6月に聴いたもの

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Lionmilk "A Real Rain Will Come"
アメリカの日本人ジャズピアニスト。といってもトラックメイカー色の方が強い。キーボードプレイはほどよい塩梅で出過ぎずドリーミーなコードに彩られたループトラックが続く。悪すぎない感じなのもいい。

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Sonmi451 "Nachtmuziek - EP"
エレクトロニカ寄りのアンビエント。途中でいきなり日本語の独り言みたいなサンプリングが挿入されたからびっくりしたけど日本人アーティストではなくベルギー人だった。鳥や虫の声も相まって日本のちょっと湿った夏を想像する。30歳も過ぎてくると子供の頃の夏を想像すると結構来るものがある。

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Chihei Hatakeyama "Above The Desert"
今月はひたすらアンビエントを掘っていて「Bandcampのレーベルアカウントの作品全部聴く」みたいな無謀なことをしていた。その中で出会ったロシアのアンビエントレーベル「Dronarivm」からリリースされている作品が良かったので何作か紹介。Chihei Hatakeyamaは何作か聴いているが今作が一番引っ掛かりがあって良かった。

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Halftribe "Backwater Revisited"
同じくDronarivmからUKのアンビエント。テープループに吹き込まれたようなこもったギターとパッドを中心に微睡むような音楽。何か具体的なイメージを想起するのではなく自身の潜在意識の中に潜っていくような感覚。周期の作り方が呼吸を思わせるようで眠る時に聴くととても良いと思う。

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Snufmumriko "Sekunder, Eoner"
同じくDronarivmからスウェーデンのアンビエント。先程のHalftribe寄りはエレクトロニカ的リズム要素があり風景的かもしれない。

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Ecovillage "Arrived"
同じくDronarivmからこちらもスウェーデン出身のユニット。ストリングスやハープなども使われていてストーリー性が強い。ジャケットも美しい。映画のサウンドトラックを聴くときはストーリーを思い出しながらそこに音楽を当てはめるが、この作品は逆に音楽自体でストーリーを描いている感じがしてとてもリッチなリスニング体験だった。

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Sinerider "Moonflowers"
同じくDronarivmから。これは割とプレイしてるイメージが想像できるアンビエント。ハード機材での一発録りな気がする。こういうプレイヤーの息遣いが見えるアンビエントも良い。

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Rachael & Vilray "Rachael & Vilray"
オールドな質感のジャズだがおそらく全てオリジナル。この倒錯したノスタルジー、ぐっときてしまう。ノラ・ジョーンズの1stとかもそうだったけど、この種の「スタンダード」を意識したオリジナル作品は出会うことができると宝物になる。網からすり抜けてしまいがちだけど(ノラ・ジョーンズは大ヒットしたけど)

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John Carroll Kirby "Conflict"
先月も取り上げたジョン・キャロル・カービーを。ピアノを中心にした瞑想的なアンビエント作品。ポストクラシカルというには少々オリエンタル要素が強いがそれがいい個性になっている。うっすらと歪んだピアノの音とそれに溶け合うシンセのパッド、そしてたまに登場する尺八のようなフルートが幽玄なムードを作っている。

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Morgan Packard "Moment Again Elsewhere"
ちょっとレトロな空気を感じるエレクトロニカ。グリッチやビットクラッシャーがかったビートに乗るピアノ。叙情的すぎずミニマルな要素で展開されているのが良い。

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Clap! Clap! "Liquid Portraits"
イタリアのトラックメイカーの3rd。一曲目からトロピカルな要素が多く気持ち良くなってしまう。同じくトロピカルで楽園的なトラックメイカーといえば個人的にはTeebsが浮かぶが、彼よりは音数を絞ってミニマルな印象。あえてリッチにしすぎないのが今風なんだろうか。シャープでクレバーにアガる印象のアルバム。

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Valance Drakes & Ivan Shopov "Unearthing Buried Chapters"
エレクトロニカ。調べてみてもあまり情報が出なかったがブルガリア発のようだ。確かに2曲目のコーラスワークにはブルガリアンボイスを感じなくもない。全体的にはダークで湿った音像が続く。

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Bruno Major "To Let A Good Thing Die"
イギリスのSSW。調べてみたらめちゃくちゃ流行ってるみたいですが例の如く洋楽をあまり聞かないので知りませんでした。確かに流行りの音感はすごい。トラックメイカー感とSSW感のバランスが絶妙。グルーブはタイトなのにそれに合わせるコード進行とメロディセンスがかなりオーセンティックというかもはやオールドで、その同居感が独特の揺らぎというかあたたかさを発して強い個性になっている。


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