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大学生目線で読むファクトフルネス。世界はどこに、私はどこに向かうのか?

00:はじめに
電車に乗ると、よく「ファクトフルネス」の広告を目にして気になっていた一冊。
noteの読書の秋2020をキッカケに、読んでみることに。

これが話題になっているだけあって、本当に面白い本だったんです…!

本書は『10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る』ということ目的としていて、ここで言う10の思い込みとは・・・

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ということで、人間はドラマチックな生き物であり、「世界は分断されている」(分断本能)と思い込んだり、「世界の人口はひたすら増え続ける」(直線本能)と思い込んだりしてしまうというわけです。
もちろん実際の世界はそんなことはないのにも関わらず。

私たちの思い込みと現実の世界がどう違っているのかを、すべてデータに基づいて論理的に解説してくれていて、先進国諸国に住む人間は1度はこの本を読むべきだとさえ思いました。
…しかし内容についての要約や、わかりやすい解説の記事はこの世に飽和しまくってしまっているので、今回は少し切り口を変えた記事を書きたいなと思っております!

大学生の目線で、ファクトフルネスを読んで何を思ったか・どう変わったかなどを綴っていきます。
是非最後までお付き合いください…!

01:人々の暮らしが覗ける「ドル・ストリート」から考える世界の目標


まず本書が私に与えてくれた衝撃のひとつめを紹介させていただきます。

本書では「データ」を見ることを強く勧めているのですが、数字に興味がない人や、世界を正しくイメージするのが難しい人向けにあるツールが紹介されています。
それがズバリ、「ドル・ストリート」です。

これは世界のそれぞれの経済レベルの人たちがどのような暮らしをしているかを、簡単に見ることができるサイトです。

使い方はとっても簡単で、まず見たい画像の種類と地域を選択します。
試しに見たい画像を『家』、地域を『世界中』に設定してみます。▼

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そして次に、ストリートの範囲を選択します。
ここでいう「ストリート」とは、右にいけばいくほど収入が低い人が、左にいくと収入の高い人が表示されるバーの形式を言います。▼

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ではまず、低所得の人たちに絞ってその暮らしぶりを見てみたいと思います。▼

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左から、ソマリア、マラウイ、ジンバブエ、インドの家です。

ソマリアの家は、布を幾重かに重ねたもの。雨が降ったときには少し大変そうですね。
また、同じくインドの家も布メインで出来ていて雨風を凌ぐには少し弱い感じがします。
マラウイとジンバブエは、上記2つの家よりは丈夫そうですが、決して頑丈とは言えない作りになっていることがわかります。

このようにドル・ストリートは、簡単には足を運ぶことが出来ない国の家だったり、文化だったりを覗くことができるんです。

では次に中間所得層の暮らしぶりを見てみましょう。▼

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こちらが中間所得層の家です。
左から、ルーマニア、ボリビア、タイ、インドです。

先ほどの4つに比べて、壁や作りがしっかりしているのがわかりますね。
タイの写真には、バイクが映っています。乗り物を購入できるだけの財力があるということですね。
また、先ほどのグループにも写真があったインド。同じ国でも、所得が違えば住む家も大分違うということがわかります。今回掲載されているインドの家は、わかるだけでも5階ほどの階数がある立派なマンションですね。

最後は、高所得層の暮らしぶりです。▼
ファクトフルネスの中では、日本もココに位置すると書かれています。

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左から、ネパール、イギリス、カナダ、ヨルダンです。

みなさんが想像する「家」はまさにこういうものではないでしょうか?
ちゃんとした壁、屋根、窓があり、車や鮮やかなお庭があります。
見た感じセキュリティも整っていそうです。

と、このようにドル・ストリートはものの数秒で私たちを世界の文化が異なる様々な地域に連れて行ってくれるのです。

では今度は、見たい画像を『ベッド』、地域を『アフリカ内』に設定し、所得の幅をマックスまで広げて見てみましょう。▼

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左から、マラウイ、ケニア、タンザニア、ケニアです。

マラウイやケニアの低所得の人はなにやらござのようなものを敷いて寝ているみたいです。それに対してタンザニアの中所得の人はクッションのようなものを敷き詰めた場所が寝室のようですね。これくらいふかふかしていたら腰を痛めることは少なさそうです。
そして一番右の画像はケニアの高所得者の寝室で、とってもゴージャスな作りになっていますね。
同じアフリカ内でも、こんなに差があるなんて、こうして実際画像などで見てみないと中々気づけないですよね。

私はこのサービスのおかげで、たくさんのことに気づかされました。
まず本書でも紹介されていますが、世界には「貧しい人」と「裕福な人」の間にたくさんの「真ん中の人」がいるということ。つまりグラデーションがあるということ。
そしてそれに、画像を見たり話を聞いたりするまで気づけないという事実。

高いところから低いところを正確に見るのは難しい。どれも同じくらい低く見えるけれど、実際は違う。
/本書60ページ

そしてこのことに気づくと、私たちに個人単位で出来ることは何かないのか?と考えるようになると私は思うんです。

そこで私はインターネットでこれについて調べ、世界が掲げている「SDGs」という17の大きな目標があるということをふと思い出しました。

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「Sustainable Development GOALS」です。
一度は耳にしたことがある人が多いのでは無いのでしょうか?

