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ふと思いついたことを、ヒトリゴトのように綴っています(⁠◕⁠ᴗ⁠◕⁠✿⁠) スタンドf…

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ふと思いついたことを、ヒトリゴトのように綴っています(⁠◕⁠ᴗ⁠◕⁠✿⁠) スタンドfmでも、自作朗読してます♡ https://stand.fm/channels/6131659c7de6f0a0e0c62bd6

最近の記事

息吹

ずいぶんと ながい眠りだった気がする 実際は数時間 いや 数分だったのかもしれない 見上げても そこに空はなく 薄い布で仕切られた 無機質な四角い天井と 窓を烈しく叩く雨の音が 時間の感覚を狂わせていたさ 生き てる? 息 してる? 何のためにココにいるのだろう? 物心ついた時から 心の片隅にあった想い 大人になればなるほど 強くなっていた 存在するに値しない 意味を見出せない 息はしていても 中身は空っぽで 何度も何度も 薄命を願っていた けど 今は違う 存在し

    • 夜明けを待たずに

      ふたりでいても ひとりの時より なぜか虚しくて ふたりでいるのに ひとりの時より 胸が張り裂けそうになる ふたりでいても ひとりの時より とても淋しくて ふたりでいるのに ひとりの時より 涙が溢れてしまう 手を繋いでくれないのは ナゼ? 目を合わせてくれないのは イツカラ? カラダは重ねても ココロは重ならない エステで肌を磨き上げ 美容室で髪を切り ネイルを整え 真新しいランジェリー そして いつもと違うドレスに着替えた あなたの好きな香りをまとい 最後に 買

      • 写し絵

        人の顔は左右対称のようで 微妙に異なる 右側は左脳の影響を受け 感情に振り回されず その表情から 心を読み解くことは難しい 左側は右脳の影響を受け 感情そのものが 無意識に表情にあらわれる まるで写し絵のように 今日もあなたを見ていた 優しくて穏やかで 包み込まれるような その横顔 私の定位置はあなたの左側  あなたの瞳の中には 美しい人がいた こちらを振り向き 微笑んでくれるけど それは私に向けられたものではない その表情には その瞳には 私じゃない誰かが

        • イジワルなのは僕じゃない

          君には昔から たくさん意地悪をした 筆箱に拾ってきた虫を入れたり 何度も膝カックンしたり 丁寧に結えられた髪を 引っ張ってみたり ごめんね 君の困った顔を見たくて 泣きそうな顔を見たくて ただそれだけだったんだ 君は僕に「意地悪だ」と言った 僕のことが嫌いだったはず そりゃそうだ 僕は確信犯だからね あの日 君との別れがもうすぐだと 知らされた朝 「もう意地悪しないでね」 僕との約束げんまんの小指に 君は弱々しくキスをした 「またね」 小さく手を振る君 僕の心に残

          歩み

          歩みを止めない群衆に 目眩を憶える 夜風の刺激で 自然と涙がこみあげる 口に含んだ苦みに 唇が痺れていた 瞼を 唇を 手のひらを 静かに閉じる 閉じ込められた体内に そっと心を開放する ワタシハヒトリ 無限の世界 深々と堕ちていく やがて闇は光を浴び 時間は流れ出す ワタシハヒトリ それでも歩みゆく 作/lave No.47 2024.5.25

          毒を以て毒を制す

          抑えきれないこの想いに 「君」という毒を刺す 末端まで痺れ すべての感覚を失い 息は細くなる 薄れゆく意識の中で 泥濘(ぬかるみ)と化した 「あなた」への想い 体中にまとわりつき 足を取られ 身動きはできずとも 痛みは感じず 次第に 壊れゆく想いとは裏腹に 「君」の 異様なまでの恍惚感に ただ溺れ始める 作/lave No.46 2023.5.9

          毒を以て毒を制す

          桃色のエール

          ソメイヨシノの見頃もピークを終え 散り際の儚さを外回りの途中 ぼんやり眺めていた 私は、ずっと1人だった 物理的には1人じゃないけど 心は1人だった… 「先輩、今からサボりましょう!」 突然、同行していた後輩の彼が ニヤけながら言ってきた 私が戸惑うのも気にせず 強引に背中を押してくる そのまま仕方なく車に乗り込む 「明日は休みだから、 帰社時間多少遅くてもいいか… 」 諦めに近いため息をついた 「ジャズ、お好きでしたよね?」 気を遣ってくれたのか 私の好きなジャズを

          桃色のエール

          空が隠したもの

          見上げた空だけが 見ててくれればいいと 涙を浮かべた そよぐ風が いつの間にか 涙を乾かしてくれていた 見上げた空から 静かに視線を戻し 涙がこぼれてこないことを 確認する 大きく瞬きをして 場面(シーン)を切り取る 深く息を吐き 一歩前へ 涙は、空が隠してくれた この想いは、空に預けた 見上げた空だけが 知っててくれればいい 作/lave No.44 2024.4.1

