藤井風のHEAT横浜アリーナ公演に行ったら万華鏡のようだった話(ライブレポ その2)
4.きらり
『次はみんなも大好きな ”きらり” 』と風MC。
きらりはキラキラしてた。
照明も曲に合わせてキラキラキラ!となって、照明も音を出してるみたい。
壁に投影されていた模様はスパークリングのような泡のようなの。
立ち上る泡が弾ける感じが確かにきらり。
色は青緑っぽかったような…。
ライトの演出に見惚れてたら、
お揃いの服着て踊る5人組のバックダンサーズがカットイン。
あらやだ何コレめっちゃかっこいい。
ダンサーの登場で、会場は HEAT UP !
スタートしたばかりの藤井風アリーナツアーという大舞台でまるでホームのように伸び伸びと踊るバックダンサーズ。踊るのが好きで好きでしょうがないって感じで、自信に溢れてるのだけど、重力を感じさせないフワっとした軽さで、醸し出す雰囲気がきらりと合ってた。
とっても、とっても、とっても 楽しい!
風さんはぴょんぴょん跳ねてるだけで、なかなか踊りはじめなかったのだけど、突如、踊り出した。
藤井風Twitter 2021.06.04
ちょっとちがうけど、ぴょんぴょん跳ねてる風さんはいた笑
藤井風公式youtubeチャンネル 藤井 風 - "きらり" Behind The Scenes
(このBTSのGood Grooveそのままだった。)
風さんは、生でみても、バキバキのダンサーズに交じって踊ってても、めっちゃ馴染んでるなぁ。引けを取らないというか。
風さんが、踊れるようになったのが、今だに信じられなかったけど、本当に踊れるんだ…。(MVで踊ってたのだから当然なんだけど)
音ハメといえば良いのかな?音とのハマりがめっちゃいい。
見てて気持ちも踊ってくる。身体も弾けてくる。
Be sparkling!
よくよく考えたら、この曲はYaffleさんのアレンジが入っているとはいえ、この曲は元をただせば(たださなくても)風さんの体から生み出された音楽。
周囲から盆踊りと揶揄されながらも、これまで、自分の体から湧き出すように踊っていた風さんに、プロの手が入ったんだ。
『きらり』にノるのは誰よりも得意なはず。
藤井風Twitter 2020.06.28
(曲は『何なんw』だけど、前はこんな感じのナチュラルボーン。)
歌って踊れてピアノも弾けちゃう(しかもガチ)作詞作曲者。
それって、最高で最強だな。
風さんは、地道な、地道な、地道な努力の結果、
ヒーローなるべくして ヒーローと なる者だ。
そりゃ、男子から好かれちゃうわな。リスペクトしちゃうわな。
今回のアリーナでは、藤井風グッズTを着る若い男性の二人組がとても多かった。しかもグッズT着てるとかガチ勢じゃん。し烈なネット物販を潜り抜けゲットしてる、二人して。あと、おかんと息子ペアもチラチラいた。ここもグッズT着用率高い。(無論、ガチ勢のわし、グッズT着用して行きました🤙)
風さんは、中学生の頃、ピアノを弾く自分が恥ずかしくて、周囲には隠していたらしい。でも、ピアノを自在に思うがままに弾ける風さんは、こんなにもカッコいいんだ。きっとこれからの中学生は、そんなことにはならないんだろうな。ピアノを弾けるってカッコいい。
実は、風さんの高校時代の中庭コンサートを撮った動画を観たことがある。風さんがいた音楽学類クラスは、男子が3人しかいなくて、高校全体でも女子が多い学校のよう。
中庭コンサートの中盤で、袋アメをまくシーンがあって、最初は進行役の女子が袋アメをまいてたんだけど、風さんにもアメをまくのを促してた。わしは女子からの黄色い声援が凄いことを期待してたのだけど、聴こえたのは
うおぉおおおおおおおおお!
(男子集団からの熱烈なラブコール)
男子達が、風さんからアメをもらおうと、我さきに手を伸ばしてる!