これらは大きな目標に見えて、私たちの普段の生活に密接しているものが多いので、少しの意識と思いやりで世界に何かしらの貢献ができるチャンスなんです。
少し勉強したり、ごみ問題や節電・節水だったり・・・

こちらの記事で「SDGs」についてわかりやすく解説してあるので、興味がある方は是非読んでみると良いと思います。
明日からのみなさんの生活意識が変わるかもしれません。
少なくとも私は、自分を見つめなおすチャンスがあるということに気づくことができました。

このようにファクトフルネスは本書の目的である世界を正しく見るということから派生して、様々な問題や発見を私に与えてくれたのです。
国際的はもちろんのことですが、次の章では私たち自身の学びにつながった話について書いていこうと思います!

02:税金が何に使われているか考えるきっかけになった「リリーフウェブ」

みなさんは、自分たちが支払っている税金が普段何に使われているのか深く考えたことはありますか?
お恥ずかしい話、私はそこまで深く考えたことはありませんでした・・・。

でも、国や住んでいる地域の何かの事業に使われているんだろうな、とか、余計なことに使われているんじゃないか…なんて浅~く考えてはいませんか?

実は、私たちの税金はもっと様々なものに使われているんです。

そこでみなさんは「リリーフウェブ(ReliefWeb)」というサイトをご存知ですか?

リリーフウェブとは、国際連合人道問題調整事務所が世界の紛争・災害・自然災害の状況とそこで行われている人道支援の状況を提供しているサイトです。ちなみに日本語での情報提供は行われておらず、主に英語が使われています。
現在はコロナウイルスの状況がトップに表示されるようになっています。

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そしてこのリリーフウェブは、なんと高所得層に暮らしている人たちの税金で運営されているのです。

現在、世界中の災害支援の情報は、国連のリリーフウェブというウェブサイトに集まるようになった。ひと昔前には想像もつかなかったような仕組みだ。そして、リリーフウェブはレベル4の暮らしをしている人たちの税金によって成り立っている。わたしたちは誇りに思うべきだ。
/本書141ページ

私たちは、こんなところにも税金を使っていたんですね・・・
私は本書のこのパートによって、自分の税金が何に使われているのかをもっと考えなくてはならないと気づかされました。
若者の政治離れ。もしかしたら些細なきっかけで良くなるのかもしれません。

私の他にも、税の使い道が気になった人は、こちらの国税庁のサイトを入門とすることをオススメします!
小学生でもわかりやすいように税の使い道が書かれています。

大学生になってからやっとこれらの大事さに気づいたのか、という自分に対する失望がある反面、社会に出る前に興味を持てて良かった・・・とファクトフルネスに感謝ですね(笑)

03:おわりに・世界はどんどん良くなっている

最後に、こちらの2つの表を見てください。 

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出典:https://factfulness-source.chibicode.com/

(ファクトフルネスには、7万字もの細かいウェブ注釈が存在します!どの項目もわかりやすい書き方で、これ単体でもかなり楽しむことが出来るのでオススメです)

こちらは、新しい音楽と新しい映画がどんな風に増えてきたかを示すグラフです。
ここまで国際的に~なんて言葉を用いて少し難しい話をしてきたかもしれませんが、こんな風に私たちの身近な文化もどんどん豊かになっているということも見逃してはいけません。

私は、音楽や映画が大好きです。
そんな私の生きているこの時代は、今までの世界を歴史的に見ても最高の時代なんですね。

確かに世界ではまだまだ紛争や差別問題などがたくさんありますが、少しずつ少しずつ…世界は良くなってきているんです。
まずはそのことに気づくこと、そしてそれを正しく見つめ、何ができるか考えて行動すること。

将来色んな問題を抱えている人たちのチカラになりたいと考えている私ですが、色々未熟だということがこの本によってわかり、今は普段の生活でも出来ることが沢山あるのだと燃えています(笑)
本当に多くの人にこの本を読んで欲しい。

本を買ったり呼んだりするのは少し億劫だという人は、著者であるハンス&オーラ・ロスリングのスピーチを聴いてみてください。字幕もついています。

そして是非紙の本にも手を伸ばしてみてください!
分厚くて気後れするかもしれませんが、この分厚さは注釈の多さ故なので、あまり気にしないことをオススメします(笑)

それではこれ以上パソコンで文章を書いていると私の節電意識に反するのでここまでにして・・・(というのは冗談ですが)
最後まで読んでいただき本当に嬉しく思います。
お付き合いいただき、ありがとうございました!

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