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ビートルズを聴くと小泉元首相を思い出す
音楽とは縁のない生活を送っている。
若い頃からCDはほとんど買ったことがなく、現在どの音楽配信サービスにも登録していない。最後に買ったCDは、20年ほど前、CMで流れていて「これいいな」と思って買った『image』というヒーリング音楽集である。
しかし、このような音楽素人にとっても、ビートルズの曲を聴くと「どこかで聞いたことある」と思うことがほとんどである。
そのビートルズの楽曲がふんだんに用いられている映画が『イエスタデイ』(2019年)となる。
ビートルズの曲を聴いて思うこと
『イエスタデイ』は、ビートルズがいない世界において、唯一ビートルズ楽曲の記憶が残る主人公を描いたファンタジーとなるが、個人的にはハズレの作品だった。
ダニー・ボイル監督の所謂スタイリッシュな映像は昔から肌に合わないが、それを抜きにしても、ストーリーは抑揚に乏しく、辻褄合わせのご都合主義が目立ち、またラストもすっきりしない、残念な作品だった。
しかし、作中でたくさん流れるビートルズの楽曲は印象的だった。そして、やはり「どこかで聞いたことがある」と思うことがほとんどだった。
それと同時に、ビートルズの曲を聴くといつも思うことがある。それは、サビのフレーズが短いということである。
「HELP!」にしても「Yellow Submarine」にしても「Yesterday」にしても「Hey Jude」にしても「Let It Be」にしても、ビートルズの中でも特に有名と思われる曲のサビのフレーズは、息継ぎの必要もなく、一言で言い表せる。英語が苦手な人でも簡単に口ずさめる短さである。
ビートルズの楽曲が時代を超えて愛され続ける理由は、メロディーや革新性など、様々あるのだと思うが、音楽素人からすると、そのワンフレーズのサビということも要因の一つなのではないかと感じる。
ビートルズと小泉元首相
このように、記憶にこびりついて離れないワンフレーズのビートルズ楽曲を聴くと、小泉元首相のことを思い出す。
その政策の良悪は別としても、「自民党をぶっ壊す!」「聖域なき構造改革」「抵抗勢力」など、小泉元首相のワンフレーズは記憶に残っている。
それはワンフレーズ・ポリティクスと呼ばれ、当時、多くの日本国民を惹きつけ、高い支持率を記録した。
ビートルズにしても、小泉元首相にしても、人々の記憶に残る、もしくは心に残る、そういう言葉というのは、やはり短さが重要なのだろうと思う。
そのため、愛の告白をしたり、何か心に響かせたい、ここぞという時の言葉というのは、できるだけ短いワンフレーズがよいと思われる。
逆に、イライラしたり腹が立ったり、そういう気持ちを誰かに表現する時は、感情的になって平手で頬をビンタするよりも、論理的になのか、それとも愚痴っぽくダラダラなのか、とにかく長い言葉にする方が、多少なりとも相手の記憶に残らない表現になるのではないかと思う。
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