風さんが、男子達に向かってアメを投げる。嬉々としてキャッチする男子達。
風さんが、向きを変え移動しようとしたその瞬間、
アメが入っていた袋を落とし、地面にアメをぶちまける藤井風。
あたふたとアメを拾う藤井風。
oh no…
カッコよく決めた後に必ず発動するドジっ子属性。
わしの飼ってるペットちゃんは「齧歯目チンチラ科チンチラ属」だけど、風さんは「霊長目ヒーロー科ドジっ子属」だな。
(ヒーローモノのヒーローはだいたい普段冴えない感じよね…。)
高校時代から変わってないんだなぁ…。
納豆もぶちまけてたものな。
(※納豆の件は、藤井風公式アプリ Staff Diary 『ツアーも終盤。』2021.01.27をご参照ください。)
風さんは、どんどん新しい風さんに進化していくけど
これからも、きっと、変わらないんだ。
その次の回の中庭コンサートで、風さんはアメをコンビニ袋みたいなのに入れ替え持っていた。(ぶちまけ対策かな)
おもむろに走り出し、校舎の中へ。
前回は中庭にいる子達にだけ、アメまきをしていた。
この回の風さんは、校舎のベランダから観てる子達にアメをまきに 走った のだ。
全速力で。
全然、変わってない。
風さんの愛は、いつも 等しい 。
差がないんだな…。
5.キリがないから
キリがないからは、武道館よろしく緑色のデジタル感。
ステージ天井からは緑色のライトが縦線をつくるように真下を照らし、客席側の壁にはトライアングルの模様が投影されていた。
ステージ奥にある大道具(照明セット)は、海外の映画セットみたくて、メリーゴーランドぐらいの大きさがある。なんだかメリーゴーランドに布が被さっているみたい。(実際には布が垂れ下がっているのかな?)
その風体は閉園してしまった遊園地の様…。
あのステージ照明セットは、どう使うのかな?
なんであの形なのかなぁ…
と最初に目にしたときからずっと気になっていた。
布の形が変わったような気がしないでもない、その時に、そのセット内の布に投影されたのは、デジタルって感じのトライアングル模様。流れるようにくるくるしてた。客席側の壁のトライアングル模様もくるくるしてて、近未来の遊園地みたい。🐭ランドのホーン〇ットマンションみもある。
キリがないからのMVは、どこか退廃的でアナログ感満載だけど、ライブになると途端にめっちゃデジタル。MVも武道館の時も演出はダッチ(山田健人)監督。ライブは量子テレポーテーション振りなんだな、きっと。
↑キリがないからのMV公開時のダッチ監督のtweet↑
(わざわざ量子テレポーテーションについて説明してるサイトURLを貼ってくれてるのだけど、読んでも全然理解できない。)
そして、
HILOMU~~~!
アンドロイドのHILOMUさん。キタ!
↑藤井風Instagram 2021.05.07↑
(VIVA LA ROCK 2021での『キリがないから』ではHILOMUさん登場。でも前回のホールツアーはいなかった…。キリがないからをやるからといって必ずHILOMUさんがいるわけではない。)
風さんと一緒に踊るHILOMUさんを生でやっとみることができた。
アンドロイド役のHILOMUさんでてくると「うわぁ~🐭💞」てなる。
やっぱりHILOMUさんいると、風さんの顔がほころんでるように見えるなぁ
いないとちょっと無表情で踊るような印象。
そしてダンサーズ…あれ?4人?1人休憩かな。
(多分この回でもダンサーズでてきてたような気がする。曖昧。ただ4人しかいないときはあった)
ラストあたりで、TAIKINGさんがミキシングマシーンを操作していた。左右のスクリーンにもその様子が映し出される。
キュウン キュウウウーーーーーーーーン(うまく文字にできないよぅ…🐭)
おお?今までにない感じのアレンジだ。
聴いた時はフクロウの鳴き声みたいだなって思った。
【余談】
大きな箱で観たことがあるのはPerfumeだけ。なのでステージ照明といえばPerfumeなので ライゾマ(Rhizomatiks) だ。ライゾマといったらもう世界のライゾマ。最先端の技術を駆使したアートの領域。Perfumeには最先端が良く似合うし相性がいい。Perfumeの3人だから最先端を自在に操り身に纏える。
Perfume -Spending All My Time カンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバル(カンヌ国際広告祭)2013.06.20