          空が隠したもの

          春の日に、

          春の日に ふたりの答え合わせをする あの人を見おくり 誰もいないこの部屋 半開のカーテンから 差し込む光の眩しさに 思わず手をかざした 同じ季節でも 去年とは何かが違う ざわめく嵐が過ぎ 春日(はるび)ではなく 春日影(はるひかげ)を想う 春の日に、 作/lave No.43 2024.3.18 ※「春日」も「春日影」も春の季語   春の日の光 という意味がある

          春の日に、

          脱シンデレラ

          私の靴箱には ずっと前から、この2足しかない ひとつは 母が用意してくれた靴 私の身体を思って選んでくれた靴 とても歩きやすくて どれだけ履いても疲れない でも 全然オシャレじゃない 庭先でしか履けない もうひとつは あなたがプレゼントしてくれた靴 私の未来を考えて選んでくれた靴 クールでセクシーで どこに履いて行っても恥ずかしくない でも ずっとは履いていられない 身体が悲鳴をあげてしまう いっそのこと 裸足で駆け出そうか 靴を脱ぎ捨ててつま先をおろした 熱かった、冷

          脱シンデレラ

          みつけてごらん

          みつけてごらん 僕の姿を みつけてごらん すぐそばにいるよ 君には 僕の姿がみえるかな? 僕はいつでも 君の姿をみてるよ 光の輪の中を歩く君の姿を 光の輪から ほんの少し外側で 悲しい顔も 嬉しい顔も 苦しそうな顔も 幸せそうな顔も ぜんぶぜんぶ 僕はみてるよ 君は ひとりじゃないよ 僕の姿 みつかったかな? 「にゃあ」 僕は 小さな小さな黒い猫なんだ 今日は特別だよ! 『ねこの日』だから 少しだけ ヒントをあげたよww みつけてごらん 作/lave No.41

          みつけてごらん

          私の願い

          願いとは 個人自身の想いを望むこと その願いは 時には誰かを傷つけ 時には何かを壊し 時には 自分さえも破滅させる 願いは 欲望を隠すための 便利な言葉なのかもしれない なら願わなければ 絶望も落胆も生まれない 無欲の聖になれる だが願いは 願うことは 心を熱くさせる 強さの源となる そして生きる希望へと繋がる 今は静かに祈ろう 誰かの願いが叶えられることを 私の願いに変えて 祈りは愛であることを ずっと願っています 誰かの幸せを 私の幸せを 今日も感謝と共に

          私の願い

          再会

          年末の夕時 昨日からの寒波で 私の手も体も 街もすっかり冷え切っていた 「何かお探しですか?」 ふいに後ろから声を掛けられた 「あっ、はい… 厚手のアウターを」 そう答えながらふり返ると 「えっ?!」 「どうして?」 あなたが、そこにいた 「やっぱり!後ろ姿見えたから」 「俺、先月からここの店長」 そう言いながら笑った 何ひとつ変わってない 大きな瞳が瞬時に消えてしまう そんな、笑いかた 私の大好きだった笑いかた ひとつずつ記憶が蘇る 聞けば最近、婚約したらしい

          季節の中に

          僕の左肩に舞い降りた 小さな花びら いつの間にか濡れていた 傘からはみ出した右肩 横顔を照らす 大輪の鮮やかな光 わざと踏みしめたくなる 落ち葉の散歩道 冷たい指先に はぁ~と吹きかける白い息 見上げた空 今日も君に出会えた 君を失ったとき 僕の世から 彩(いろ)が消えた でも見つけたんだ 季節が巡っても そこに君はいて 穏やかに笑いかけてくれる だから僕はすがってしまう 季節が隠してしまうまでは 僕はただ君を探し続ける 明日もまた... 作/lave

          季節の中に

          乙女気分

          リンリン シャンシャン キラキラ あちこちから 届いてくる音や光たち あわただしい毎日の中で すっかり忘れていた この気持ち あなたを想い あなたに恋いこがれ あなたを待ちわびた 懐かしいこの気持ち ふわふわのファーを そっと心にまとい 今だけは乙女気分… 作/lave No.37 2023.12.6

          乙女気分

          はじまりの日

          いつもの席に座り、僕はランチを食べていた。 建物の構造上、広い食堂の一角に大きな柱が出てしまうらしい。入り口からは分かりづらいが、実はその奥に2席あるのだ。 誰からも気付かれにくいそんな席。僕は好きだった。ちょっとした「隠れ家」のようで、僕には都合が良かった。 今日も食べ終わった後、頭をテーブルに預けて、うたた寝をしていた。 この時間がたまらなく気持ちいい。 何やら入り口付近が騒がしい。雑音で目を覚ました僕は、様子を伺った。 よく見ると、1人の女を取り囲むように、数名の男

          はじまりの日