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LDB出版部#5 身内化させるファンづくり、「ファンブック」からの気づき

宝島社から発売されている飲食チェーン店の「ファンブック」なるものが、累計55万部を突破したという人気ぶりなので、探ってみました。

ファンブックは、宝島社と人気飲食チェーン店がコラボし「公式ガイドブック」と銘打ち、その店の歴史や秘話、美味しさの秘密やこだわりなどを読みものとして紹介し、お店で割引や特典が得られる「パスポート」付きなので、お店でパスポートを利用すれば本の元を取れるという、ファンには有難い一冊となっています。
これまでに吉野家、一風堂、築地銀だこ、リンガーハット、串カツ田中、はなまるうどん等がすでに発刊されていて、ケンタッキーフライドチキンは発売しすぐに完売したとのことです。

宝島社といえば、女性誌に付録をつけて発行部数を飛躍的に増大させ、今や、豪華な付録の付いたムック本が人気で、出版界の市場イノベーターであると認識しています。

社内報的な作り

ファンブックには、会社の歴史、経営トップのインタビューや常連芸能人のインタビュー、経営陣のおすすめメニューなど、社外秘的な読み物として楽しめる「社内報的な作り」になっています。

お客様ファンも社内の人的に捉えて「ファンを身内化」し、ファンが興味ありそうなことをとことん掘り下げ、ファンの知りたい気持ちに答えているのです。
また、社内のスタッフに対しても、うちのことをもっと好きになって働いてもらいたい、働く人たちの士気を上げるような役割もしているのだと思います。
「身内もファン化」しているのです。スタッフが楽しそうに働いている姿は、お客様にも伝わり楽しさは連鎖しますから。

会社への愛着を育て共感を生む

このように会社のことをもっともっと知ってもらい、ファンを身内化し、身内をファン化して、会社への愛着を育て互いの共感を生みながら、永く好きでいてくれるお客様ファンと社内スタッフを育てているのです。

このファンの身内化に応える熱量のある企画、編集は、書籍に限らず永く愛されるコンテンツ作りに求められているのだと感じました。
「ファンブック」からの気づきでした。

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文・長谷川千登勢
株式会社ジャパンライフデザインシステムズ 「ライフデザインブックス」発行書籍の数々の出版をプロデュース、メディアの企画・編集を担う。他に、経営セミナーの企画・コーディネート、コンセプトワークに関する企業サポートを行う。