※上記Perfume動画と藤井風さんのアリーナツアーは関係ありません※
SNSと連動し、いろんな人がPerfumeをクリエイトできるユーザー参加型のPerfumeグローバルサイトプロジェクトが評価されてのカンヌ国際広告祭招待公演。踊るPerfumeの衣装にプロジェクションマッピング+モーショングラフィックス。静止しているスクリーンや建物じゃなくて、人へのマッピング。動くし、形が変化するし、建物とかに比べたら面積小さいし、そんな人間に映像を投影している。遅れもはみ出しもせずに。Perfumeグローバルサイトでファンが思い思いにデザインした模様がスクリーンに流れでてきて次々と連動してたりもする。13:28(これは風さんに色々とポージングしてもらってやって欲しいな。白い服良く着てるし)
そのパフォーマンスはリハーサルなしのぶっつけ本番だったことを後で知り「さすがPerfume」と思った。2013年の最先端は2021年の今みても楽しい。Perfumeはこの曲で世界デビューをしている。
(上の写真は、2021年11月28日のHEATアリーナツアーファイナルはライブ配信されたときのもの。そのライブ配信で風さんをアップで観れて気が付きました。わしが2013年にみて「スゲー」って思ってた、踊るPerfumeにプロジェクションマッピングと同様に「へでもねーよ」で踊る藤井風にもプロジェクションマッピングでした。もしかしたら横浜アリーナではなかったのかもしれないけど。)
最高を求めてPerfumeと共に歩むクリエーターの皆さんの姿は、その時々に応じて、その時の最高を作り上げるため、色んな集団とジョイントするチーム風と重なる。ちなみに風さんはPerfumeもカバーしている。Perfumeは広島出身だし、地元が近いからかな?
Perfumeは世界進出するのに2012年ユニバーサルへ移籍したけど、国内外で活躍するアーティストを目指してる風さんは最初からユニバーサル(シグマ)。そういう土壌だから、先日の”Free”Liveも協力的だったのだろうな。ライブ自体、世界中の視聴者を意識したものだったし。
そんなに遠くないうちに、風さんも世界的なフェスに招待されちゃう日がきちゃうんだろうな。
※下記の曲(マカロニ)と藤井風さんのアリーナツアーは関係ありません※
藤井風twitter 2019.04.08
Perfumeの名曲「マカロニ」カバー。
ちょうど距離感について歌っている箇所。そういえばラジオ(FM802「EVENING TAP」2020.09.10)で帰ろうMVの男女が笑顔で手を離しすシーンも距離感がいいみたいな話になって『好き!』と…。マカロニの歌詞は、なんとなく別れを肌で感じている気がする。
風さんが上京してきた年の4月に歌ったこの曲は、歌詞のせいかもしれないけど、ちょっぴり物悲しい。ピアノライブDAY1で『サックスは東京に持ってきた』との発言があった。今回1曲目の『風よ』で使用してたのは、その時持ってきたサックスなのかな。
『風よ』は、毎日祈りをする、祈ってばかりの風さんの祈りの曲。
藤井風Instagram 2021年3月19日
(おとんと藤井風)
公式アプリのプロフィールによると上京してきたのは『2019年の初春』。初春の定義は諸説あるけど1月の終わりから3月の初めを指すらしい。SNSにおいて、風さんはあんまり意味のないことをしない。みんなが知りたいと思ってることを、そうとは言わずにこっそり教えてくれたりする。
(バイクの免許いつ取得したのかみんな気になってた。顔が盛れないとか言って免許の写真をtweetするとか)
2年前のその日に上京してきたのかもしれないね。
藤井 風(Fujii Kaze) - Piano Live Streaming ピアノ弾き語りライブ配信 Day 1
(2020.04.26のライブ配信。風さんは中止になった Zeppの公演の代わりに急遽ピアノ弾き語りライブ配信してくれた。前述のサックスの件のところをご覧いただけます。一応、『家で』としか言ってないけど、当時は自宅だと思ってた。くつろぎ感満載の配信だったけど、『帰ったら(サックスを)吹きたいと思います。』と、自ら、ここは自宅ではない事を、ばらしてしまう瞬間でもあった笑。ホントに嘘がつけない人だな…。)
