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自分を明け渡せる強さ

映画『愛がなんだ』を観た。徹底的にダメな恋、素敵だった。ダメな人特有の強さをひしひしと感じた。

“こんなに他者に自分を明け渡していても、自分を見失っていないように見える強さ”角田光代

登場人物の関係性は、すべて非対称で描かれる。誰かが誰かに片思いして、その方向はどれも一方通行で。

振り回されて、空回りして、何度も突き落とされるような仕打ちを受ける女の子が、それでもおいしそうにごはんを食べる姿が、とても可愛くて好きだ。

ここで描かれているのは、他者に依存する弱さではなく、自分を棄ててまで他者と生きようとする強さだった。

何が大切で、何が恋で、愛がなんなのか、そんなのはとっくに通り越した先を精一杯生きていて、とても強く見えた。

恋って頭悪いし、コスパとか考えないし、理屈や理由もない。ダメな恋は、それだから面白い。訳わかんなくて、その分からなさがたまらなく愛おしい。

恋愛自体はすっかり自分とは縁遠いものだけど、圧倒的な熱量で訳のわからないものに夢中になってる人は応援したくなる。

それがダメな恋でも、無謀な挑戦でも。

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