。
なので、両親にこういう報告ごとをして、質問や言いたい事がある時は、
だいたい母のいないところで話を蒸し返してきます。

この時は、上記の会話の2日後、
帰りの駅まで送ってくれる車の中(2人きり)で、ポツリと聞いてきました。

「お前が結婚したいって言ってる人は、お父さんには分からんかったけど、どんな人やって?」

「えーとねー(中略)っていう人」

「そうか。まあええけど、その人が(結婚しないって)言ってるの、お前1人で盛り上がって、グイグイ行きすぎなんちゃうんか」

マジか!

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「えー!めっちゃ客観的やん笑」

めっちゃ冷静に男視点に立つやん!爆笑!

「え、ホンマに大丈夫なんか?妊娠とか言うてたけど…」

「お母さんが連れてこい言うからわざわざ否定してないけど、そんなそこまで話は詰まってへん笑。
だいたい、ちゃんとお付き合いしましょうって感じじゃなくて、その辺すっ飛ばして友達婚のご提案やからな。
私が結婚したいと思ってるから、私が提案して話グイグイ進める以外には何も進まんねん。
でも子供欲しいのは向こうさんやからな。ちゃんと面と向かって話は聞いてくれてるで?ホンマに先妊娠しようとは、私は思ってないしな。
ま、手段として考えたし、例え手段でももちろん産んだらちゃんと育てたいから、お父さんとお母さんには一応言うとこ思てん」

「そうか、ならエエけど」
「(ええんや!)うん、まあ、相手の気持ち聞きながら進めなアカンけどな?
相手がダメゆーたらダメで次考えなアカンやん?じゃあ話は早い方がええやん?
35歳で指輪パッカーン夢見てるだけの子と、結婚したいので行動しますっていう子、どっちがエエ言う話やん。」
「そうか、ま、分かってるんならええんや。頑張りなはれ。」

人は人、自分は自分と言っておきながら、なんですが。
思わず
「いや~、さすが笑。世の中の多くのお父さんって、”結婚の挨拶より先に娘を妊娠させるなぞケシカラン”って思考回路じゃないのかな???」
と、帰りの新幹線で1人ほくそ笑んでしまいました。

ホンマこの人、花嫁の手紙とか読んでも泣かへんのやろなぁ…と思う。
(むしろ、私の方が号泣で何言ってるか分からないかもしれません)

ま、その後コロナ騒動で、
連れて帰るどころの騒ぎではなくなってしまいましたが。

まとめ

私も私だけど、親も親だな。と思った帰省。笑。特に父。

父は反対しないと思ってて、
とにかく母と彼の相性が確実に悪いから厄介だなと思ってましたが。

20代前半の頃の私の布石によって母がパッと賛成に傾いたのはビックリした。
本当に何喋ってたんだろ?少なくとも結婚なんて1mmも、本気で1mmも考えてない頃の話のはずなんですよね。

日頃スピリチュアルは信仰しない私ですが、何か目に見えない力でも動いてんのかな?
(信まではしないけど、こういう奇跡が起きた時は信じる事にしてます)

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