じゃあ、風さんに最先端技術との掛けあわせはどうか?尋ねられたら、むしろやらないで欲しいと返事すると思う。もし最先端な技術を使うとしても最先端ぽく見えないようにして欲しい。できれば、前からよくある技術を「え?そういう使い方で? はぁ…そうきたか。」と新しい切り口でシレっとやって欲しい。
風さんの音楽がそうであるように。
6.へでもねーよ
へでもねーよの光の演出は思わず息を呑んだ。
ライトで創るアートの世界。こんな風に表現できるなんて…。
リアルという血の通う赤と青の世界と
清らかな浄土のような白金(platinum)の世界が
歌詞と曲調にあわせて急展開。
世界が反転して、反転して、反転して、反転して。
清らかな浄土のような白金の世界(とここでは呼びます)では、風さんは ピタっ と動きを止めていた。
わしらがいる空間は時が流れているのに、風さんの周りだけ、時が止まっているみたい。いや、悠久の時が流れていると言うべきか。
とてもゆっくり、ゆっくりな流れだから、止まって見える。
ライトも、ピタっ と動きを止め、小っちゃいスポットライトなのかな?一つのライトで様々な光をつくりだせるのかな?…。その光の軌跡だけで、幾何学の文様を作り上げていた。
いったい何個のライトを使っているのかわからない程の複雑さ。
とても精密で精巧。
大きな大きな万華鏡を覗いているようでも、
白金で彫金された大輪の蓮の花を真俯瞰(真上)から見ているようでもあった。
その巨大な神々しい光の文様の中心に風さんがいる。
微動だにせずに。
藤井 風(Fujii Kaze) - "へでもねーよ(Hedemo Ne-Yo)" Live Short Movie at 日本武道館
(武道館の時のへでもねーよも、照明の雰囲気は似ている。だけどアリーナでは、もっと荘厳で、もっと巨大な円。三角形を組み合わせるよう大きな円。歌詞と音楽をより深く、深く、理解して、ビジュアル化した印象。
その後の、色付きのリアルの痛みを感じる世界の照明は、武道館も赤と青が主体で、色のイメージは引き継いでいるのかな…。)
そして、急展開。
赤と青のリアルという血の通う世界。(とここでは呼びます)
ずっと謎だったステージ奥の布と照明の枠組み。
さっきはメリーゴーランドみたいに見えてたけど、今度は骨格のように見える。
垂れ下がる布に投影されているの、、、あれは、心臓?
心臓のような形に血管のようなテキスタイルが投影されていた。
(生々しくはないです。ポップな模様で、こゆ柄のセットアップは藤井風なら着こなせる。ウォホールの絵本『So Many Stars』みたいな可愛さも感じた。)
風さんは 赤い心臓の中 にいるみたいだった。
血管は青くて…
もしかして vein(静脈)?
そうだ!『へでもねーよ』はDURANさんが参加している作品。
DURANさんと風さんといえば、マイケル・ジャクソン繋がり。DURANさんの腕にはマイケル・ジャクソンとヒンドゥーの音楽の女神様のタトゥーがある。風さんはそれを見てとても『シンパシーを感じた。』という。その出会いに関してのtweetが↓。
↑ DURANさんのtweet 2020.08.30 ↑
左から:DURAN、藤井風
このtweetの写真の中に書かれている言葉はマイケル・ジャクソンの名言。
全文はこう。
この言葉をみたとき、
なんで動脈じゃなくて静脈なのだろう?と不思議だった。
静脈ってのは全身の血液を心臓へと運ぶ血管のことだよね?
脈をはかるのも動脈だし、ドクドクしてる動脈の方が生命って感じするのになんで?
静脈について調べて分かった。
なるほど。
ということは、静脈は体を綺麗にするデトックスに重要な役割を担ってるんですね。
え?
マイケル凄くない??
マイケルは使い捨ての大量消費の時代の象徴みたいに思ってたけど、実は違うんだなぁ…。
そんな世間の流れとは真逆な考えを
世間に流されず
あの時代に既に持てた人なんだなぁ…。(個人的見解です)
生きるのに必要なのは、
自らの浄化や再生だ
と分かってる人のように見える。
じゃなかったら
vein(静脈)
という言葉を、わざわざ選ばないと思う。
この事は、後で歌われるとある曲に繋がってゆく。
つづく
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4/10 ネタバレとかもう気にしなくて大丈夫そうなのでタイトルを変更しました。
2/14 風さんの代々木ファイナル公演でのポストと()内を追記しました。
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